紙の本
日本式リーダーシップの基本を再認識させる「元気の出る」本
2004/10/16 00:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良書普及人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
都会で働くサラリーマンにも厳しい時代が続いている。特に中高年にとってはリストラの不安を抱えながら、果たして部下が自分たちについて来てくれているのか不安に思う毎日である。その様なときに、この本を読むと、大いに共感を覚えて元気が出る。
経済、政治、社会、外交も含めて日本人の意識も国際化が求められ、幕末開国以来の激動期を迎えていると、皆が思っている。大河ドラマで新撰組が取り上げられるのも、そういう時代背景があると思う。一方で、バブル崩壊以降続く不況の中で、価値観や生き方のコンセンサスが破壊され、応仁の乱以降の戦国時代のような観を呈している時代でもある。
こういう中で、今の日本人は自信を失い、組織の中での生き方に不安を覚えつつあるのではないか。しかし、日本式リーダーシップが全て悪いわけではない。何時の時代でもリーダシップの基本は「人が決め手」であると筆者は断じる。
歴史上の人物のリーダーシップの事例を紹介し、人望こそが人を動かす鍵であるとし、その実例を畳み掛けるように紹介し、読み手の自信を回復させてくれる。
徳川家康の隠し子だと言われた土井利勝は、「間」を大事にしたと書かれている。短兵急に部下を叱るのではなく、考えさせる時間を与えた。そういう間がないと、「間抜け」になると冗談を飛ばしていたのだそうだ。いいなあ、と思う。何事も、短期的な成果主義が蔓延る中で、こういうリーダシップは懐かしく思える。
こういう本を読む世代になったということは、年齢が増し、部下を育てる責任が出てきたということかなあ、などと思わず苦笑せざるをえないが、歴史を紐解いて自らの行動規範を求めることは、毎日の安心と元気を回復する特効薬だとつくづく思う。
投稿元:
レビューを見る
「人望力」の条件。それは5つの条件であった。 1.人間通 2.世間通 3.経済通 4.影響力 5.人間力 様々な観点から、上に立つ人間の然るべき姿、心得を歴史上の有名人物を参考に書いてある。
読んだ前と読んだ後では、だいぶ仕事に対する意識が変ってくると思う。
また、歴史上の立役者のエピソードも多く書かれ、飽きずに読み通すことが出来る。
かなりお薦め。
投稿元:
レビューを見る
歴史作家童門冬二の
人を惹きつける人、人望力の条件とは何ぞや?というのを
歴史上の人物を例えにして書いてある本。
読んだら意外とサッパリしてて、もうちょっと書いて欲しいかったなぁ〜というのが本音だけど。
よく知られている豊臣秀吉や徳川家康ももちろん
様々な歴史上の人物も出てくるわけで。
普段なかなか本を読まないけど、という人には勧めれる。
特にサラリーマンには。
こういう時にはこうした、あぁいう時にはあぁした
とか読んでいて、あぁ成る程なと。
思うこともチラホラ。
投稿元:
レビューを見る
人望力がつくかは微妙だが、歴史上のエピソードをかいつまんで知るにはいい本。
風度についてさりげなく話しても嫌味にならない人になりたいわ(^_^;)
投稿元:
レビューを見る
大きな仕事を成すためには、能力だけではなく、いかに自分の周囲に人が集まるかが重要となる。すなわち、“この人のいうことなら、この人のためなら”という“なら”の気持ちをもたせることである。これが「人望」である。いま、戦国時代の危機(これまでの価値観の破壊)と幕末開国時代の危機(国際化への外圧)が、同時に日本を襲っている状況だ。そんな時代だからこそ、歴史に残る大人物たちの実例に学び、「人望力」の五つの極意を身につける。
投稿元:
レビューを見る
歴史上の名君を取り上げて、人心を掴むにはどのような心構えが必要かを考えさせられた。
この手の本を読むとストーリーと行動を真似しがちであるけれど、本当は一本筋の通った信念が大切なのだと思う。
思考が行動となり、習慣がその人の人となりを形作るとすれば、それは尚更のこと。
歴史上の名君の逸話が多数盛り込まれており、自分自身ならどうするのかを考えるには事欠きません。
投稿元:
レビューを見る
童門流の歴史的人物評。当然のように、信長、秀吉、家康の評も出ているが、童門流だけあって、あまり知られてない人物にも深い洞察があり、楽しめる。
投稿元:
レビューを見る
この人ならという気持ちをもたせる偉人のインプットは出来ても、中々アウトプットとして行動を、どうしたら自然とできるか改めて考えるきっかけとなりました。
歴代の偉人が数多く登場しますが、一人一人深掘りして読んでみたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
「この人の言うことなら」「この人のためなら」と思わせること、すなわち「人望」のある人とはどういうものなのか?歴史上の人物のエピソードを紐解くことで、それが浮かび上がってくる。
童門さんの筆力か、ひとつひとつの話が実に活き活きと描かれていて、読み物としてもおもしろい。
同氏の他の著作「泣ける戦国ばなし(WAVE出版)」「上杉鷹山の経営学(PHP文庫)」「小説 上杉鷹山(集英社文庫)」などもおすすめ。
※個人的に上杉鷹山が大好きなので、偏り恐縮です。