紙の本
呼ばれてやってきました、標高2千メートル!
2012/02/26 21:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
憧れの芸能人が山をパワースポットにしていると知った遠坂あきらは、彼女が愛用するファッションで、菊利姫神を山神とする白甲ヶ山・菊原山荘にアルバイトに出かける。8時間以上かけて着いた山小屋は、ロッキングチェアも暖炉もないただのボロ小屋で、しかも、そこのバイトの大学生・後藤大樹には、ふざけた格好での登山を頭ごなしに怒られてしまう。
これも憧れの芸能人に近づくためと耐え忍ぼうとするが、やはりあの言い方は許せない。あきらは大樹と丁々発止の口げんかを繰り広げることになるのだが、これが彼女の人生観を変える経験の始まりだった。
セクハラ親父の店主・武雄進をやり過ごし、キョドるし予定外の行動をとれないヒョロ大学生のバイト・曽我部安彦と何とか上手くやりながら乗り切ろうとするのだが、やはり山の素人、しかも下調べも何もしていないあきらは、大樹から雷ばかりを落とされるバイト生活を繰り広げることになる。
男に捨てられたのをきっかけに、彼に気に入られるような可愛い女を目指して芸能人を目標にするのだが、もともとがさつで口が悪く、でも素直で裏表がない性格のあきらが目指すのは無理筋というもの。だけどひとつの考えに囚われてしまった彼女は、なかなかそのことに気づけない。
しかし山小屋での生活でそれまでとは全く異なる価値観で動く社会を知り、無骨なまでにその生き方を貫く人々を知るにつけ、彼女の蒙は開かれていく。
初めの頃のあきらは相当にイラっとする行動しか取らないので、そこで読むのを止めてしまう人もいるかもしれない。しかしそれは構成上、狙ってやっていることなので仕方がない。そこを乗り切れば、幸せの青い鳥は近くにいたんだね、というような物語と、山小屋の生活の一端を楽しむことが出来るかも知れない。
紙の本
爽やかな物語
2016/08/29 10:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chibita - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひと夏の山小屋でのできごと。
山のルールを全く知らない都会の女の子が経験する非日常。
冗談のようなキャラクターが続々出てくるが、山の世界では、いそうな気もする人々。
主人公の心がだんだん澄んでいく過程がすがすがしい。
紙の本
展開が読める
2019/11/30 13:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
話の展開が読める、いかにもって感じのストーリーでした。
作家さんによっては、もっと深みのある展開にもできる題材だと思うんですけど、
これくらいでいいのかな。
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「呼んでいる!」という言葉に呼ばれた気がして購入(笑)。
全体的に読みやすくてすらすら読めました。
タイトルにあるとおり山の話で、グッと来る場面もあり、笑える場面もあり、登山の奥にあるものと自然の厳しさなどを少しだけ垣間見れたような気にもなれ、率直に面白いと思いました。
・・こういう話に影響されやすいもので、早速山にちょっとだけ興味がわいて、いつの日か富士山の頂上まで登ってみようか・・なんて事を思ったりしています(苦笑)
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山の知識ゼロの現代っ子が山小屋のアルバイト
ボーイ・ミーツ・ガールならぬガール・ミーツ・マウント
巷ではちょっとした登山ブームですが、山の裏側が垣間見えるので、山初心者にこそ読んで欲しい一冊です。
そして来年もまた登りたいという気が湧いてきました。
序盤~終盤までは全くと言っていい程主人公に共感できませんでしたが、最後で主人公含め登場人物全員が好きになりました。
続編を期待します。
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山小屋でのアルバイトを押し付けられてしまった女子大生のあきら。
山のド素人が、山小屋での人とのふれあいを通しながら成長していく物語です。
ライトな小説ながら、山小屋や遭難対策、そして山を楽しむ魅力が織り込まれており、これから山を始めてみたい人や山ガールにお薦めの一冊です。
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山小屋でのバイトの話。仕事をする山小屋で様々な人と出会い、自分を見つめなおす主人公。山について何も知らなかったので楽しめた。前作の方も読んで見たいな。
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自分に自信が持てずに迷っていた女性が、想像とは全く違う山小屋でのアルバイトを通じて本来の自分を取り戻す、というストーリーなんだけど、主人公が最後まで好きになれずに終わってしまった。
他の登場人物、男性陣や幼馴染の女性はみんないい感じなのに、肝心の主役が残念でした。
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山を題材にしてるだけあって、凄く爽やかな作品。
安易なボーイミーツガールや自己肯定で完結しないってのも良かった。
深夜ドラマとか2時間ドラマで実写化してもイイかと思う。
文章も読みやすくて、良作。
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清々しい青春小説。
成長したい、変わりたいという自分の中の葛藤や個性的なメンバーとの掛け合い等、読了後のすっきりした感じがいい。
なによりも風景の描写が綺麗。
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登山に興味がある人にはちょうど良い。登山に興味ない人でも普通は知らない山事情が多々載っており、新鮮な雰囲気で楽しめると思います。
話的には先がちょっと読めるかな。王道だからしかたないが。
タイトルや表紙絵などに呼ばれて購入するのも、それまた出会い。
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主人公のあまりの馬鹿っぷりに、読む気を失くしかけた。その後、山小屋の人物がわらわらと登場するに至って、誰が誰やらさっぱり区別がつかず、ドタバタコメディが苦手な私は、もうここで投げ出そうかと思った。半ば投げ遣りに、「登場人物の区別なんてしなくていいや」と思って読み進めたら、なんとか読み進められた感じ。
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あまり期待せずに買ったのですが、面白かったです。
山荘で働くスタッフとしてのお話なので、目を瞠るような冒険譚ではありませんが(女の子が登山装備もなく、たった一人で山に登ったというのは、目を瞠るような話ですが)、一日一日重ねるごとに、少しずつ成長し、数日前の自分を素直に反省し、前向きになっていくあきらは、見ていてとても清々しいです。
山荘豆知識というか、裏話も、山に憧れは抱いても登山は絶対しない身からすると、とても興味深いです。
夏山に吹く風のように、からっと爽やかな読後感でした。
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浅葉なつ「山がわたしを呼んでいる!」を読了。今月19冊目。
著者の2作目。デビュー作は未読。この作品との出会いは確か、ビブリアかなにかに入っていた広告が目に留ったからだったかな。結構、職業ものっていうジャンルが好きだったりするので。
山の知識がゼロの主人公・遠坂あきらが、ひょんなことから山小屋でバイトする事になり・・・・という物語。基本的に王道な構造なので、超展開もないし、山のライトな入門という感じで読める。
出会いは最悪、でも最終的には分かり合う的な流れは、目新しくも何もないんだけど、ちょっと序盤の反目具合がくどいような気も。序盤の主人公をちょっとバカっぽく描きすぎて、イマイチ共感できないというか。基本的には魅力あるキャラなので、ちょっと惜しいところ。
ちなみにお勉強になったのが以下の引用、
”い、遺体は、モノとしての扱いになるんだ。だから機内には乗せてはいけないって航空法で決まっているんだよ」”
山岳救助では既に無くなられている方はヘリの中に収容されないで、「吊り下げ」で搬送されるという事実。世の中には知らない事が多い。
物語は一応、完結しているけれども、続編が書ける形で終わっているので、続きがあるのか、ないのか。さてさて。
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草原でくつろぐ羊や馬。暖炉にロッキングチェア。そんな場所を夢見て山小屋のバイトにきた女子大生あきら。しかし山小屋で待っていたのは…。山の恐ろしさを肌で感じつつも、徐々に山に魅せられていくあきらにシンクロして、どんどん読んでいる私も、山に登って綺麗な景色をみてみたい、綺麗な空気や水を味わってみたい、という気持ちが湧き上がってきました。テンポのよい会話が楽しい。