紙の本
ハードボイルドでお決まりな展開ながら、洗練された文章
2014/10/08 08:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アトレーユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
古書の蘊蓄を期待していたが、その点では期待はずれ。
思いの外、硬派な主人公でハードボイルド小説。
プロットは素敵だが、『古書』にまつわる話というより、『過去の歴史』にまつわる話の小物として、古書が使われている感じかな。
ベルンハルト・シュリンクの『ゼルプ~』シリーズに似てる…のは設定の問題か?(笑)
ちなみに古典作品蘊蓄のエンタメなら『サーズデイ・ネクスト』シリーズが一番!(^-^)!
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パリのセーヌ河岸に並ぶ古書店から2冊の古書を買ったアメリカ大使館外交保安部長ヒューゴー。
彼の友人でもある古書店主が目の前でさらわれてしまい、非協力的な担当刑事をよそに独自の捜査を始めるが…。
ハードボイルドにしては柔らかく。
ナチス絡みの歴史もスパイスには物足りず。
腕の立つ相棒と素敵な彼女と役に立つ協力者と登場人物は揃っているんだけど、コレ主人公がアメリカ人である必要があったのかなぁと。
ブキニストと呼ばれる古書露天商のあれこれは興味深かったけど、古書に纏わるミステリは底が浅い。
ジョン・ダニングを期待させるタイトルだったけど肩透かしだったなぁ。
壮大な物語を書いているんだろうけど、読んでるこちらがおおっ!とならなかったのはキャラクタの内面描写が足りなかったのかも。
ブキニストって素材は面白かったのに残念。
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ジョン・ダニング『死の蔵書』のような稀書にまつわるミステリなのかと思っていたのだが、さにあらず。期待外れ。
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FBIやらCIAやら、さらには外交官なんて職種が出てくるミステリは話が複雑になりそうで敬遠してるのですが、とってもシンプルなタイトルに惹かれて購入。
セーヌ河岸に店舗を持つ古書露店商《ブキニスト》を目の前で連れ去られ、自分の立場を自覚しつつも独自に捜査を進めるヒューゴー。拉致の原因は自分が購入した本なのか、ナチ・ハンターだった古書店主の過去なのか、組合とのトラブルなのか、それぞれの線が同時に進んでいくので途中で頭がついていけなくなることも。出てくる人たちが事件に関係するかどうかは別として色々隠し事があったり謎の部分を持ってたりで、一度もなにも疑わずにいられたのはアメリカ大使とヒューゴーの秘書くらいです。本筋は古書店主にまつわる事件からぶれることはないのですが、一番の読みどころはパリの街の描写だと思います。花の都ではなく、うっすらと曇った、どこか陰のあるパリの雰囲気。革命後貴族の持ち物だった本を売ることから始まったブキニストという職業、観光客が落としていったごみを集めるような人たちがくるうらぶれたカフェ、モンマルトル側の小さくて狭い住宅街。もちろん華やかなサン=トノレ通りや船上でのランチなど明るい面もあるし、ケンダル氏の古書店なんかもう理想の場所に思えるのですが、その裏で進んでいる麻薬戦争や、病気に対する不安をプライドとすり替えてしまう気質などを含めてのパリ、という感じがします。
ホームズの引用はちょっとばかり遊びすぎな気もしますが、敬意の現れでもあるのでしょう。まさかここで、という驚きは楽しめました。
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古書についての蘊蓄ものではない。手広く、というか
あれもこも過ぎる感じ。面白そうな題材、セーヌ川ぞいの
露天古書商人、ナチ・ハンター、パリを狙った新手の
麻薬取引、等々、どれか一つで十分作品になるのに、
もったいない。駐仏米大使館職員が靴としてカウボーイ
ブーツしか持ってない、なんてあるかしら、と思うけど、
そういうことにするなら、全体もっとハチャメチャでも。
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蘊蓄を期待していたが、その点では期待はずれ。
思いの外、硬派な主人公。
プロットは素敵だが、『古書』にまつわる話というより、『過去の歴史』にまつわる話の小物として、古書が使われている感じかな。
ベルンハルト・シュリンクの『ゼルプ~』シリーズに似てる…のは設定の問題か?(笑)
ちなみに古典作品蘊蓄のエンタメなら『サーズデイ・ネクスト』シリーズが一番!(^-^)!
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稀覯本、ナチハンター、ドラッグ問題も深くは掘り下げずに、意外とさらっと話が進んでいくなという印象。ですが読みやすくてちょうどよいのかもしれません。個人的にはブキニストの魅力があまりわからず、もうちょっとその辺りの描写があればなと思った。ヒューゴーの有能な秘書エマ、次作も出てくるといいな。ペリー・メイスンの秘書デラ・ストリートみたいに機知に富んだ秘書にはなんだかあこがれてしまいます。
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特に評価とかではなく本屋で見て本が題材という事で購入。ちょっと予想と違って結構ワイルドな感じだったがそれなりにサスペンスと格闘もあって楽しかった。勧善懲悪なのと相棒のトムとの掛け合いが安心して読める。処女作と聞くと偏見を持ってしまうがなかなかいい作家ではないかな。
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タイトルに惹かれて手に取ったが、原題はThe Bookseller。なぜか少し期待度が薄まったけれど、パリのセーヌ河畔で本を売ってる人のこと。有名な希書が出てくるミステリというのにも惹かれたが、その意味では物足りない。そして「赤い鰊」が盛りだくさん。しかしこのようなときにパリが舞台の本を読むとはなんというめぐりあわせ。移民もたくさん登場。
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パリを舞台にした惜しい感じのミステリ。面白くなかったわけじゃないしセリフも小気味よかったけれど主人公の設定が出来すぎていたり、上司が物分かり良すぎたり、ジョーカー役の親友がなぜパリに現れ手助けしてくれたのか最後まで読んでも良くわからなかったり、ヒーローとヒロインの出会い方も雑というか説得力がなかったり、全体的に惜しい!っというように感じられました。二時間しかない映画ならともかく、小説なのでもう少し読み込ませて欲しかった。とはいえ、これが初めての小説らしいので、デビュー作らしからぬ巧さがあり、逆にそれが物足りなさを呼んだのかもしれません。
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セーヌ川のほとりで古書店を営むマックスが拉致された。
その客である在仏米国大使館の外交保安部長ヒューゴーが現場を目撃したところから、謎解きが始まる。
そこにマックスの旧友で元CIA職員のトムや、美人記者クラウディアが協力し、犯罪組織を追い詰める。
クラウディアの父で、謎めいたルシヨン伯爵やらなにやらが関わり、話が複雑になっていく。
イギリスからアメリカに移住したという著者が気になって本書を買ってみた。
ただ、正直言って、あまり物語に入り込めない感じだった。
古書が出てくるだけに、いくぶん文化的な香りはするけれど、なにか日曜の昼下がりにテレビでやっている、あまり売れなかったアメリカ映画を見ているようで...。
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推理よりはサスペンス寄り。
パリのブキニストとか、設定は好き。
主人公がどっちかと言えば脳筋(でもわりと紳士)なので、ハリウッド映画向きかも(笑。
秘書と上司に恵まれてるな~。
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タイトルにつられて買って読んだのだが、失敗しました。本は単なる小道具に過ぎなくて、別に本じゃなくてもストーリーは十分成立する。相棒トムの汚い言葉遣いは、きっと、話にポップさを盛り込んで、読者を楽しませる効果を狙ったものなのだろうけど、訳が直接的過ぎてちっとも伝わらなかった。びっくりするのは、こんなつまらないのに、シリーズ化されて第二弾まで翻訳出版されたこと。続編は成功したのかしらん。(2015年4月1日読了)
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パリ、セーヌ河岸の露天の古書店から始まる物語。旅情をそそり、あわよくばレア本との出会いがあるかもって期待を込めたつかみは良し。
だったんだけど、事件が発生してからは、のはっきり言っちゃえば、ご都合主義で場当たり的が否めない。
主人公はテキサス出身の元FBI職員で今はアメリカ大使館の外交保安部長。頭は切れるわ、モテるわ、アクションはいけるわ。スーパーマンかい!
古書もあんまし重要なファクターでもないし。
ミステリ色よりもアクション、サスペンス性が強い。
でも、全体を通じて、パリ市内の描写はなかなかいい感じ。なので脳内映像がしやすいのでハリウッド映画を見たような印象。
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パリのセーヌ川沿いに並ぶ、露天の古書店を商う人々はブキニストと呼ばれる。アメリカ大使館の外交保安部長ヒューゴーは、馴染みのブキニストであるマックスから2冊の古書を買ったが、ヒューゴーの目の前でマックスは何者かに拉致されてしまう。警察の捜査も熱意を欠く中、自ら調査を始めたヒューゴーは、マックスが収容所の生き残りで、ナチ・ハンターだった過去を知る。マックスを拉致した者たちの目的は何か。
ブキニストの歴史は興味深かった。そしてナチス時代が落とした影の深さを改めて感じる作品だった。