紙の本
家族ホラー
2023/10/26 01:06
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不穏な独白から始まる。
母娘の日常。
見え隠れする違和感。
家族というのは一つの世界。
一つの家に一つの世界。
壁の外と内にはやっぱり、
文字通り隔世の感があるのかも。
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やっぱり山本文緒は最高です。近年稀に見る一気読みをしてしまった。
うしろにある作者の存在なんか感じる余裕もないくらい、そこにある圧倒的な「現実」に巻き込まれて、いつのまにか泣き叫びたいほどの鬱の渦に呑み込まれる感じ。
後半は軽くホラーかという展開になるので、微妙に自分とのシンクロ率が低下して、逆に楽になりました。
そして、根本的には何も解決しない結末も山本文緒っぽい。
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門限が夜10時、私と同じでふと気になって手にとってみました。数時間で一気読みしてしまった。読み終わった後のなんとも言えない余韻が続く作品。
なんだか今までの生き方、考え方、家庭環境がさとると驚くほど似ている。
大切な本がまた一つふえました。
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悲しくなった。
家族崩壊系の話は苦手だ。
結局元凶はどこだったのか、どうしてここまで来てしまったのか。
将来を考えた母親の計画、母親が怖くてでも正しいから反抗できない娘、隠された父親の存在。
どの時から、どうすれば幸せな家庭に向かったのであろう。
終盤にはカウンセラーに関する秘密も、ぞくっとする。
やっぱりなにか悲しく、虚しくなる?
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歪んだ母子関係は、欧米では結構昔から取り上げられてきたように思います。
しかも、『サイコ』や『キャリー』など、ホラーやサスペンスに絡められるほど、その恐ろしさや問題の根深さが捉えられている気がします。
私が気が付かなかっただけかもしれませんが、日本でこの手のテーマが書かれるようになったのは、欧米に比べると、割と最近になってからのように感じられます。
欧米では早くから、カウンセリングも普及し、家庭の問題を外に出そうという動きがあったからかもしれません。
一方、日本では未だに、DVやその他、家庭の中の問題は外に出さない、という考えが、当事者や周辺の人にも残っているようです。
アダルトチルドレンは連鎖していくけれど、主人公のさとると、その妹のみつるは、少しでも克服出来るかも・・・と、少し希望の持てる終わり方でした。
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「 厳格な母、繊細な娘。行き詰まる家に眠る秘密とは・・・」
話自体は以前に読んだことがあったのだけど表紙の牧野千穂さんのイラストが素敵すぎて買ってしまった。
「恋愛中毒」が「恋愛の狂気」を描いた作品なら、こちらは「家族の狂気」を描いた作品。家族という濃くて、閉じた関係のおそろしさを感じられます。最後3ページの独白もおそろしさに拍車をかけています。血の歴史は続くんだろうか・・・。
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どんなに憎くても 家族っていうのは縁を切るのは難しい。家を出ていけば、いちようは丸くおさまることなんだろうけど、、、ここまで家に執着してしまうのはやっぱり病んでる気がする。
病んでる女を書くのほんと・・うまいーーーーー・・・
途中まで展開がまったく読めないので、どんな秘密があるのかゾクゾクしました~~。盆に大量に読んだうちの1冊。
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家族との関係の中で、自分の価値を見出せずに変わらない日々を過ごす24歳の女の子。母と子、女と男、周りと自分。様々な対比の中で存在する自分を見直す機会を与えてくれる本。気分が憂うつな時にはお勧めしないね。
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歪んでるなあ。
私は幸せな家族に育てられてよかったと思ってしまった。
それくらいこの話は笑えない、というか、
現実にないとは言い切れない恐ろしさで寒くなった。
この断ち切れない歪みはどうしたら矯正されるのかな。
断ち切れないからやっぱり逃げるしかないんだろうなあ。
でも家族というある意味呪いのようなものは消えないもんな。
親ってその気になれば子どもを洗脳させるなんて容易いよね。
こわ。こわいわ、まじで。うまいなあ。
『目の前で溺れている人間を、泳げる自分が何故見捨てることができるのだろうか。』
鉄男が救いになると信じたい。
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家がなくなることで解放されたような終わり方だったけど、家族の関係がよくなったわけではないし、すっきりしない…。先生と誰かの会話は、正体が後半まで読めなかったのでおもしろかったです。読んでいて情景が浮かんでくる描写はさすが!
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【0101】家族という閉鎖的集団。当たり前ではないルール、家族の形。責任を持とうとすることで、自分自身をかわいそうだと思い込む。相手はもちろん自分に同情しないこと。
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怖すぎた。
将来、家族を作りたくないなとすらおもった。笑
きっと読み返すことはないでしょう。。ぐらぐらしてくる本。
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家事手伝いをする24歳のさとるの門限は10時。
それを頑なに守っている。
さとると付き合うようになったスーパーのアルバイト店員大学生の鉄男から見たさとるの家庭は、普通ではないように思えた。
多少の家族の秘密はどこにでもありそうですが、さとるの家庭の問題はとても深く重い。
さとるはその被害者なのかも。
さとるの陰湿な雰囲気も、家庭環境にありと思います。
鉄男が救いになるのでしょうか。
物語の後の展開を想像しても、一筋縄では行かなそうな気がします。
みんなが今より少しでも幸せになれたらいいなと願ってやみません。
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三人称と一人称で書かれていて、途中までこの一人称が誰のことなのかがわからないのが面白い。
一番悪いのは母なんだと思うけど、その母の心情が描かれていないので、一体この人は何を考えているんだろう?と思った。
"どこまでやったら親孝行で、何をしなかったら親不孝なんだろう"
ほんとそう。
さとるもみつるも、家族に縛られて生きていたけどこれからは少しずつ解放されますように….
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ゆがんだ家庭の事情を赤裸々に描いたお話。
長く一緒に暮らしている家族ならそこでのルールみたいなものは自然と出来てくる。
家族各々はその狭い世界のなかで生きなければならない。
抜け出したくても、なかなかできない。
家族間のルールに縛られると嫌なことなのかいいことなのか、その判別までもが難しくなる。
娘二人の家庭に母親が女帝になり、彼女の独裁ぶりに父親を含め娘の恋人までが、翻弄されていく。
ここまではよくあると思うのだが、母親が娘の恋人を寝取るというのは、ちょっとわからない。
娘を含めた周囲の者達を独占したいのであれば、そんなことはしないのでは?
この母親が何を目指しているのかが、さっぱりわからない。