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年をとるのは、怖くない。若いだけが価値ではない。そう思っていた。
有吉佐和子は女性の一番美しいところを、余す所無く匂うように描くが、きれいなところだけではなく見たくない面も鋭く見通して隠さず描いてしまうのが好き。そう思っていた。
しかし「木瓜の花」はまるでホラーだ。老いて素敵な女性はたくさんいる。経験による心の深さを得た女性、それは「こういうふうに年を取りたい」という目標である。しかし、「老い」という容赦ない自然現象を前に直面する現実を見せつけられた。主人公は幼い頃からの1つ年上の友人の裸体を見て自分の老いを残酷に痛感する。禿、肌、毛の色素・・・。読者としては「芝桜」のテンポのある成長と比較してくどくどと続く過去の回想、必ず結びつけて語られる若い頃の恋との比較、そういった語り口からも、煌びやかだった主人公たちが容赦なく「おばさん」と呼ばれるのを客観的に見るところにも、「老い」をリアルに残酷に感じる。
そんな重苦しい中、芝桜をいっぱいにした可愛い少女が、老いて美しい名前のとりどりの木瓜の盆栽を丹精込めて作っている姿に救われ、相変わらず私の好きな女性として心に留まるのである。
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ああ何度読んでも面白い。有吉佐和子って本当に好きだなあ。「芝桜」の続編。芝桜もまたいつか読み直したい。話の展開もうまいし、昔のエピソードもわざとらしくないように主人公が思い出してるような形で説明してくれるし。戦後から高度成長期の東京が舞台というのも好みです。
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有吉さんの話は大胆さと繊細さが抑え気味に含まれているので劇的におもしろいってわけじゃないけど 趣があるという意味でおもしろいです
芝桜の存在を読了後知ったから それもまた読みたいなあ
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めちゃくちゃ面白い。
500ページくらいある内容にもかかわらず、一気に読めてしまう。
商売、特に客商売(中でも水商売)を少しでもかじったことのある人ならば、誰しもその主人公や主人公を取り巻く人々のキャラクターの精密さに舌を巻くはず。
老人性の痴呆症や、お金の話、人間関係のいざこざなど、人間の卑しい部分や暗い部分に混じって、戦前・戦後の富裕層・礼儀・人々の服装や金銭感覚といったカルチャーの変わり方といった風俗の描写が丁寧に描かれている。
親友の蔦代によって、否が応にもあぶりだされる主人公正子の、過去と、その時の揺れ動く感情が丁寧に、臨場感を持って描かれている。
視点人物の移動もスムーズで、大変面白い小説だと思う。
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