紙の本
量子力学の入門書としてはピッタリの一冊です!
2020/02/20 11:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、量子力学を知るには最高の入門書です。ここでは、二つの量子はお互いに離れていても、実は繋がっているという現象について、深く考察しながら、量子力学について学んでいく科学書となっています。内容も、「序章 量子力学とは」、「第1章 テクノロジーの進歩と量子化の必要性」、「第2章 振り子の量子化」、「第3章 光の量子化」、「第4章 レーザー光と量子ゆらぎ」、「第5章 量子エンタングルメント」、「第6章 量子光学を用いてEPRペアを生成するための準備」、「第7章 量子光学を用いてEPRペアを生成」、「第8章 量子光学を用いた量子エンタングルメント検証実験」、「第9章 単一光子状態の生成」、「第10章 量子テレポーテーション」、「第11章 多量子間エンタングルメントと量子エラーコレクション実験」となっており、量子力学を知るための基本がきっちりと網羅されています。ぜひ、量子力学について学びたい方にはお勧めです!
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ようやく巡り会えた、何かちょとはわかった気にさせてくれる本。
同一著者でブルーバックスから3冊出ている。 最新刊の「シュレーディンガーの猫のパラドックスが解けた!」は、前2冊の読者を前提としており、途中で挫折。だったら最初からと挑んだ「量子テレポーテーション」は、話が飛んでいて置いて行かれて挫折。
この「量子もつれとは何か」は、そもそもの前提となる量子エンタングルメント(もつれ)について、何とか理解してもらいたいという著者の切なる願いが込められている。そもそも難解な量子物理の世界。たとえ話に逃げて解かった気にさせる、という形式に堕することなく、順を追って丹念に説明しようとしている。あちこち参照してくる図や式を面倒がらずに追っていけば、何だかそういうものかもという気がしてくる。
素人の自分には結局何だかよくわからない、それは仕方がないこと。でも、最前線の研究者が頑張って書いていることに星5つ。
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以前ニュースで、将来の量子コンピュータの実現につながる画期的な量子もつれの多数発生技術を日本の科学者が発明、というような記事を読み、すごいなとは思ったものの、記事を読んでもさっぱり意味がわかりませんでした。(そのニュースは、 http://eetimes.jp/ee/articles/1311/18/news077.html に載っています。)
で、その技術を発明した先生が書いた「物理学を専門には学んだことのない人向け」という本をたまたま本屋で見つけたので、読んでみました。
結論としては、やっぱりめちゃめちゃ難しい。「光の実態は、波なのか粒子なのか」という古典議論があり、量子力学によって「両方の性質を備えている」とされたこと、「不確定性原理」という概念があり、それは素粒子は位置と運動量とを同時に決定することはできないということ、という程度は漠然とは知っていましたが、それを「正しく」理解するのにはやはり生半可な物理の知識・センスではとても無理だなということが改めて分かったという感じです。
ただ、正確ではないのかもしれませんが、「複数の量子がもつれた状態」というものがあり、それは、個々の量子の位置と運動量は決められなくとも、グループ全体としては特定の値を持ち、それを測定することもできる状態であること、その性質を利用すれば離れた位置にある量子の状態を別の位置で再現することができ、それを「量子テレポーテーション」と呼ぶこと、できるだけ多数の量子でその状態を作り出せるようにすることが量子コンピュータにつながること、その技術が今現実に実験室でできつつあるということだけは、なんとかわかったように思います。
中身はわからなくても、わくわくさせてくれる話でした。
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図の参照が飛びまくって若干読みにくくなっているのと、ごく簡単に説明しすぎてかえって内容が掴みにくくなっているように思う。
直感が通用しない量子の世界なら、導き手となるのはやはり数式でしか無い。技術的な内容に言及するのなら尚更か。
とはいえ、不確定性原理のイメージのようなものは何となく掴めるかと思う。
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後著を読んでいたおかげか、スクイーズド状態などが理解がしやすかった。原理的な部分に加えて、実装的な部分に興味を覚えた。エンタングルメントの輪郭がわかって嬉しい。エラーコレクションを通して、量子コンピュータの原理に触れることができたのも醍醐味だった。ラジオから類推させる部分は分かりやすい。というか、AMとFMってそういうことだったのか、と自分の無知を恥じた。
ただし、本書も量子力学の基礎を学んでることが理解の前提として要請される。
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物理学者 古澤明氏による「量子テレポーテーション」に続く量子力学の解説書。本書では量子力学を基礎とした量子光学を用いて「量子もつれ」を説明をしていることが特色です。全部は分からないですが、いくつか腑に落ちるところがあったので収穫かな。やはり内容が高度なため、ある程度物理的な知識が必要だと思います。また数式アレルギーの人向けに図を多用しているのですが、ページの関係で説明文と離れてしまっているため、ちょっと読みにくいのが残念。前著の後半に書かれていた光を用いた実験に興味をひかれた人は必読かも。
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量子もつれと量子力学の多世界解釈は今一番わくわくする話です。
わかりやすいかなと思って読みましたが、ダメでした。
唯一、光子がその不確定さで粒子とみなせるという座標の絵が比較的わかりやすかった。
しかし、後半になると、ますますわからなくなる。
もしかしてこれを理解するには量子コンピュータによる素因数分解のアルゴリズムを理解することが早道かな。
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「量子ゲーム」の肝である「量子もつれ」について知ろうと思い購入。
前半までは概ね理解できるものの、後半の「量子エンタングルメント=量子もつれ」からは、数学的に僕の理解が全く及ばない(つまり目的が果たせていない)。
「1つの量子では1つまでしか測定できないが、2つの量子では2つまでは測定でき、その結果、測定していない状態についても確定できる、ただし測定した情報は光速を越えないので同時に確定しているわけではない、という理解でいいのだろうか(それすら良く分からない)。
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量子力学の根幹は不確定性原理にあり、そこから重ね合わせの原理が生まれる。量子もつれは複数の量子を扱う量子力学の最前線を語る上で重要。
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丁寧に一段一段と説明されたけど、やっぱりなかなか分かり難い。不確定性原理では、同時に二つの物理量は決められない、ということである。位置を決めたら、運動量は決められない。運動量が不定とは、あらゆる運動量の状態が「重ね合わせ」であるということらしい。
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ノーベル物理学賞候補と言われていた古澤明先生の本。分かりやすく書いてますと前書きにはあるけれど、はっきり言って分かりにくかった(笑
しかし、実際に量子テレポーテーションの実験をした方法や結果まで出てくるので、理論だけの量子論の本とは違う面白さがあった。