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少し前の本ですが、若い人だけでなく、誰でも読んだ方が良い本です。
今日本が抱えている問題につながる内容です。
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筑紫さんのような人はそれ以前にいただろうか。現在はいない。
諸手を挙げて讃える訳ではないのだが、
これだけのジャーナリスト精神を携え、
しかもニュースキャスターとして一般に受け入れられた人は
希有な存在だったと改めて感じた。
内容は大学院生に向け、それぞれの事項の表層をなぞったぐらいで、40一歩手前の自分にとっては若干物足りなくはあるが、
想いは伝わってくる。
付録の高校生時代の文章には、ジャーナリストの産声を上げる前の
沸々と煮えたぎっている心が見え隠れしている。
読書メモ
・二元論的なモノの見方ではいけない。物事には複雑な背景がある。
・日本人論が好きな日本人だが、本当の意味で日本人を捉えている人は少ない。判官贔屓は一つの特徴だが、最近勝ち馬に乗るような性質が見え始めている。
・信仰心は薄いが、八百万の神といった多神教的なDNAがあり、西洋の一神教文化とは決定的な違いがある。
・ジャーナリズムの視点に立つと、情報規制のかかる新聞と自由に発信できる雑誌では雲泥の差がある。しかし、報道のパワーは生きている。
・国家主義と愛国心を一緒にしてはいけない。島国の日本は混同しがち。
・国の底上げのためには教育が重要。
・日本人はもっと人生を楽しむべき。総理大臣がオペラを観に行く事と政治を一緒の土俵に上げて議論してはいけない。
・この情報化社会にあっては、Information、Knowledge、Wisdomの知の三角形という考え方がある。知識を体系化できるような教育が必要。
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父は、日本人はなぜ、もっと人生を楽しむためにいろんなことをしないんだ。僕はその手助けをしようと思って、日本人もっと楽しく生きてほしいと思って、そのためにずっと映画を撮り続けてきたのに、なんでもっと人生を楽しむという観点から生きようとしないんだろう。そういつも言っていました。
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大学生に向けての講義を元にしているので、大学生は一読しておく必要があると思います。
・菊と刀を読んでみたい
・黒澤明「日本人はなぜもっと人生を楽しむためにいろいろなことをしないんだ」
・知識をいろんなつながりから覚えていく
・好奇心だけで終わらない。「これはなんだろう」という探究心が必要
・大学には疑うことを学びに行く。
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筑紫哲也氏からのメッセージ。
彼自身が新書を発行することを提案したらしい。しかし、そのために始められた『青春と読書』への連載は病気の進行により2回で終了してしまったため、本書はその連載内容に早稲田および立命館で彼が行ってきた授業のテープをおこした文章が加えられている。
書面の大半が講演テープの話し言葉をそのままおこした文章で構成されていることもあり、彼の人柄が柔らかくかつストレートに伝わってくる。本書の中でも自らが触れていることだが、編集者で培った一歩引いた立場を好み、自分自身の思想を主張するというよりも、その時その時にならすべきと感じた警笛を率直におそれずに鳴らす。自信を持ってそうするための努力や勉強は惜しまない。そういう人柄だったのだと思う。
『青春と読書』の連載一回目に記載されている通り、筑紫氏のスタンスは「心配性のジャーナリズム」、つまりは‘反体制、反大勢、少数派支持'にある。そういった視点を持ち、そしてその視点から体制に対してきちっとモノを申していく人間が必要だというスタンス。
そのような視点から見て、‘「この国の将来」は残念ながら、かなり「深刻」です。’という憂いが本書を執筆した(しようとした)モチベーションだったのだろう。
いずれにしても、刺激を受けた一冊だった。
例えば、靖国問題。小泉首相時代、「アジア諸国がとやかく言うのは内政干渉であって、気にする必要はない」と開き直って喝采を浴びたことがったが、逆の視点、アジア諸国から見ればあれはどう映っていたのか。夏になると「戦争回顧」的な番組が多数放送されるが、被害者としての日本(日本の中の被害者)ばかりがクローズアップれされていないか。同時に日本は加害者であって、アジア諸国は被害者であったのではないのか。その一方の事実を、靖国参拝が想起させているだけなのではないのか。そのことを直視することなしに、国際社会において生きていくことは難しいのではないか。
在日米軍に対して(例えば目下の普天間基地問題についても)排除するような動きを歓迎するムードがあるが、それでは日本が経済まっしぐらに突き進んでこれたことは、どういうスキームの下で成り立っているのか。横田や厚木など、首都の近傍に大量の外国軍をつきつけられる状態を長く受け入れておきながら、今になってその部分的な問題について騒ぐのはあまりにもおかしいことではないだろうか。そもそも、大戦後に変わったのはドイツとイタリアと日本だけであって、それ以外の国にとっては何も変わっていないのである。日本だけが「戦争放棄」しているだけなのではないのか。
自らの目で全体を見渡して、事の軽重をしっかりと判断すること。常に物事の表と裏を認識すること。これが大切なんですね、筑紫さん。
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私が心配なのは、にもかかわらず、「近ごろの若い者」があまりにも優しくてナイーブなために、そういう評価にふり回され、自分を見失いかねないことです。
いつも言われていることが正しいとは限らない。かつてそういう傾向があったとしても、それは変わるんだ、ということを知っておく必要がある。
ハリーポッターの世界でも9・11でも、起きたことは一神教同士の衝突です。我が信ずる以外に神なし。我が神以外に何を信じるのか、と。
自分に知識がないために、マスメディアが伝えるもののほうへ、一方的に誘導されていってしまう、ということが起こりがち
絶対に正しいものが一方にあり、絶対に間違っているものがこっちにある。簡単にいえば一元論です。あるいは宗教で言えば、一神教です。我以外に神無し。一つしか真理がない、一つしか正義がない、それがぶつかっているのが今の世界です。
世間で言われていることに懐疑心をもつことは大切ですが、そのなかに正しい答えが絶対にあるんだ、と考えることについても懐疑心をもつ。疑うことが学ぶことの意味だというのは、そういうことだと思います。
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読書メモ
▼知の三角形
Information(情報)
Knowledge(知識)
Wisdom(判断)
※情報を適度に吸収し、知識を増やし、判断する能力を増やして
収まりの良い三角形を作る。
▼プラトン 『国家』
民主主義は独裁を招く事がある。
非常に厄介な独裁は多数による専制である。
(仕組みとしての独裁化=ファシズム)
http://bushido-cast.jugem.jp/?eid=258
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こんなこと考えてたのか、と筑紫さんを身近に感じられた。
でもジャーナリストの人の頭の中って凄い。
広大すぎる。そしてエネルギッシュ。
もっと生きて、若者になんやかや言って欲しかった。
最後の筑紫さんの学生時代の作文が、身近に感じられてこっぱずかしかったり。
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今は亡き筑紫さんの著書
知の三角形という考え方になるほどなーと
情報社会の中では知識がないときちんとした判断ができない
そして知識を知恵にしていくことの大切だということも認識した
個人的には、著書の中で黒澤明監督の娘が
「父は、日本人はなぜ、もっと人生を楽しむために色々なことをしないんだ?僕はその手助けをしようと思って、日本人にもっと楽しく生きてほしいと思って、そのためにずっと映画を撮り続けてきたのに、なんでもっと人生を楽しむという観点から生きようとしないんだろう。そういつも言っていました。」(著書からそのまま引用)
と書かれていた所に、妙に納得し、一番印象に残った。
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今まで筑紫さんの書かれたものを読んだことが無かった。
テレビで見ているだけではわからない、筑紫さんの考えに触れることができたように思う。
うまく言葉にできないが、読むうちに泣けてきた。
大切にしたい本である。
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筑紫哲也が最期に書き残そうとして途中で終わってしまった連載「若き友人たちへ」と、大学講義の内容を書きおこした内容の、まあいちおう二本立て。
分量は9割、大学講義の内容で、それもすごく面白い、筑紫さんの考えや伝えたいことがよく出ている内容なのだが。
なにより冒頭、わずか28ページの「若き友人たちへ」、特にその第1回の内容に、筑紫さんの若者に対する愛ある眼差しが感じられて、今更ながら筑紫さんの死を想って泣ける。
僕自身はかなり根本的な考えが筑紫さんに近い人間だが、意見を異にする人でも是非読んでほしいと思う。
筑紫さんの考えるジャーナリズムというものがよくわかるし、意見が違っていても筑紫さんなら話を聞いてみようと思わせるだけの人間性が伝わるし、考えさせられることは多いのでは。
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これからの未来を担う若者へのメッセージが綴られています。
憲法、ジャーナリズム、教育、政治、音楽、メディア・・・といったテーマに若者はどう考えればいいのか。「物事を疑うということを学ぶために大学に行くのだ」という言葉が特に印象的でした。とにかく自分で考える習慣が今の若者には足りないのです!
知の三角形(information、knowledge、wisdom)をバランス良く形成していかなければいけないですね。今の穣化社会ではinformationが過剰供給でパンク状態なのです。自分には決定的にknowledgeが不足しているなと実感しました。
ジャーナリズムが持つ可能性を感じさせてくれる一冊です。
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筑紫さん大学で講義してたんですね
ぜひ受けてみたかった
筑紫哲也という男の深さを実感しました
彼は縦と横にプラス奥行きがある3D。
自分はやっと縦だけじゃなく横の広がりも意識し始めた、
ぺーぺーの2D
さらに奥行きもあるんだなーと教えてもらった一冊でした
彼にはかないません!!
とりあえずもっといい映画が見たくなったよ。
彼の危惧が杞憂で終わる、そんな社会にしていきたいです。
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ダンナさんの本棚より。
すごく、面白かった。
もっとちゃんと、聞きたかった。
言葉をすごく大切に、重要視して扱ってくれるのが個人的に嬉しかった。
それにしても、すごい知識量。
そしてただ知識を並べ立てるのではなく、面白く分かりやすく興味を持てるように話すって、すごい。
読みたい本や調べたいテーマが広がりました。
超余談ですが。
先日のNHKスペシャルに出てきた人が、(すごく興味深いことを話していたので、メモってた。)この本にも出てきて吃驚した。
こういうワクワクする偶然があるから、本を読むのはやめられない。
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2011/3/30読了。
大学生向けの講義などをまとめたものであり、非常に読みやすい。だが、その中に幅広い分野、観点での助言が含まれているように感じた。これを出発点にもっと学んでいきたいと思わせてくれる1冊。
○情報(Information)と知識(Knowledge)、知恵(Wisdom)の「知の三角形」のバランスが重要。その真ん中にくるのが、キーワードの体系化と、具体的な問題の抽象化の2つ。抽象的現代社会では情報が大きくなりがちなので、いかにそれを知識や知恵に結び付けるかが問われている。
・例え「和」が日本人らしさであっても、「空気を読め」という風潮が行き過ぎてはいけない。
・自分の身を置いているところでもつ実感とそうでないものとには、どうしても距離がある。
・時代遅れだから新しい憲法をつくるという意見があるが、今まで憲法をないがしろにしてきた人間が、新しい憲法が出来たからといってそれを守る保証がどこにあるのか。憲法はファッションではない。
・誰しも自分観や日本人観を持っているが、それが本当に正しいのか。民族も人間も変わっているにも関わらず、前のイメージに自分を固定させてしまっている恐れがある。(例)判官贔屓からバンドワゴン効果へ。
・流行のように右往左往する世論の一部となってはいけない。
・歴史問題があるが、事実として、戦後60年日本は戦争をしていない。自国の軍隊で他国の兵隊を一人も殺していないし、逆に他国の軍隊に一人の日本人も殺されていない。理由はともかく、戦争はしていない。
・デジタル革命は、人間の咀嚼の能力を超えるスピードで進んでいる。その結果として理解能力とのギャップが生じ、考える力が衰退している。
・ナショナリズム(国家主義)とパトリオティズム(愛国心・郷土愛)は大きく違う。国家主義は、世界的な問題を解決する上での大きな障害となる。
・アメリカという巨大国家が内部に存在している状態で、独立した国と言えるのか。そのことすら議論しない。いかにものを考えない国民でも、これはノー天気すぎる。
・「なぜ日本人は、もっと人生を楽しむという観点から生きようとしないのだろう。」
・日本の三大問題は、借金、人口の減少、教育である。