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今、いろんな意味で脚光を浴びている鎌田教授の新書。氏の最近の本は、プレゼン術とか思考法とかそういったものが多いようだが、本書は氏の専門分野に関するまっとうな読み物である。火山活動という自然現象を大づかみするための道具立てがすべて解説されているので、これ一冊でも火山のことが結構わかる(というか、わかった気になる)。プレートの運動と火山活動の関係や、マントルの上昇と岩石の融解の関係など、地学に触れたことのないものには目新しい現象が解説されており、非常に勉強になる。惜しむらくは、ちょっと文章が下手くそでわかりにくい部分があるところか。
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火山学のアウトリーチで有名な鎌田先生の本。
火山対策が気になっているので基礎勉強。
勉強した点。
(1)マグマができるような岩石が誘拐する条件は、以下のみっつのうちの一つが満たされた場合。「岩石に外から熱が加わる場合。このとき温度が上昇する。」「岩石がマントルを上昇する場合。このとき圧力は上昇する。」「揮発性成分が混入してくる場合。このときは温度も圧力もかわらない。」(p79)
この3つの条件がそれぞれ、プレートが貫入している日本列島の地下で行われている。
(2)現在地球の内部で発生する熱源の大部分は、放射性物質の崩壊による。(p173)
福島原発とおなじ原理。
(3)関東や近畿で地層でかぎ層となっているピンク火山灰(100万年前)とアヅキ火山灰(70万年前)は、九州の藺牟田カルデラから吹き上げた火山灰。(p206)
大噴火が、日本中を火山灰で覆った事例。
火山災害は、非常に危険な災害とわかる。
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火山とは何か◆プレートの運動◆地球上の火山活動―マグマの上がってくるさまざまな場所◆マグマの起源◆マグマの多様な種類◆マグマは変化する◆火山ガス◆火山の熱源と根もと◆火山のエネルギー◆火山のもたらす財宝◆火山と気候変動
著者:鎌田浩毅、1955東京都生、地球科学者、東京大学理学部地質鉱物学科卒、京都大学大学院教授
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自分が高校時代に教科書から学んだ知識が間違っていた、あるいは一つの解釈にしか過ぎなかった、ということはよくあります。本書で、プレートが動く理由についての説明がありますが、自分が覚えていたことは実はいくつかある説のうちの一つに過ぎない、ということが分かりました。だいたい20年以上前に勉強したことなのだから、この間で新たな発見もあるでしょうし、新たな説が出てきても全くおかしくない。大陸が移動するなんて話、50年前にはほとんど誰にも受け入れられなかったのでしょうから。どういう状態のときにどういう火成岩ができるのかと言った話はかなり専門的になって分かりづらいのだけれど、まだまだこれからの学問であるということが若い人たちに伝われば良いのだろうと思います。ところで、よく考えると私は高校時代、地学の授業なんて受けなかった。というか地学を教える先生すらいなかった。大学時代もなぜだったか鉱物学なんていう講義を聴いた覚えはあるけど、結晶の話ばっかりでさっぱり分からなかった、という記憶しかない。本書を読んでみて、もっと勉強すれば、もっとおもしろい話がいっぱいありそうな分野だということだけは確信しました。
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本当にお勧めできる新書です。
初めて火山を知る人も、
地学なんかやってないよ、の人でも。
もちろんこれ、大学のテキスト(初級)でも
使える代物ですので
どのレベルの人でも読めます。
一応、難しい記述もでてきますが、
前もって教えてくれていますので
そんなに気にする必要もないでしょう。
読み終えて伝わってきたのは
火山に対する「愛」でしたね。
学問に対してもね。
学ぶことの面白さも教えてくれます。