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んー、面白いには面白いんだけども、探偵が自己の思考過程を辿りながら(再現しながら)謎を紐解いていくのは…個人的な感想としてはうーんというところ。快刀乱麻を断つ如く!…という探偵が好みならば、あまりスッキリしないかもしれません。
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やはり刀城言耶シリーズは長編の方が面白いなーとつくづく。最初の手記で続きが気になり、かなりぐいぐいと読み進みました。でも山の中での怪異の謎解きは現実的すぎていまいちな気も。逆にそれが当たり前なのかもしれませんが。
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刀城言耶シリーズとして読んだのは3作目になります。
相変わらずの前半の引き込みと怖さでどんどん読み進める事が出来ました。
民俗学や土地の古めかしい風習などが扱われるのにこの読みやすさはすごいと思います。苦になりません。
今回は忌み山に現れる山魔の謎や一軒家からの一家消失と見立て連続殺人になるのですが、ラストの二転三転は相変わらず楽しめました。
ただ親戚だらけとはいえ、入れ替わりや似た人多すぎな気も…笑
そのあたりで★ひとつ減ですが、最後の余韻も素晴らしかったです。
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またややこしい舞台が魅力的だ!
あらすじ;小さな集落の旧家・郷木家の四男・靖美はずっと敬遠していた成人の参りをするため、郷里へ戻ってきた。話しかけられても返事をするな――そんな言葉をかけられ、一人三山へ出発するが、疑心暗鬼からか忌山に迷い込んでしまう。そこで見たのは存在しないはずの一軒家だった。住人である一家に許しを請い、一泊した翌日目撃したのは――。消えた一家。六地蔵さまのと不気味な童謡をなぞらえたかのような、殺人事件に刀城言耶が挑む。
「厭魅」や「首無」よりもはるかに読みやすい。理由は多分いちいち名前の読み方や誰が何家の人かなどを確認せずに済んだからだろう。六地蔵様とその不気味な同様をなぞらえた殺人事件という、王道を突き進みつつ作者の非凡なる才能により新しく重厚な物語を構築してしまっているのだ。他の作家とは確実に一線を画す格式ある文体がくせになる。また恐怖に面した際の人間の心理描写が秀逸。
見せ場たる謎解き部分はやはりいつもの何重ものどんでん返しの連続なのだが、それでも今回は読者が既に見抜いているであろう謎の比重が今回は高く、さほど混乱せずに読めた。三津田さんの真骨頂たるこの謎解き部分の焦りがあまり好きじゃないけど、それに眼を瞑ってでも手に取り、読みふけってしまう名作。
今回もあまり怖くないです。
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大好きな刀城言耶シリーズです。
昔から忌山として恐れられてきた乎山(かなやま)で起きた一家消失事件、その後の連続見立て殺人事件と、今回もわくわく?する事件が盛り沢山。
乎山に棲むという化け物の、山女郎や山魔等の存在も、要所要所で素晴らしい雰囲気を醸し出してくれています。
相変わらず、現実に起きた事件と、科学では解明出来ない領域との描かれ方のバランスが絶妙でした。
その、科学では解明出来ないと思われた、靖美という登場人物が山中で遭遇した怪異も、事件を解決する過程で、きちんと説明されるのですが、「ああ、説明されてしまった…」という残念さはありませんでした。むしろ、過去の経験上、「…でも、やってくれますよね?」という期待が高まります。
事件を解明して行く手順も、如何にも、これが真相だ!と思えるような事を一つ一つ、それらしく語った後、「でも違った」と潰して行くので、何と言うか、納得しやすいです。途中で、「三津田さん、もうこれが真相でいいよ!」と思ってしまったりもしますが。
そして最後の最後は、やはり、やって下さいました。
説明出来ない、残された謎!
しかも、まさかの二段構え。
これはもう、たまりません。
…そして、メインの二つのオチの陰に隠れてしまっていますが…お吉は一体、何だったんでしょうね…。
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昔の怪奇探偵もの。京極堂シリーズと金田一シリーズを
合わせて割った感じ。
読みやすい、わかりやすい。
ただ、登場人物多すぎて、途中で誰が誰なんだか。
登場人物一覧と何往復した事やら。
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刀城言耶シリーズの第3作。
神戸(ごうど)地方の二つの集落、忌み山の怪異、六地蔵と童唄、一家消失、見立て殺人…本作も本格ミステリーのなかにホラー要素が取り込まれています。
導入部である『忌み山の一夜』はほとんど怪談ですね。
初戸(はど)出身の青年が、『成人参り』の途中で忌み山として恐れられている乎山(かなやま)に迷い込んでしまう。さまざまな怪異に襲われた挙句、やっとのことでたどり着いた山中の一軒家でもマリーセレスト号を髣髴とさせる一家消失事件に遭遇してしまう。
その夜の怪異の謎解きを依頼された刀城言耶が神戸地方へ赴くが、童唄に見立てられた連続殺人事件が発生する。
シリーズの特徴と言える民俗学的オカルト要素のおどろおどろしい雰囲気、そして終盤の刀城の推理の二転三転は健在。
読み終わった後もモヤっとした怖さが残ります。最後の『あれ』は一体何だったんだろう…
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刀城言耶シリーズ長編3作目。
最初の靖美の手記が怖かった、、、。刀城言耶が出てくると、彼のとぼけたキャラのせいか多少和む。最後の謎解きで一気に解決するものの、その中で更に二転三転。刀城自身の推理によるミスリードに翻弄される形だが、丁寧な謎解きで理解はしやすい。十分に面白かったけど、私的には前作の方がトリックの衝撃度は大きかったかな。
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山女郎・山魔の怪異が残る忌山を持つ山村で、
わらべ歌になぞらえて連続殺人が起きる、
土着的なホラーと本格ミステリの融合した
本シリーズの中でももっともらしい一作でした。
山魔に纏わる怪異小説を作中作から始まり、
さらにその逸話を絡めた連続殺人、
そして冒頭の怪異まで論理的に片付ける終盤はきっちりミステリ。
ここまで綺麗に片付けられてしまうより、
もう少しあやふやなホラー余韻を残してくれも私は好きかなぁ。
さらに今回は民俗学薀蓄も減ってきて、
しっかりしたミステリとして1本かと思います。
毎回似ているようでこり比率が微妙に変わるのも、
読めなくていいかもしれません。
祖父江さんのちゃっきり加減、好きだな。
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むー、おかしいな。普通のミステリ小説だ 笑
ミステリのトリックやテンポはかなり愉しめました。やはりこの手のトリックを書かせると、三津田先生は一級品や…
でもなんだろ、三津田先生の著作としてはホラー分が少な過ぎるような…
この著者には珍しく、万人にオススメできる一品です。
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刀城言耶シリーズ第4弾。
初戸の郷木靖美の手記から始まりその手記の内容を立証しようと
刀城が現地を訪れるだが、そこで連続殺人に巻き込まれる!
楫取家と鍛炭家の間に忌山とされる山がある。
その山に金が眠っているという風聞を元に事件が起こる。
この地方に伝わる童歌にそって殺人が起こる。
最後はなかなか意表をつく展開となり、犯人だけではなく
この事件を取り巻く環境さえも解明されるのだが、その謎解きが
かなり面白い♪
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刀城言耶シリーズ第4作目。
郷木靖美氏の手記「忌み山の一夜」から物語が始まっていくのだけど
この手記が読ませる読ませる。
全体の4分の1くらいのボリュームがあるにもかかわらず
恐ろしいやら面白いやらで一気に物語に没頭してしまいました。
ミステリーの仕掛けとしては、
童唄の見立て殺人に沿って殺人が行われていく形式。
本編中考察されるように、見立てにする必然性はいくつかあって
今回もその中には入るのだけど、ちょっと弱いというか
六地蔵の唄の意味を深めたり、場所的な位置関係で何かの意味を持たせたり
せっかくの見立て殺人なのでもう少し深堀りして欲しかった。
トリック部分も混乱がちな頭で考えても
ちょーっと苦しいかなというところがあるように思えた。
例えば、月子が2人の男性と三角関係にあって、
片方が好きで片方が嫌い、でも実は・・・というのは
ちょっと無理目感がありました。。
関係を持っている相手を女性が●●するかなーと。
でも、最後二転三転して、「え・・・」の連続気味で
最後まで目を離せないまま押し切られる感じは楽しめましたし
ホラー部分は大満足の出来でした。
本編の中で一番印象的だったのは、楫取将夫が刀城言耶に
「乎山や山女郎、山魔をどう思うか」聞かれて答える場面で
義父の楫取力枚の言葉として紹介している
「忌み山である乎山に関わって悪い出来事が起こるのは
忌み山に住む忌むべき山女郎、山魔といった悪しき存在が
全てを引き起こしているわけではない。
悪い出来事の多くは、人の邪な心が引き起こすものであり
忌み山は人の邪な心を増幅させてしまう装置だからこそ
立ち入ってはいけない、忌むべき場所になっている」
という言葉。
『厭魅の如き憑くもの』でも悪しき存在が住む
忌み山の話が出てきていて、
忌み山って何だろうという思いがずっとあったので
なんとなく腹に落ちる考えでした。
刀城言耶が編集者の祖父江偲と交わした会話の中の
「この世の全ての出来事を人間の理知だけで解釈できると断じるのは、
人としての驕りである。かといって容易に不可解な現象そのものを
受け入れてしまうのは、人として余りに情けない」
というのも、刀城言耶の基本姿勢としてある考えで
怪異譚を蒐集する際、普段は純粋に怪談として楽しむけれど
殺人事件と関わっている場合は、合理的・論理的に
調査・推理・検証して真実を突き止めようとするそのあり方も
納得させられるものでした。
けどまさか、「忌み山の一夜」で語られていた怪奇現象まで、
合理的解釈をしていくとは思ってなかった。。
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ホラーを読みたいのでなく、本格ミステリーを読みたいんだぁ!
と心の中で叫びつつずるずると引きずりこまれるように刀城言耶のシリーズにのめりこむ。「恐いよ~」と恐る恐るページを繰る。
だかしかし!読後感はホラーを読み終えたそれではなく、本格ミステリーに翻弄され、脳内の九十九折を行きつ戻りつした心地よさだった。
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成人参りの彼と共に忌み山をさすらい、幼い彼と共に祭壇に隠れて自分も怪異を体感した気分。
ラストも地味に怖い。
複雑怪奇な謎をどう解くのかワクワクするんだけど、謎が解けても憑かれた怖さを落とせないのがこのシリーズのおもしろさ。二転三転の推理の落ち着き先には毎回感心してしまう。
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ふっと刀城言耶シリーズの雰囲気に浸りたくなって読みました
この不気味さ怖ろしさ、いいですね
巻を重ねるごとに読みやすくなってるのかなあと思いましたが、今回は郷木靖美の手記以外にはホラーめいた怖ろしさをあまり感じなかったからかもしれない
というか、前作の「首無~」がホラーすぎたのではないだろうか……
今回はちゃんと言耶が登場して謎解きをしているので、それもあるかな
将夫へのミスリードがわかりやすすぎた(私が気づく程度だから相当)
だから彼が真犯人だったら本気で起ころうと思ったのだけれど
二転三転する言耶の推理を楽しめた
そして、謎が解けたと思われるのに、依然として推理では解ききれない、怪異としか思えない謎が残ってしまうのがこのシリーズの魅力だと思います
ああ、怖かった