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「焼跡のイエス|善財」石川淳
精神文学。
第10回さいたま読書会課題図書。
中編集。「山桜」「マルスの歌」「焼跡のイエス」「かよい小町」「処女懐胎」「善財」の6編。
戦後の荒廃のなかに置かれたインテリの、精神のせめぎ合いが澄み渡ってグチャグチャと書き連ねられている。てな感じですか。
ううむ、読みつけないなあ。読みづらい。かなり苦手。。
とりあえず一文一文が長くて、何が言いたいか分からなくて、起承転結がないのが読みつけない理由ですかね。
この文学性はぜひ読解(ないし楽しみ方)の講義を聞きたいなあ!
「処女懐胎」は読み飛ばしました。。
全くこう云うくらいのが、ラノベで出てくればいいのに!読み応えがあって害がなくて、なんか精神性!インテリジェンス!みたいなさあ。
p256 くらいで、何事の予感を伴うこともなく、啓示の様に精を放つ、くらいのワイセツさがありゃあブッとんでるのにな、と思った。
こすぱから考えると…☆2かなー
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浮浪児がキリストに変身するというイメージだけですでに美しい。おぞましいものがある種の神聖さを帯びるようなイメージは好きです。想像力の広がりも時空を超えていてすごいなと思わされます。
でも、なんというか、聖に変化する俗の描かれ方が、時々しっくりこない短編もありました。聖なるものの崇高さに比べて、俗なるものの低俗さがつりあっていない感じがして居心地が悪かった。だから、聖と俗を対義的観念としてとらえて読んではいけないのかもしれません。
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現代の舞台からいきなり非現実的な出来事が起きる。起承転結の転で突然、雲の上に放り出され、結もなんとなく放りっぱなしのまま雰囲気で閉じられる感じ。観念や技巧が優先され、人物がご都合的に踊らされている/性格が現実的に詰められていない印象を受ける。特に女性が記号的に扱われている。
非現実的な転部が「想像力の飛翔」のように長所として挙げられているのをよく見るが、村上春樹やよしもとばななのマジックリアリズムを知っている世代としては、「別に…」という反応になってしまった。
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昔の恋人と、大学のことを思い出す本。
石川淳はいやらしいよなあ…!
ユーモアが難しくてよくわからない。
「貞子」を「てこちゃん」と呼ぶセンスは好き。
クリスチャンなんだっけ?
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焼け跡のイエスのみ
阿部公房のけものたちは故郷をめざすの主人公がきゅうぞうが目指した故郷。
聖と俗がいりまじる表現。
群衆の様子がありありとえがかれる。
短い短編。次の日には,闇市は跡形もなくなくなる。皮肉か。
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「山桜」「マルスの歌」「焼跡のイエス」「かよい小町」「処女懐胎」「善財」収録。俗なるものに聖なるものを見出し、幻視する。キリスト教の教義が散りばめられており、興味深かった。石川淳が書く一文は長く、慣れるまでやや読みにくいものの、非リアリズム的、渦巻く思弁が迸るようなそれは小気味よい。個人的なお気に入りは「かよい小町」「処女懐胎」。他の作品も読みたい。