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小説を書くわたしの七つの物語。
主人公は、幸せと呼ばれる欠片をたくさん手に入れられなかった印象を受けた。第一話で出てきた色んなものが、色んなことが、後に行けば行くほど判ってくるの。主人公がぼや〜っとした輪郭からはっきりとこういう人だと判ってくる。けど、判れば判るほど、悲しく、寂しくなってくるのね。息子と愛犬が居ることが唯一の救いになればと思える話だったよ。
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「博士の愛した数式」で一躍有名作家になった小川洋子の短編集。今作に収録されている「エーデルワイス」が大好きである。小川洋子の何が好きかと言われれば雰囲気と私は答える。彼女の作品は文字の一つ一つが一つの雰囲気を作り上げている。その雰囲気は風が吹けば消し飛びそうな脆さをわざと作り上げ、穴があるように見せている。小川洋子の作品は一つ一つの雰囲気が少しだけ違う。その中で、私に合った雰囲気は「エーデルワイス」だったのだ。
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小説との相性はむずかしいものである。
たとえば私は、ふしぎな話を好む。とりわけ短編が好きだ。そんなわけだから、本書を見つけたときはうれしかった。なにしろふしぎな話で、しかも短編連作と来ている。きっと気に入るにちがいない、そう思った。
ところが、馴染みにくかった。小川洋子がつむぎだす不思議さは、どうにも「大きいふしぎ」なのである。語り口に、なにかおおごと感が漂っている。だから少々身構えてしまい、読み始めはちょいと苦労をした。
しかし一旦入り込めば、実に楽しませてくれる。なにしろ小川洋子はふしぎな世界を垂れ流すだけではない。この小説家は、それを制御する力を持っている。だからラストにおいて、びっくりするような展開をも味わせてくれるのだ。収録作「盗作」がまさにそうだった。最後の一頁で「うわあ」と呟く自分がいた。だんだんと小川洋子世界に馴染み始めた。
けれど私は思う。やっぱり「おおごと」は苦手だなあ、と。もっと小ぢんまりした話のほうが馴染みやすい。言ってみるなら「おおごと」よりも「こごと」である。そう思わせてくれたのが、本書の真ん中に収められた短編、「キリコさんの失敗」である。
これは家政婦のキリコさんが失敗する話である。キリコさんには、ふしぎなエピソードがいっぱいある。だけど、どこか生活感が漂っている。「こごと」なのである。小物感に包まれている。けれど何故だろうか。この「こごと」に、本書で一番大きな《ふしぎ》を感じた。実に新鮮な、底の深い幻想性を見たように思う。
本書で一番好きなのは「キリコさんの失敗」である。そして今まで読んだ小川作品で一番好きなのも「キリコさんの失敗」である。(けー)
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少なくとも私の日常からずれた世界に位置する小川ワールド
私たちの失ったものは、私の日常とも小川ワールドとも違う、どこか別の世界で生きている。
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『機関車先生』を読みきったその日の内に読みました。表紙が可愛くって気に入って購入したのですが…。中身はちょっと暗い買ったです。全体的な文章のイメージが。
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あまり読後感が良いとは言えないものの、好きな世界観ではあります。埃っぽい空気とか、かさついた皮膚とか、プールの匂いとか、そういうところにうっすらと漂う小川洋子的空気。真綿で首を絞められることが、ある程度は快感であり、だからと言って不快感を呼び起こさないものではないと思わされる一冊。この本を読んで、小川作品には当たり外れがあるな、と感じました。
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エーデルワイスがリアルに気持ち悪い。しかしすごい力量だと思う。収集しているものがすごかったり、犬の話だったり息子の話だったり「私」の話だったり。連載短編集。
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エッセイを読んでいるような不思議な感覚になった。早く次のページがめくりたくて仕方なくて、あっという間に読めてしまいました。楽しいお話でした。
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一人の女性小説家とその周囲にいる人間による短編。
全編に渡ってどこかふしぎな空気を醸し出し、タイトルにあるように様々な「偶然」を見せてくれている。
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短編連作です。派手さはなく、少し不思議なお話だけど、それがかえって「人生」や「運命」をうまく表現していると思いました。面白かったです。
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小説家の女性を中心とした短編集。全編を通して女性的な、心情的で繊細な文章で日常に潜む「偶然の出会い」が紡がれる。しかし、出会いの裏には失う物があり、別れがあるからこそ出会いがある。なんとも不思議な世界観。女心は難しい。。。
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いいね。作家で子持ちで犬とすんでいる主人公の連作短編。救いのある話はひとつもない。でも静かな、暖かな小説。
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博士の愛した数式を読んで
この人の本を読みたいと思った。
ハッピーなタイトルなのに
内容は暗い。
いつこの暗さが晴れるのかと
思ってたんだけど。
読んでて全然
楽しくない。
短編集なのに
1つも好きな作品が無いの。
薬指の標本もあたしには
合わなそうだしなぁ・・・
小川洋子サンは
あたしには無理っぽい。
博士の愛した数式は
良かったのにな。
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日常のなかのどうしようもない喪失感と、偶然おとずれるしあわせな瞬間の両方があじわえる。つかみどころのない、ふわふわしたものがたり。たった数行の行間に、現実と非現実のはざまを行き来しちゃってたり。
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前から表紙が気になって購入しました。
1回目は、途中で読むのを止めてしまいましたが、2回目は、読んでいるうちに次の展開が気になって夢中になりました。
印象に残った話は、主人公のなくしたものをお手伝いの人がみつけてくれるという話です。
興味がある方はどうぞ。