紙の本
ゆっくりと
2016/12/04 16:58
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投稿者:たっつん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の時代に即していると思われる。ゆっくりとした時間で読書していきたいものだ。
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ああ、やっぱり本人が書いたものを読むべきだった。幸せになるには理由がある、不幸になるのも理由がある、神経症はもちろん不幸。不幸な習慣をきっぱり断ち切りましょう、って立場。経済学で言うとぜーんぶミクロ分析であって、みんなが幸せになろうとした場合に合成の誤謬は起こらないのか?マクロな制約条件はないのか?なんてことはすっぱり抜け落ちてる。
一方、このような立場を他の疾病に例えると、医者が肝硬変の患者に「酒をやめなさい」肺がんの患者に「たばこをやめなさい」糖尿病の患者に「食事に気をつけなさい」と言ってるのと同じだ。という風にもう少し好意的に解釈することもできる。
問題は、自分がどうにもならなくて苦しんでる人に「だからおまえは駄目なんだよ、ちゃんとやれよ」と言うのが何か意味を持つのか、ということだ。
先ほどの例えに戻ると、肝硬変で酒をあきらめるとか我慢するというのは至極当然に思えるけれども「そもそも酒を飲みたいなんて思うおまえの気持ちが間違ってる」なんて言われたら?さらに「元はと言えば甘やかされて育ったからだ」なんて言われたらもうそいつの話は聞かないよね。
そういう訳でアドラー心理学1冊目は岸見さんの説なのかアドラーさんの説なのかわからないまま、早々に終了したのだった。
以下、メモ
・アドラーはモノカルチャーを目指しているのだろうか?この本を読む限りではその疑念が晴れない。健康ファッショと言ってもいいし煽りと言ってもいい。
・気い良く生活できてる人は正しくて、上手く行ってないやつは何か間違ってる、と言ってるような気がしてならない。それは適応の上手下手、上手に騙されてやるかどうかの問題じゃないのか?
・この本の性質上仕方ないんだけど、一人一人の真実が無くて、時代遅れのBigStoryのように聞こえるし、どうとでも解釈できるような言説も多い。
・ただし、いくらその道の専門家と云えども、訳者がまるっぽ誤読というのはどこの世界でもあること。だってこの本に書いてあることが「あの、アドラーの凄い心理学」には思えないんだもの。
・PTSDで過去のトラウマなんて言うけどウソ。それは過去じゃなくて今が問題なの。と言う一方で、神経症は甘やかされて育ったからなんて言うのは矛盾してないか?というか理由はともかくじゃあどうしたらいいの?
まあそんなこんなで、この本は当事者が解決を求めて読む本ではない。「健康な」者が健康であることを噛み締めてひと心地着くための本だ。アドラー/岸見ファンのみんなごめんね。
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『アドラー心理学 シンプルな幸福論 』を入門としたら,次はこの本.
アドラー心理学の理論を整理しながら,アドラー自身の言葉と時代を引用しながら丁寧に説明している.
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目標は未来にあり、自分や世界についての意味づけをかえることは可能なので、これからの人生を変えることができる。
アドラーはユダヤ人の家庭に生まれたが、宗教的な関心はあまり持っておらず、自身のユダヤ的な背景にあまりプライドを持っていなかった。フランクルもアドラーの弟子。
我々が絶対的真理に恵まれていないからこそ、人は現実をそのままの形で認めることなく、少しでも理想に近づくべく努力できるのであり、努力しなければならない。
私は自分に勝ちがあると思えるときだけ自信が持てる。
たしかにこの人生は苦しいのである。とりわけ真剣に生きようとする思う人にとっては苦しい。しかし人生は苦しいだけではない。
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アドラー心理学の基本概念について、彼がそれを着想した背景に沿って解説しています。
途中で岸見氏の意見・経験談がはさまれており、アドラーの意見と混同してしまいそうになるので注意が必要です。文脈をしっかりつかめば問題ない程度です。
今すぐアドラー心理学を実践したいというような人の要望に応えるものではありませんが、
・そもそもアドラー心理学って何?
・なんでこんな仮定を置いているの?
・アドラーってどんな人?
という疑問を抱いている人には最適の本だと思います。
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「意味は状況によって決定されるのではない。われわれが、状況に与える意味によって自らを決定するのである」
いまや認知行動療法に席をとられた感があるがその源流のひとつだろう。対等な関係を前提とした、共同体を志向する責任ある選択、といわれれば、それは厳しいものであり、生き方指南的な面は敬遠されがちであるのかもしれないが、人間性心理学と共通する多くの部分はこころに留めておきたい。
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過去の原因論は否定しなければいけない、意味づけしているのは現在の自分であり、何らかの目的に沿って過去を思い出すし、身体的な反応も浮かぶ。そして、目的というのは他人と関わりたいか関わりたくないかという点に集約する(共同体感覚)。しかし、人間は独りで生きることが出来ない以上かかわりを良い物にするほかないのであり、他人と能動的に関わって状況を改善することを選んで行かなければいけない。
他者を支配しようとしない、他者に依存しない、課題達成の努力を厭わない。自分に能力があると思う、人々を自分の仲間と思う。
そのために、他人に属性付与する/されることを避ける。振り回されないように自分を持つ。ひとまずは存在しているだけで誰かのためになっていると考え、失敗をいとわないようにする。
他人にはできるだけ期待値を下げ、喜ぶように。
身体的な反応も感情的な反応も全てが「他人と関わりたくない」という目的論へと収斂するのは少なからず説得力がある。そして、目的論の次元でどう戦うか、と。予防についての関心においてのみ子育ての話が出てくるのであり、それは当事者にとっては理由にならない。
この基準をどう適用するかというところが難しいのだが、一応でも幸せの方程式が定式化されるのはためになる。がんばろう。
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フロイト、ユングに並ぶ心理学者・アドラーの生涯、思想を、他の心理学者や哲学者との比較を一部交えながら書かれた本。
アドラーの解説書ですが、著者のアドラーへの敬意が伝わる文章で、良い大学の講義を受けている気持ちになりました。
アドラーの考え方は、人の考え方や行動、神経症の症状、ひいては生き方について、「◯◯だから××してしまう」という原因論ではなく、「××をするために◯◯という原因を探して実行する」という目的論に立脚しています。
その目的を持つにあたり、自分の「ライフスタイル」(自己観、他人観、世界観)が影響を与えます。ライフスタイルは、どのように育てられたか、どのように生きてきたか、によって形成されますが、もし自分が生き辛くなるようなライフスタイルを持っていることに気付いたなら、そこから未来にむけて変えていかなければなりません。
このように、アドラーが当時の人々に語りかけていた考え方が、説明されています。
心理学を学ぶ学生や、よくあるビジネス書に書かれているような「自己責任論」より更に一歩踏み込んだ内容の本を読みたい社会人にオススメです。
ただ、難点をあげるとすれば、読者に語りかけるような文章で書かれているので、教科書のように図解や体系化がされているわけではありません。
その点でややわかりやすさは落ちますが、その代わり著者の講義を受けているような面白さがあると思います。
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アドラーの思想は好きですね。信じるに値できると思えるという事。以降は本からの引用です//見かけの因果律。治療も育児も教育も、今とは違うあり方へと人を導くことを意味する。ライフスタイル(性格)。自己概念、世界像、自己理想。問題行動…原因ではなく目的をみる。他者への関心。共同体感覚。共感。他の人の目で見て…。チェリスト デュプレ。自分の課題を自力で解決できるという自信を持てるように援助する…勇気づけ。自分に価値があると思える援助。人からの評価に左右されないように援助する。短所を長所と見る。意味づけを変える。貢献感。ありがとう。実際にどうかよりもどう思われるかを気にすれば、容易に現実との接触を失う。理想を見て、現実の自分や他者を見ない。
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アドラーの個人心理学の成り立ちから展開まで、アドラーの生涯を交えて紹介してくれる。フロイトとの違いを対比的に著し、未来の幸福に向けた、社会への関心・貢献の、決意の心理学であることが印象的だった。
原因論を排する目的論も、過去の出来事は誘因として包摂しているとの説明には、理解できるものの、何となく理論が一貫しない割り切れなさを感じた。
比較的分かりやすく書いてあったとはいえ、やはり読み切れていない感は相当あった。
14-119
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☆3.5
読んだら勇気がでてくるよ。
アドラー心理学の考え方は、しっくりくるから大好きです。時代、宗教、民族や時空を超えて、世界をより良くしていくためにどう行動していくか。それが生きていくためのエネルギー源になっているのは同意です。
対話による和解を、人間がすぐには思いつかないことをよく表した例は、とても印象的でした。
八木誠一さんのフロント構造理論が引用されていましたが、私はもっと複雑な構造を想像します。ネットワークとか、入れ子とか、そういった一対一の面的接触では終わらない複雑さが隠されているのではないかと直感しています。
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「嫌われる勇気」ではアドラーの体系がわからないと思った人なら必読ですが、そうでない人には少々難解な内容。
それでも、フロイトとの関係や考え方の違い、第一次世界大戦から「共同体感覚」という理想を描いた生涯を知るのは、戦前回帰している日本にとっても大事なことだと思います。
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人間関係に悩む自分が手に取った一冊。
アドラーの言う人生の苦しみは3つしかない。
・衰える(死)苦しみ
・自然災害の苦しみ
・他者との関係
特に他者との関係は上2つの苦しみよりはるかに大きいとされる。
自分は他人を一部を除き敵とみなしてきた。
自分を攻撃してくる敵だと。
アドラーの考えでは、他人=仲間、この意識があって初めて、他人への関心、貢献したいという気持ちが湧いてくる。
他人を支配せず、他人に依存せず、人生の課題を解決する姿勢で臨めば、人生はより良いものになります。
自分には能力があると信じ、これからより良い人生を歩いていきたいと思えた一冊です。
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[図書館]
読了:2015/1/25
人生における諸段階で
何かのことに行き詰まった時、それをトラウマによると考えることに問題はないだろうか、と書きながら、p. 150 では「このような甘やかされた子どもが、器官劣等性のある子ども、憎まれた子どもと同様、神経症的なライフスタイルを持ち、実際、神経症になることがある」と、育て方が人生に影響する、という決めつけをしている。
p. 148 でも、「甘やかされた子どもは、皆、憎まれた子どもになる」
皆、って…。
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20150224
目的論で物事を捉える。
怒ることは自分の意志を主張する方法として適切か。
勇気づけの対象は、存在と行為に分けられる。
貢献感。
エネルゲイアとしての生。
もう少し教育についてアドラーが何を言っているかを読みたくなった。