紙の本
これから、これから!
2016/10/26 11:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みたい本を探しているとき急に呼吸が合った。わたしとこの本と。下町長屋に暮らしながらも、そこはかとなく上品な雰囲気を醸し出している笑兵衛とお捨夫婦。訳ありだからこの番小屋に流れ着いた二人なんだけど、不思議とほんわかとして幸せな空気が流れている。貧乏や暴力ややるせなさをかかえて暮らす他の住人にもその優しさは伝播し、困惑や涙がいつの間にか消え希望が見えるそんなお話が満載。特にお捨がね、懐深くてね。そんな嫁、裏切ることできないよね、笑兵衛。わかるわかる。さあ、長いシリーズの幕開けだ。昂揚感はんぱない!読むぞぉ!
紙の本
澪通りの美しさ。
2002/07/30 00:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
澪通りの木戸番小屋の番人夫婦の名前は、お捨と笑兵衛。勿論本名ではないし、二人とも品があるところから、本当は二人はどこか良いところの出身ではないかと噂されている。そんなお捨と笑兵衛のところへ傷付いた人々が訪れ、やがて心を癒してゆく……。
木戸番小屋という目の付け所も良いが、目の付け所だけが売りの作品ではない。泉鏡花賞を受賞したキメの細かい文章で、切なく哀しくやるせなく、優しい物語が語られてゆく。深川澪通りという地名は著者の北原亞衣子氏の創作なのだが、時たま実際の地名だと思っている人がいるという。それだけ澪通りという場所には現実味があり、魅力がある。澪通りが沿っている川面に光が当たり、揺らめいているような作品世界だ。
紙の本
しみじみと巧い
2003/09/09 18:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かわうそ亭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
木戸番は、昼間は寝ていて、夜じゅう寝ずの番をする役目。町内の火の用心の見回りや、深夜に木戸を潜る人の世話もする。そんなことで得られる稼ぎは所詮知れたもの。だから、木戸番といえばどこでも因業な爺いの仕事と相場は決まっているのだ。ところが、深川の澪通り、三方を川に囲まれたこの木戸番小屋に棲みついた初老の夫婦、どうやら昔はそれと知られた大店の主人らしいとか、いやお武家の出ではないかと町内の人びとは首を傾げる。さように笑兵衛は古武士のような風格の持ち主だし、お捨は四十九という年齢を感じさせない上品な内儀の雰囲気の持ち主。とてもとても、ほんとうはこんなところにいるような二人ではない、と町内のみんなは思っているのだ。──こんないわくありげな木戸番小屋を舞台にして、絵のような江戸の四季とともに繰り広げられる市井物の連作短編。しみじみ巧い。1989年第17回泉鏡花賞受賞作品。
かわうそ亭
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃に大好きだった時代劇の原作です。
最終回は切なくてジ〜ンとしたことを覚えています。あれは小説に載っている話なのかなぁ?
エンディングの水の恋唄も大好きでした。
本の方も面白かったので、読み進めていきたいです。
投稿元:
レビューを見る
木戸番老夫婦とその周囲の人々の人情物シリーズ。深い悲しみと、もしかしたら後悔がその根底にあるかもしれない夫婦関係が、やさしさとひたむきさに昇華されてるのが泣かせる。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
川沿い澪通りの木戸番夫婦は、人に言えない苦労の末に、深川に流れて来たと噂されている。思い通りにならない暮らしに苦しむ人々は、この二人を訪れて知恵を借り、生きる力を取りもどしてゆく。傷つきながらも、まっとうに生きようとつとめる市井の男女を、こまやかに暖かく描く、泉鏡花賞受賞の名作集。
投稿元:
レビューを見る
北原 亞以子著作は、いつか読破したいと思う。面白いのは慶次郎だけじゃないと思ったのは、慶次郎シリーズの次にこれを読んだからからなのかも。
投稿元:
レビューを見る
私が一番好きな時代劇は「御家人斬九郎」なんだけど、一番心に残ってる時代劇は「とおりゃんせ」だ。
御家人斬九郎の原作本を読んで面白かったので、とおりゃんせの原作本もネットで検索して購入。
ドラマの雰囲気通りの小説。(というより、小説の雰囲気をそのままドラマにしたのだろうけど)
心がじんわり温まる、心に残るお話ばかり。
登場するのは不器用で純粋であったかな人たちばかり。
お捨と笑兵衛の人の良い夫婦がすごくいい。
演じていた池上希美子と神田正樹さんのイメージもすごく効いてるし。
江戸っ子の人情を存分に楽しめました。
投稿元:
レビューを見る
スゴイ!
北原亜以子先生の作品が気になる
これからドンドン読みたい!
この作品は文学です!
木戸番小屋の夫婦が織り成す、そこはかとない
いい空気が、作品の登場人物の行動をなんか
いいものにしていく
味わい深い江戸の街を体験してください
ホントに絶賛します!
投稿元:
レビューを見る
大きな事件は起きずとも、江戸の市井に暮らすひとびとの暮らしぶりの温度が伝わってくるような作品。
時間に追われる日々に疲れたら、続編を読みすすめたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
20130629 シリーズの最初。わかっていてもどうしようもない事をしてしまう。そこにドラマがある。話に惹かれてしまうのはそのうまさだと思う。
投稿元:
レビューを見る
なかなか良かったです。
良い時代小説シリーズを見つけました。
鬼平ほど血なまぐさくもなく、
かわせみほど女々しくもなく。
最後には救いのある所も良いです。
文章も読みやすく、過度の装飾もなく、品が良くて好きです。
火傷を負って火消しが出来なくなった人が、新しく自分のアイデンティティと奥さんを得る話。
夫婦の危機を乗り越える若い夫婦の話。花火に打ち込む話。
境遇の違う相手との恋を成就させてそれぞれ幸せになる(と思う)2つのカップルの話。大店の娘さんと植木職人。花売りと大店の跡取り息子。
笑兵衛さんが、若い女性にふらふらっと来そうになる話。
身寄りのない寂しい境遇の年配の女性2人が、友達になる話。
意地を通す年老いた女擦りの話。
人に騙されて落ちぶれた過去から、常に「甘い言葉、上手い話を信じるな」と言い続けた父親が、娘が好いた旦那から捨てられる時に、娘が可哀想だと泣いて縋る話。でも最後には、酷い奴だった旦那から手切れ金を貰い、さっぱりと前向きにやり直す所がとても良かった。
貧しい境遇から気立てと頭の良さで富と幸せを掴んだ若い女性が、いつの間にか夫の気持ちを大事にしていなかったと気付き、幸せの中に戻って行く話。
投稿元:
レビューを見る
川沿い澪通りの木戸番夫婦は、人に言えない苦労の末に、深川に流れて来たと噂されている。思い通りにならない暮らしに苦しむ人々は、この二人を訪れて知恵を借り、生きる力を取りもどしてゆく。傷つきながらも、まっとうに生きようとつとめる市井の男女を、こまやかに暖かく描く、泉鏡花賞受賞の名作集。
投稿元:
レビューを見る
江戸深川にある木戸番小屋の笑兵衛とお捨夫婦と江戸の市井の人々を描いたシリーズ第一巻。人生いろんな苦労を重ねながらそれでも歩いていかないといけない。
木戸番を訪れる人々をふわりと包む二人の人柄が心に残る。
投稿元:
レビューを見る
時代小説を最近読んでいるのだけれど、なかなか渋くておもしろすぎるぞ!
北原氏は気になっていた作家さんなんです。だって「亞」って漢字かっこいいんだもん。