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望んでもいない失恋をするところから始まる一人の少年のお話。
厭世な気分と風になった人たちの存在。憑き物が落ちたように髪型が直るところ。
甘く感情に訴えかけてはこないので、何となく読んでいるとそのまま通り過ぎてしまいかねないが、この漫画は確かに、あちこちに切なさがあふれている。
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風の側の人間と比べて、島の側の人間はどこか卑怯だ。なんとなくそんな気がする。
実際そういうふうに性格が分かれているのかもしれないし、主人公の心根によって島の人間が汚く見えていただけかもしれない。
台風の次の日の朝、静かに体調を気遣ってくれた父親やアイスクリームをくれた売店のおばちゃんのような優しさは、実は主人公が意識していなかっただけで島の住人はそれなりに優しかったのかもしれない。
この物語を経て、主人公はどう変化しただろう。
とりあえずナルミへの想いは断ち切れた。
人間的な成長もした気がする。しかし、果たしてそれは健全な方向だろうか。
最後、サチ子からの告白を前向きに対処したのは優しさにもみえるし、想いを利用しようとしたようにもみえる。
後者の考えが出てくるのは、自分が卑怯な人間だからかもしれない。
しかし、サチ子の行動は寛大に受け止めるには度を超えているし、告白も言い訳めいている。主人公も苦い反応を隠せていない。
主人公とサチ子の青春はここから始まるのだろうか?
始まるのだとしても、単なる男女、単なる読書仲間ではない、どこかいびつなものが始まるような気がしてならない。
風に守られなくなった島同様に、つい波乱の未来を考えてしまう。
なんにせよ、面白い作品だった。
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山本健太郎氏の作品『ウインド・ハート・ブレーカー(2013)』を読んでみた。 ”風”がテーマが良い!! 切ない恋物語もGood!!