紙の本
3・11以降、国民が不安をもつ原子力施設のすべてをまとめたガイドです。
2016/09/25 09:43
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、3・11以降、最も必要とされた定番ハンドブックをアップデートされたもので、我が国の原子力発電施設のすべてが簡潔にわかるようになっています。仮に「全廃炉」でも、原子力との付き合いは50年も続くという本書の指摘は、私たちの想像をはるかに超えた恐怖です。ぜひ、この機会に我が国の原子力施設について、その仕組みとリスクを学んでみてはいかがでしょうか。
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どれほど原子力施設のことを知っていたか、知ろうとしていたか。
わかっていないことが多すぎたことを、反省しなければならなかった。
身近なこととしては
●放射性物質の種類によって、身体のどこに集積されるのか、どのような病気が発生しうるのか
●放射性物質を含む塵を吸い込んだり、放射能汚染された食物を摂取したりなどの内部被曝でも、体内の放射性物質は時間とともに半減したり、細胞の新陳代謝によって体外に排出されたりする場合があること。
●放射線被曝の量によって人体の被害が違うこと
●日常的に自然から浴びる放射線はやむを得ないこと、X線検査などメリットのある放射線被曝は容認する、緊急事態と平常時には別の考え方で望むなど
●現在の日本の放射性セシウム規制案は世界的にもっとも厳しいものとなった。
参考 食品セシウム:新基準値の4月施行決定 毎日新聞 2012年02月24日
http://mainichi.jp/select/news/20120224k0000e010163000c.html?inb=yt
●コメの場合大半が葉、茎、籾殻などにとどまり、精米後の白米に吸収されるのは全体の5%以下
●野菜なども茹で汁や、塩漬け、酢漬けなどのつけ汁を捨てることでかなりの放射性物質を取り除けること
など
他にも知っていればパニックになったり、誤った風評「加害者」になったりせずにすむことがたくさん書かれていてよかった。
がれき処理を被災地に留めるか、広域で受け入れるか。
ゴミ焼却施設から放射線が広まるか広まらないか。
受け入れた地域で焼却施設を介して被曝が起こるか怒らないか。
など
まだまだ知らなければいけないことが多い。
この本を読んで、それで終わりではいけない。
引きづつき、常に最新の知識を得るよう心がけたい。
被災者でなくても日本人ならすべての人が、311地震と原発問題の当事者として、主体的な判断を出来るようでなければならないことを、あらためて思い知った。
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JCO臨界事故を受けて書かれた本が、福島第一原発の事故を受けて改訂を受けたもので、リスク・廃炉などについても書かれています。
商用原発だけではない、大学や企業の研究炉まで含めた原子力施設の詳細データと、原子力発電のしくみについて。こんなところにも原子炉あったのか、とか、この原発、こんな不祥事を起こしていたのか、というのが一望できます。
だからといって反原発、という本というわけでもない。正しく理解し正しく怖がろう、的な感じに受け取れます。
しかし、ドイツのメルケル首相が言うように、いくらやっても残余のリスクを誰も負えないはずです。しかもこれだけ事故や不祥事、隠蔽が起きているものを。もう「正しい知識」はいらんかもな〜と感じました。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号408//B59//1759
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原子力発電所の仕組みやこれまでに発生した事故の内容、日本の原子力発電所の説明などが分かりやすく書かれていて、原子力発電所を勉強するうえでの良い入門書だと思う。
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原発利用を現実的なおかつ前向きにとらえていて、興味深かった。
また、わかりやすく放射能の影響や原発の仕組みが説明されてあり、理解しやすかった。
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福島第一原子力発電所事故を受け、一般の人が原子力に関する基礎知識を得られるようなハンドブックとして出版されたもの。原子力発電の基本事項や、原子力関連施設のデータ、原子力防災の考え方、といった順番で分かりやすくコンパクトにまとまっている。
2012年2月出版のものなので、原子力関連施設のデータや、原子力規制行政体制の変遷など、一部データが古くなっているものもあるので注意。
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推進派意見でも反対派意見でもない原発関連書籍はあまり見当たらない。そういう意味だけでも本著は貴重な一冊です。それでいて原子力発電に関する最低限の知識が非常にわかりやすく述べられており、原発を考える上での入門書であると言えると思います。
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炉のタイプ、出力、所在地、建設費、主要事故、海抜・海岸からの距離、至近の活断層。原子炉全54基+関連施設を網羅した「読むデータブック」。
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2012年刊。著者北村は東京農業大学応用生物科学部教授(元読売新聞科学部長・論説委員)、三島は同新聞科学部記者(あの正力松太郎の「讀賣新聞」に注目)。
原子力発電の基礎知識のハンドブックを標榜し、新書としては詳述の有益書だが、中立ではなく推進派の書だろう。
とはいえ、本書でも
① 廃炉・解体への道筋が見えない点、
② ①に莫大な費用を要す点とこれを等閑視した建設と維持、
③ 高レベル放射性廃棄物処理の不存在は、いい加減な解決指針のままで処理を次世代に送るだけという認識を生む。
加え
① 原子力問題処理人材・専門家の枯渇。
特に、大学教育における原子力関係の志望者減の深刻化(原子力に限らないが、高校卒業直後のみならず、社会人経験者を広く入学させる入試制度と別大学での単位互換制を柔軟にできないものかなぁ)。
② (既知ではあるが)若狭湾周辺の原発その他の施設が、近畿の水瓶・琵琶湖の近傍である点、
③ 現在のコスト水準と年間使用量でウランは65年で枯渇する希少資源であることは注意。
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旧版も読んでいたので、フクイチ以後の加筆部分をざっと読む。◆◆最終章の原子力規制庁の問題「プロをどう育てるか、予算をどう確保するか」は常に目を光らせないといけない課題だ。原子力への勉強を志す若者が減っている現在をかんがみると恐ろしさを感じる。
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日本の原子力施設全データ 完全改訂版 「しくみ」と「リスク」を再確認する (ブルーバックス)2012/2/20
内容(「BOOK」データベースより)
炉のタイプ、出力、所在地、建設費、主なトラブル、海抜・海岸からの距離、業務内容…。「どこに何があり、何をしているのか」がすべてわかる。原発から燃料加工・再処理施設、大学や企業が持つ研究炉まで、数ある原子力施設の全貌を知る―。原子炉全54基+関連施設を網羅した「読むデータブック」。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北村/行孝
1950年、三重県生まれ。電気通信大学物理工学科卒業。読売新聞社社会部を経て、科学部で科学技術政策、原子力開発などを担当。同社論説委員、科学部長などを歴任。2010年から東京農業大学教授(応用生物科学部)
三島/勇
1958年、名古屋市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。読売新聞社東京本社入社後、静岡支局から社会部を経て、科学部で原子力、環境問題、宇宙・天文を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
原子力発電とは何なのかと言ったところから解説があり良い
2012年4月23日記述
北村行孝さんと三島勇さんによる著書。
2001年に出ている本なのですが、福島第一原発事故を受けてその経緯、問題点、今後の対応など大幅に内容を改定しています。
原子力発電とは何なのかと言ったところから解説があり良いです。
原発事故後に出てくる世の中の本には脱原発、原発廃止一辺倒な本も多く
(もちろん健康を害した等事実に基づいてはいると思うのですが)
客観的にデータを持って今の日本の原子力の現状を解説した本が殆ど無くその意味で貴重な本であると思います。
ただもちろん原子力の解説には科学的用語も出てきます。本当に内容を消化し理解し切るには高校レベルの化学、物理の知識がきちんとあった方が良いと思いました。
(なるだけわかりやすく伝えようとしているのは読んでいて伝わってきますが・・やはり最低限の難しさは残るものなのかもしれません。むしろそこは本来国民一人一人が分かるよう努力するか教育内容を改善すべきなのだろう)
図表なども充実しておりそれも本書の特徴となっている。