紙の本
実は歪んできているのは自分たちなのかも
2015/12/31 18:39
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投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「子育ち」から「子育て」 「困っている子」が「困った子」に 治療,障害というフレームだけで見るべきではないんだな,ということがわかった.不良品を箱から出すイメージの対処ではなく,ちょっと形の違うものも,うまくディスプレイできればいいんだろうな.
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子どもへの教育を行う上で、「発達障害」について理解を深めることは大切だが、発達障害児として接するのではなく、あくまで「教育とは何か、この子どもをよりよく育てるにはどうすればよいのか」と考えることが大切だと改めて考えさせられた一冊。
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思っていたよりも守備範囲が広い本だと思った。今まで読んだ発達障害に関する新書と比較して、新しく出版されただけあって、少し掘り下げて書かれている。もう少し事例が多かったら更に嬉しい。
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子どもがまわりをどう見ているか?という視点の導入が強く印象に残った。
前半では、発達障害には運動機能障害が先行するという最近の研究も紹介。
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障害に対する知識的な理解と、障害を持った子どもに対する関わり方について。
特に、
・障害を持った子どもを他の子との比較ではなく、その子自身の発達をみること。
・運動と知覚の障害との関係性。
・地域や周囲の人間関係の在り方について。
が参考になった。
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事例として紹介されているものが、保育園、小学校、中学校と幅広い。そのため、各発達段階におけるケースを知ることができる。しかし、事例→つまり◯◯◯という書き方では、まちがった読み取りをしてしまうかも。著者の言うとおり、子どもの目線で世界を捉えることが大切である。
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かつて、身体障害者、発達障害者、知的障害者のように他のモノと違うものを異端、キツネ憑き、などと称して排除するという風習のあったムラ社会の時分、彼らは他の子どもたちと一緒に「花いちもんめ」や「かくれんぼ」「だるまさんがころんだ」などの遊びをしたのだろうか。
「かくれんぼ」は誰から隠れるのか?鬼からであり、神様からであり、異端のモノから隠れるわけで、そういう意味では、サヴァン症候群の症状を持つ子どもは正にそういう遊びの中心だったのではないか?
サヴァン症候群を持たなくとも、それこそ周囲の人間の視点次第で障害者は劣る故に劣らぬ者と映る。
いついつの時代には受け入れられ、いついつの時代には弾かれたというテーマは、民俗学的に考えてとても面白いテーマだと思う。そちらの学問が好きなせいか、民俗学と結びつけてしまったのだけど。
「ぼくは、他の人とは違う世界に住んでいるような気がします」
こう話した子の実例が載っていたが、その意味を、より深くまで掘り下げれば、幻想的で、神秘的な想像ができる。そこまで言っちゃうとフィクションの世界になってしまいますので、ここで止めることにします。
子どもの発達障害については大変興味深いし、勉強が必要な学問だと思いますね。
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理論立てて科学的に考える道筋が書かれており、すべてが十分に検証されてはいないが、非常に興味深い仮説(発達障害の発生機序)が述べられている。同時に、療育にあたり、子どもや保護者に接する専門家に対して、耳の痛い指摘もあり、頭では分かっているが、実際にできているかどうかを再認識させられる。同時に、エビデンスに基づく訓練の立案、振り返り、修正のサイクルの重要性を再確認した。
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[ 内容 ]
近年、発達障害と診断される子どもが急増している。
その原因は、子ども自身にあるのではない。
少子化など社会変化のなかで、大人の「子どもを見る目」が大きく変化したのである。
それは「生きにくくさせられている子どもの増加」でもあった。
本書は、発達障害をめぐる様々な混乱を取りのぞくために、最新の科学的知見をもちいて、子どもの発達を胎児期にさかのぼって検証し、発達障害児が“子ども集団”のなかで自ら活き活きと育つことの重要性を提案した一冊である。
[ 目次 ]
第1章 発達障害をめぐる混乱―発達障害はなぜ増えたのか
第2章 発達障害とは何か
第3章 発達障害の子どもの運動と知覚―「コミュニケーションの障害」を問い直す
第4章 見る・聞く・感じる世界が違う子どもたち―発達障害の発生プロセスを考える
第5章 障害があっても安心して暮らせる町
第6章 子どもは“子どもの世界”で育つ―「ひとり」を見る、「みんな」を見る
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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発達障害のことをある程度学んだことのある人が読んだ方がいいと思います。発達障害の再定義を試みています。医学的な側面だけではなく、その環境の重要性を説いています。発達障害やその療育のトレンドに違和感を持っている人には得るものが多いでしょう。反対に療育のハウツー本を期待している人には向いていないと思います。
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確かに、発達障害者が世界をいかに知覚するかという本書の着眼点はいい。が、その知覚の内容や健常者との差異は、わずかしか書かれず。おそらく差異は「情報への無意味なフォーカス」なのだろうが、その具体的内容は描述不足。また、聴覚と視覚、触覚でも違うだろうし…。この突っ込み不足は残念。タイトルから内容を期待したんだけどなぁ。実際、発達障害者の知覚を具体的に明らかにしないと、保護者・教師等関係者が発達障害者目線に立つことの一助には、残念ながらなりえない。なお、乳児の認知・知覚研究の現状・進展には注意が必要。
なお、本書とは関係ないが、過日「サイエンスZERO」で発達障害者の要因として、乳児期の視覚が、通常よりも見え過ぎる、との指摘があった。