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1).目次
省略
2).筆者の主張
省略
3).個人的感想
・17歳の若者が浅沼稲次郎を刺すまでの過程をまとめたものである。浅沼が選ばれた理由は偶然であり、人生の悲哀を感じる。
・若者が暗殺者になるまでに、両親は止めることができなかったのかという点にも虚しさやさみしさを感じる。特に父親は息子のことを考えた行動をしており、うまく愛情表現できなかったのではないかと思う。
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殺られる側と殺る側
この両者を巧みに対峙させながら、物語は絶え間なく、つき進んでいく
ここには飾られる言葉はなく
野に生き生涯清楚でありつづけた政治家と
蒸留水のように、無垢な若い魂の苦悩とが描き尽くされている。
ある意味救いようがないくらいに残酷な事件なのではあるのだけれども。
この事件が、この本を介在とし、世に問う意味はあまりにも清廉潔白なことが不思議なのだ。
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浅沼稲次郎を刺殺した十七歳の少年、二矢(おとや)と、浅沼の物語。若く純粋であることは、同時に張り詰めた凶器のような危うさも孕む。十七歳という年齢が、自立した考えをもつには十分すぎる年齢であることを、ひとはその地点から離れ老いゆくごとに忘れていく。
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浅沼稲次郎、山口二矢を描いた名作。
折しも、刺殺場面の写真を撮ったピューリッツァー賞写真家が5月初旬に亡くなっていて、感慨深い。
社会党の歴史を知る上でも勉強になる。
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登場人物をリアルタイムで知らないものですから、ペースを掴むまでは読み辛く。
でもインプットできてからは一気に読めた。
結構エキサイティングでおもしろかった。
政治関係って、迂闊に手を出すとハマっちゃいそうで踏み込めないんだよねぇ。
小林よしのりとかさ。(あれは異色すぎる気もするが)
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「しかし、浅沼の、よろめき崩れ落ちそうになりながら決して歩むことをやめなかった愚直な一生には、山口二矢のような明確で直線的な生涯とは異なる、人生の深い哀しみといったものが漂っている。」
主だった登場人物は2人。閃光のように駆け抜けていった17歳のテロリストと61歳の野党政治家。
17歳のテロリストはマスコミでも頻繁に取り上げられただろうけど、浅沼氏をただの被害者政治家としてじゃなく、生の人間として記してくれたのはとても嬉しい。
日本の歴史を知ることができた。
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新装版が昨年出ました。
この本の紹介を読むまで、浅沼暗殺事件なんて知りもしなかった。
もともと政治への興味が薄いのもあるが。
こうやって現在の日本に憤って、暗殺を企ててる人がいるというのは新鮮な驚きでもある。
暗殺なんて、遠い過去のことにしか思えていなかったから。
現代の若人こそ読むべきノンフィクション。
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第10回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
テロルとはドイツ語でテロリズムのこと、wikiでテロをさらに調べると「特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力・・」とある。1960年、社会党委員長の浅沼が17歳の山口二矢に刺された事件の前後を詳細にわたり書いている。小説と違い事実を丁寧に時系列で追っている、事件当時の様子などは物凄く緊迫感がある、これがノンフィクションの醍醐味なのだと思う。
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声なき者の声を聞く
しびれます。
めっちゃめっちゃおもしろかった!
沢木と言えば、「テロルの決算」でしょう、といわれる理由がわかります。
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日比谷公会堂の演壇に立った社会党委員長の浅沼稲次郎を右翼の少年山口二矢が両手で握った短刀で刺した暗殺事件を描く。
61歳の野党政治家と17歳のテロリストのそれぞれの生い立ちから事件の一瞬までを生々しく描き出す。
自分がその事件現場にいるように感じるほどの刺殺の一瞬一瞬の描写に息を飲む。
テロは反社会的・暴力的な手段であり何の解決も生まないと僕自身は思っています。しかし山口二矢少年の国を思う熱い気持ちには心揺さぶられるものを感じずにはいれませんでした。
現在の堕落しきった政治に批判するひとはいてもここまで熱く行動に移せるひとはいないような気がします。
そしてその少年以上に庶民のための政治に全力を傾けていた浅沼稲次郎が刺されたのが何ともやるせない気持ちになります。
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浅沼委員長暗殺事件は歴史の教科書の一項目としての認識がありませんでした。この本を読んで事件の詳細、そして山口二矢のことを知りました。山口氏も生きていれば2010年で67歳。罪を償ったとしても、余りある人生が待っていたのではないかと思います。それにしても、17歳の少年がテロに真剣に向かっていった狂気というものを感じます。時代の空気もあったのでしょう。でもテロに走る感覚が分からない。
沢木耕太郎氏がこの事件にスポットを当ててくれたことで、事件が風化せず、語り継がれていることを考えると、作品の重みを感じます
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昭和35年10月12日、日比谷公会堂の演壇に駆け上がった少年は弾丸のようなスピードで、演説中の社会党委員長浅沼稲次郎に突っ込み、刺殺した。驚くべき行動力と確固とした信念を持つ17歳のテロリスト山口二矢と壇上で息絶えるまで走り続けた人間機関車浅沼の一瞬の交錯を描いた本書は、日本のノンフィクションの歴史に燦然と輝く金字塔である。筆者は2人のどちらにも肩入れしていない。しかし、だからこそ2人の愚直で圧倒的な人生のドラマに胸を打たれる。
(九州大学 学部生)
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テロルの決算・目次
序 章 伝説
第1章 十月の朝
第2章 天子、剣をとる
第3章 巡礼の果て
第4章 死の影
第5章 彼らが見たもの
第6章 残された者たち
第7章 最後の晩餐
終 章 伝説、再び
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昭和35年10月12日、社会党委員長の浅沼稲次郎が右翼の少年、山口二矢に刺され死亡する事件を追求したノンフィクション。
浅沼、山口の双方の生い立ち、背景が丹念に描かれている。最後まで読み終わってから序説を改めて読むと、その意味がわかる気がした。人が信念を持つということについて考えさせれる。
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「若さ」が「純真無垢」であるからといって、自らのなした行動に対してそれが、いかなる意味においても「免罪符」になるとは必ずしも言えないでしょうよ、と一般論として本書を読んでふと浮かんだこと。彼にとっての「最高の瞬間」は、その時のその場所でのそれでしかなかったわけで、筆者の言う、彼の「生きていたら」は全く想像しえない、は思うに説得的。