紙の本
綱吉の頭脳明晰ぶりを描く
2014/04/27 22:24
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投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表御番医師、矢切良衛シリーズも3作目である。タイトルにもあるとおり、本書は毒を扱う。上田の作品で毒といえば、毒殺であるが、狙われるのは誰なのか? 言わずと知れた将軍である。将軍とは5代将軍徳川綱吉である。
綱吉は歴代将軍の中でも暗愚ぶりが表面に出ているようだ。しかし、将軍になる以前からその勉強ぶりは知られているところである。その綱吉がなぜ愚策で社会を混乱させるようになったかを描くことが本書の目的ではないようだ。
本書の目的は、綱吉に子供がおらず、後継者が定まっていない点での幕府内部の暗闘を描くことにあろう。毒といえば、食事に毒を含ませることが最も手早い。しかし、何重にもなっている毒見の機構を簡単に破ることはできまい。できるとすれば、料理人を手の者にすることくらいであろう。
毒を飲んだあとなら分かるが、その犯人の探索に、医師である良衛の出番があるとは思えないのだが、閑職の大目付、松平対馬守が良衛を引っ張り込んでしまう。そうなると、良衛は敵方に狙われる道理である。今回は、敵方が浪人を手先にするのではなく、腕と身元という点から、自らの藩士を刺客に差し向ける。
常に長刀を持ち歩かない医師の良衛が、腕に立つ藩士に対抗できるのか否か。伊賀者、僧兵、浪人ばかりを相手にしてきた上田のヒーローがやや異なる環境に置かれての襲撃で、これは見ものとなる。
例によって、ストーリーの進行と同時に江戸時代についての解説が伴っている。本書では医師の身分、大目付、徳川将軍の継承などについての解説が詳しい。綱吉もその頭脳明晰ぶりを発揮している。なぜ、愚策を採用するに至ったかを解説してもらえれば面白いと思うのだが。
電子書籍
タクタク読み
2014/04/26 12:56
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投稿者:たくちゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
上手い展開。医師を主役にする設定にて、視点が面白いです。
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2014.04.27. 読了
もう一本
今ひとつ面白みにかけるような…
表御番医師 矢切良衛は案外好きなんだけどなあ。
上田秀人さんのお話は好きだけど、
色々なシリーズが同じような時代なので、
いろいろ読んでいるうちに
よくわからなくなる。
そして、同じような背景がいつも説明されるのは
とても親切だが、
色々な所で出てくると、
しつこく感じてしまうのが残念です。
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どんな毒もたちどころに解毒するという、謎の秘薬を求める人がいるらしい。そんなウワサで始まるこの巻では、将軍の毒見役が、毒を盛られて死ぬという事件が発生。犯人を見つけるため、大目付の命により、表御番医師の良衛が調理場をあらためることに。将軍にかかわることなので、あらためるにしても本来は奥医師の役目。ですが、例によって(?)弱みを握り、真相解明に奮闘します。そして謎の秘薬を求める人物の正体も明らかになり一件落着。しかし、今後も良衛が大目付の言うとおり動くかどうか…。良衛に密偵となってほしい大目付と、自分はあくまでも医者、と開き直る良衛のあいだに、溝が生じたようにも見えました。
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万病の良薬として、宇無加布留と言う高価な薬を求める者がいる。
なぜ、そんな薬が必要なのか?
誰が、そんなに、その薬を欲しがっているのか?
そして、その時に、五代将軍綱吉の昼餉の毒味をした小納戸の真田真之介が死亡する。
今、NHK の大河ドラマで、真田丸が、放映されているが、、、
幕府にとっては、仇敵、、、お手伝い普請などと言うのが、存在していて、外様大名から戦をするための軍資金を減らす目的があったと、、、、
そして、当主死亡の届け出より前に、後継ぎの願いを上げないといけない。
当主の死を迎えての、養子は、出来ないので、お家断絶と、なるのだと。
武士も、お家の為に大変である。
そもそも、五代将軍の綱吉でさえ、甥に命を脅かされることになるのだけど、、、、
大目付からの命令で、表御番医師の矢切良衛が、無理難題の事件に、立ち向かう。
身分が、高くても、将軍の一言、上司の一言で、人生が狂ってしまうのは、どの世の中でも、苦労の種は、尽きないものだが、直ぐに、加禄没収、お家断絶、切腹、と、命をかせなければいけない江戸時代では、生きて長らえるのも、大変である。
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内容(「BOOK」データベースより)
五代将軍綱吉に出された昼餉を毒味した真田真之介が、腹痛を起こし、後日謎の死を遂げた。大目付の松平対馬守から命じられ、表御番医師である矢切良衛が事件解決に乗り出すことに。やがて真田が口にした御膳には毒が盛られていたことが判明。江戸城中に綱吉暗殺を企む者がいる。いったい誰の仕業か。真相に近づいた良衛は、何者かの襲撃に遭ってしまう…。正義感あふれる剣豪医師を描いた、書き下ろしシリーズ、第3弾!
平成29年9月6日~8日
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第三弾
毒見役の死に隠された疑問、死亡時期を確認し、将軍暗殺を確認、背後に甲府宰相の影が
同時に、毒薬の特効薬?宇無加布留が秘かに探されていることも事件の背後に
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シリーズ第三弾。
将軍の毒味役が謎の死を遂げます。この事件の解明を大目付・松平対馬守から命じられる良衛。
“自分は医師で、探索方ではない”と命令される事に難色を示す良衛ですが、大目付さんに脅されたり論破されたりして結局渋々動く羽目になり、例によって刺客に襲われ、危険な目に遭います。
そもそも、良衛と松平対馬守は、医師と患家(患者)の関係で上司と部下ではないので(勿論、身分の差はありますが)、良衛が“なんで自分がやらなアカンの?”と思うのはごもっともですよね。
今回も、終盤で良衛がせっかく将軍毒殺を阻止したのに、褒めるどころかダメ出しばかりするのはいかがなものかと思いました。大目付さんも、良衛を動かしたいなら“飴とムチ(飴が足りない!)”“ギブ&テイク”を心がけて頂きたいです・・と、良衛に代わり愚痴っておきました(笑)。