電子書籍
コメディタッチのSF
2018/05/30 06:35
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投稿者:森 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オックスフォード大学史学部に所属するヘンリーが19世紀ヴィクトリア時代にタイムトラベルする物語。
主人公自体が訳もわからず、疲労困憊した状態で巻き込まれるので、最初は話を把握するのに苦労しました。
けれど、読み進めるうちにどんどんのめり込んで、最後の方は一気に読み上げました。随所にある笑いどころもいい休憩所になっていたと思います。
この本のオマージュ作品『ボートの三人男』は未読ですが、充分楽しめました(読めば本作品をもっと楽しめるんでしょうけど)。
電子書籍
時空の流れを遡る
2020/05/08 17:58
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
コメディータッチのSFと、旧き良きヴィクトリア朝文学のミスマッチが味わい深いです。冴えない学生の主人公に、動物が絡んでくるのもタイムスリップものの王道ですね。
紙の本
SF、ミステリー、恋愛に少々の冒険を融合したミステリーユーモア小説。
2022/06/28 10:56
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
SF、ミステリー、恋愛に少々の冒険を融合したミステリーユーモア小説。ドタバタ喜劇調のノリながら実に多彩な文学作品の引用や歴史的事象の比喩などがふんだんに盛り込まれ、高尚な文学作品の趣を付加しているが、私の知識レベルではその面白さを読み取れなかったのが少々残念。タイムスリップものなので時代によって登場人物が変わるのに、人物説明がないままいきなり愛称で出てきたり、複数の呼び名を持っていたりで登場人物の把握に苦労したのが少々不満。ブルドッグの“シリル”と猫の“プリンセス・アージュマンド”が何もするわけじゃないのに良い味出してました。
むしろ、大幅に凝縮して映画にした方が面白のではと感じた作品でした。
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タイムトラベルが可能になっている未来から、19世紀へ。
犬と猫を連れてのてんやわんやのテムズ川の旅。
若い二人の研究者のロマンス。
「ボートの三人男」へのオマージュも。
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『航路』『ドゥームズデイ・ブック 』の
シリアス路線とは一味違うコメディ。
語り手、主人公が疲労困憊で混乱気味なので
最初の方は混乱に付き合わされて読みにくいが、
周りの見えないマイペースな登場人物、
当初自分すら見失っている主人公、愛すべき動物
に魅力的なヒロイン。ドタバタコメディラブロマンス
にならない方がおかしい、娯楽作の要素たっぷり。
数多く繰り返される引用、ヴィクトリア朝、
知らないことに興味をひかれて調べるのも副作用。
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文章と相性がよくないのか、独特のコメディ要素にいまいち乗り切れていないせいか、あまり楽しめていない。話の大きな流れの先が気になるので読んでいるという感じ。
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文庫で発売された時から気にはなっていたのですが
今ひとつ購入まで踏み切れず図書館で予約して読みました。面白いと言えば面白いのですが…
あまりにもドタバタすぎてちょっと読んでいて疲れます。個人的な意見ですが本の主人公が疲労困憊していると読んでいる方も疲れませんか?
執事が怪しいとは思っていたんですよね~ でも結局あの二人があの時代に何故いなくてはいけなかったのかは最後まで読んでもよく解りませんでした…
そして表紙ですが、アージュマンド姫とは柄が違いますね~
そして金魚を食べる猫ってみた事ないなあ(猫飼い歴30年以上だけど)
大体猫は金魚で遊んで地面に放り出し、死なせてしまう事はあるけど大体にして食べてるのはカラスだったりするんですよね~
ちなみに某Wさんは金魚食べた事があるって言ってたな。骨が多く食べれたもんじゃ無かったって言ってましたが。
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出だし、なんか意味がよくわからなくてあまり進まなかったのだけど、あとがきを読んだらそれは当然のことだったらしい(笑)。主人公の任務というか、休暇のため送り出されたのに話がかえってややこしくなっているんだということが明らかになるころからぐんぐんおもしろくなった。
犬猫に振り回される主人公がなんともおかしい。ていうか、教授にも、まわりの人たちにもひたすら振り回されているんだよね。いいのかそれでw
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SFで題名がコレというので確実にコメディと敬遠していた自分が馬鹿らしい。何故か執事役やってる未来人のフィンチが完璧にジーヴスだし、思った通りジェロームのボートの三人男だし!犬は勘定にいれませんし!キャラクターが生き生きして、大笑いしながら、ヴィクトリア朝風に自分でもあれこれ仰々しい引用を思い浮かべながら読むとさらにベター。
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推理小説なのか、それともSFなのか迷う作品。
たぶん、SFより。
タイムトラベルが可能になった未来で、主人公はオクスフォードの学生。
タイムトラベルの技術そのものは、過去のものを未来に持ち込めないという時空の自浄作用のようなものの存在によって、企業からは見放された、あまり活発なものでなくなってきています。
それでも、過去に正確に何があったのか、そういったことや、過去に訪れた人たちによって未来が変えられ、その変更された未来を修正するために、歴史そのものが過去に干渉する。
そんなさなか、主人公がしなくてはいけないのは、死ぬはずではなかった猫が殺されそうになっていたため、未来に持ち込まれてしまったそれを、あるべき場所に戻すこと。
これが単純そうに見えてどうしようもなく邪魔が入る。
実に軽快な文章と(翻訳者さんもお上手)、軽快な物語で素晴らしく楽しいですが、
執事やビクトリア王朝時代が嫌いな方にはちょっとお勧めできません。
歴史好きにはたまらない一品に仕上がってます。
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この本が2冊以上の別の本を読むきっかけを作ってくれたことに感謝したい。
→ボートの3人男
→スターファイター
→コニー・ウィリスの別の本
ヴィクトリアンなお友達がたいへんかわいらしい。
詩も読もうかな。
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ドゥームズデイ・ブックが面白かったのでチャレンジ中。
しかしすでに何度か挫折して今三回目。
何故だ。
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ヒューゴー賞とローカス賞のダブル受賞を果たした本書は、コニー・ウィリスの人気シリーズ<史学部シリーズ>の第2弾。
いったいこのシリーズだけでどれだけの賞を受賞したのか気になるところです。
全2巻。シリアス路線だった前作「ドゥームズデイ・ブック」と異なり、今作はどたばたコメディ。抱腹絶倒もの。
そして単なるどたばたコメディではなく、SF、ミステリー、そしてラブロマンスも兼ねそろえた充実ぶり。こういうと、ごちゃまぜな感がありますが、うまくバランスが保たれているのは、著者の技量によるものか。
ウィリスのシリアスな作品も好きですが、どちらかというと「まれびとこぞりて」のような作品が好きな自分にとっては、もの凄く楽しく読み進めることができました。今回は結構笑ったなぁ。
相変わらず「人の話を聞かない登場人物」の存在が強烈。もはや様式美ですね。
本書では、前作に比べてさらにドギツイ登場人物が登場します。それはもちろんレイディ・シュラプネルとミアリング夫人(他にもたくさんいますが…)。なかでも烈女シュラプネルの理不尽を通り越した要求の数々には、怒りを通り越して、思わず笑ってしまうほど。この女、殆ど登場しないのにかなりの存在感。苦難苦悩、紆余曲折を経てようやく見つけた主教の鳥株に対して彼女が投げ掛ける一言には、「こんのクソババア!」と返したくなりますが、これもまあ彼女らしいといえば彼女らしい。
一方、肝心のSFの部分では、カオス理論を基軸とするタイムトラベルの仕組みが少しばかり明らかになるところも。
ここでのタイムトラベルは、過去に戻って出来事を変えることにより、未来を変えることが「できない」とされます。したがって、未来を大きく変えるような過去での行為は、そもそも「過去では行えない」か「その後の調整により無効化」されます。「その後の調整により無効化」とは、最終的な結論が同じになるよう、未来に大きな影響がない範囲で途中のプロセスが改変されること。こういった幾つかの制約、そして神の見えざる手により、未来は保全されるのです。
ところが、本書ではタイムトラベル上では「できない」とされていた行為が行われてしまいます。
それは過去の「モノ」を現在に持ち込むこと。
なぜ実現不可能な行為が行われてしまったのか、そしてその影響とは…?
このあたりの謎を解明することが、本書のミステリー要素の核となる部分。そして、本書の終わりに明らかにされる壮大な仕掛けは、「おおきな風呂敷を広げたなぁ」との印象が拭えません(笑)。なぜかヴォークト「イシャーの武器店」のラストを連想したこの大風呂敷。果たしてきちんと閉じられるのでしょうか。
さて、文庫版の装丁にもなった犬のシリルと猫のプリンセス・アージュマンド。
この2匹にとにかく癒される本書は、頁数の多さが気にならないほどストレスフリーに読み進められる傑作でした。
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時は2057年。いくつか制約があるもののタイムトラベルが可能となった時代。オックスフォード大学はコヴェントリー大聖堂の復建に協力している。同大学史学部の院生である主人公のネッドは復建に必要な”主教の鳥株”をみつけるように命じられ過去と現在を行ったり来たりするのだが疲労困憊で倒れてしまった。ちょっとした休暇をとるために19世紀ヴィクトリア朝に軽い任務とともに派遣されたものの任務を忘れたままで行動していたら時空連続体の存亡をかけて奮闘することに……。
主軸はタイムトラベルSFであるがミステリであり恋愛小説であり歴史小説でありユーモア小説でもある。下巻のレビューで改めて感想を述べます。
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『ドゥームズデイ・ブック』が面白かったので手に取ってみました。が、テイストは全然違いました。こちらはとにかくギャグとペダンチックな雰囲気がぷんぷん。乗れればいいでしょうがそうでないと…、というオックスフォード伝統(?)の文学をある意味シニカルなほど受け継いでいます。まあ、たぶん『ボートの三人男』と「ピーター・ウィムジー卿」シリーズはおさえておいた方がいいのかな(どちらも未読)。
面白いですよ。おもわず笑いますけど。
でも、主人公が眠れない話は、疲労が伝染してきてつらいです。
以下下巻。
あ、一つ。「ドゥームズ…」で思ったのだけれど、現代から中世にヒロイン救助にむかう際、ヒロインの降下直後にポイントを設定すれば、彼女は中世での苦労をしないですんだはず。それをやらないのは、理由を読み飛ばしたか、と思ったのだけれど、このお話では、ほとんどそれに近いことをやるシーンがでてきます。
あれ?