- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
7 件中 1 件~ 7 件を表示 |
紙の本
本書は、佐藤泰志氏による勇気を与えてくれる短篇連作集です!
2020/06/02 09:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『きみの鳥は歌える』や『オーバー・フェンス』などの傑作で知られる佐藤泰志氏の作品で、同氏が亡くなられた翌年に刊行された短編連作集です。大きく二部構成になっており、第一部はスケッチ的な素描のような短編で、第二部が少し小説らしき内容となっています。全篇を読み終えると、怒りも腹立ちも安っぽさも、いやらしさもすべてを抱えたままで、みな顔をあげて前を向き始めることができる勇気をもてます。無理にハードルを飛び越えなくてもいい、それしかできないのであれば、ハードルとハードルのあいだの空間をただまっすぐに架空のゴールまで歩いていけばいいと思えるようになる作品です。具体的な内容構成は、第一部が「美しい夏」、「野栗鼠」、「大きなハードルと小さなハードル」、「納屋のように広い心」、「裸者の夏」、第二部が「鬼ガ島」、「夜、鳥たちが啼く」となっています。自信がない時、落ち込んだ時に読むと心が癒されます。
紙の本
男たちの痛々しさ…佐藤泰志「大きなハードルと小さなハードル」。
2011/08/03 17:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと読んできた佐藤泰志も文庫作品はこれで終わり、初期作品集を
残すのみとなった。何だかちょっと寂しい。さて、この「大きなハード
ルと小さなハードル」は「秀雄もの」と呼ばれている連作5作が第一部、
その他の短篇2作が第二部という構成。第一部、最初の「美しい夏」で
主人公の秀雄は光恵という女性と暮らしているが、そのタイトルとは逆
で全編を被っているのは、ギスギスとした何ともイヤな空気だ。そのほ
とんどは主人公秀雄が生み出している。次の「野栗鼠」では2人の間に
陽子という三歳の娘が生まれ、表題作「大きなハードルと小さなハード
ル」では秀雄の重度のアルコール中毒が明らかになる。いたたまれない
ような家庭の雰囲気、少しも噛み合うことのない夫婦の会話、この連作
にはこれまでの佐藤の作品にはあった、ささやかな喜びやかすかな希望
さえ感じることができない。作者のいつもながらのリアリティに感心し
ながらも戸惑っている自分がいる。
第二部はまったく違う主人公たちの話なのだが、やはり居心地の悪さ
というか読み心地の悪さがある。この本の男たちは常にいらだっている
のだ。ラスト一作だけ少し明るいトーンがあるのが救いだが…。あがき
ながら、もがきながら、なんとか輝きを取り戻そうとする男たちの痛々
しさに少々まいった。
紙の本
孤高の短編集
2017/04/15 03:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会から忘れられたような場所で生き続けることが伝わってくる。芥川賞に5度落選しても屈しない心を感じた。
7 件中 1 件~ 7 件を表示 |