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思想としての全共闘世代 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.5

評価内訳

14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本

今なら遅くない。受け継ぐべき全共闘の精神。

2007/06/09 14:40

11人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「全共闘」が完全に歴史に埋まってしまおうとしています。
 今の若い人の中には、かつての全共闘運動を全く知らない人も多くいます。知っていたとしても、「いついつ頃、こんなことがあった。」といった歴史上のできごと、ほんの一コマとしての知識でしかない人が多くいます。
 本当にこのまま全共闘の歴史が”単なる歴史上のできごと”になってしまってよいのでしょうか。あの1968年東大安田講堂攻防戦が、「イイクニつくろうカマクラバクフ」などと同じレベルで語られてしまってよいのでしょうか。
 全共闘運動は、それにかかわった人間一人ひとりの思想でした。そして生き方でした。
 あの時代、真っ向から社会や権力に対峙し、おのれの価値観を磨きあげ、もてる力すべてを発して表現した若者たち。何も見返りを求めるでもなく、自身に降りかかる不利益も省みず、心身ともに運動に傾倒していった若者たち。
 全共闘運動の残した結果が何だったのか、それはよくわかりません。少なくとも、はっきりとした形となって残っているのものは、各地の大学構内の落書きくらい。しかし、あの時代の若者たちが持てるものすべてをかけて権力と闘ったこと、その精神は、今の日本にも根強く生きています。いや、あそこで全共闘運動がもし起こっていなければ、権力側の進める管理強化は、もっとずっと早く、しかも強大に推し進められ、今のような日本は存在して無かったかもしれません。
 弱者切捨てと管理強化、もてる者と持たざるものの格差拡大。強権的政治手法と権力による国民の心の支配。現代の日本はどんどん悪い方向に進みつつあります。
 今こそ、全共闘を「思想」として捉える考え方が必要です。
 そして、あの時代の若者たちが闘ったように、自分のために、自分たちの人間らしい生活を守るために自分に何ができるのか。今をいきる一人ひとりが考えるべき時です。
 全共闘運動の精神がわずかでも生きている今は、まだ遅くありません。

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紙の本

全共闘な人からの、時を越えた自己紹介

2006/12/20 16:54

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:鍼原神無〔はりはら・かんな〕 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は「わかりやすく言える範囲のことは、わかりやすく言う」って流儀で、文章を書く人。同時に「全共闘の化石」と自称=自嘲してもいる著者が「自分の個人的な経験を出発点としながら、なるべく自分の枠を超えて世代に共有できるもんだい取り出し」て伝えようと試みた本です。『思想としての全共闘世代』って書名は、誤解を招き易いと思う。著者の考えはわかるので、致し方ないけど。勝手に言いかえを試みれば「姿勢としての全共闘運動とその後」といったところでしょうか。過去のメディア報道や、政治的な大所高所からの整理から零れ落ち易い無数の出来事が、当事者視点による個人史的整理と、原理的展望とを軸にして、やや複雑な図柄だけど、歴史から零れ落ちた事柄の歴史、として編まれています。
 例えば、1972年の浅間山荘銃撃戦や内ゲバ殺人の頃から「過激派とい言葉が流布された」との示唆(p.130)。おそらく、当時のメディアに媒介れて流布されたのでしょうか(?)。著者の主張ではありませんけど、「架空の内戦」って妄想にからめ採られていった党派集団に対する当時の社会の方の対応が「過激派」という名指しだったように思えます。想定読者である後の世代にとってのもんだいは、例えば、数十年前に生まれた色眼鏡が、過去の出来事の実態をわかりづらくする作用を今でも及ぼしていること。仮に「あらゆるテロは悪だ」という立場にたつとしても、シーア派のヒズボラとスンナ派のアル・カイーダを「イスラム過激派」という括りで一括していては、遠くの出来事の実態を誤解するばかりですよね。全共闘が生まれ、自壊していった時代についての、似たような誤解を解きほぐしていく材料は、この本で無数に提供されています。
 著者が「はじめに」で「書く人が違えばまた違ったものになるだろうが、ぼくの書けるものを書くしかない」と断っていることは特記しておきます。この本の語り口は、とても紆余曲折があって、たんじゅんな割り切りではないのですが。当然ながら、それでもなお、掬いきれていない局面と言うのはある。著者もそれはわかってるはずで、例えば同著者が1997年に出した『ことばの行方・終末をめぐる思想』(芸文社)では、世代的には同年代の橋本治氏が、全共闘に蔓延していた無自覚な「正さ」にかつて抑圧感を感じていたという述懐について触れられているのですが。『思想としての全共闘世代』では、全共闘という場の周縁や外縁で生きていた同世代の人たちや、そうした人たちと全共闘の関係までは、整理が届いていないようです。それでも、「もういい加減書けるものを書いておかないと、結局は何も伝わらないままで終わることになる」という思いで書かれたとも「はじめに」に記されています。どうやら、この本でも掬いきれなかった過去の出来事について考えてゆくことは、読者に委ねられたことになる型のようです。もちろん、そんな責任を引き受けるのも、拒否するのも、読者それぞれの自由であることは言うまでもありませんけれど。

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紙の本

もし本当なら、団塊の世代に期待したい。

2006/09/18 15:10

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、団塊の世代が自分史を書く。総括の好きな世代なので、たぶんこれから数年、玉石混淆の作品が出るだろう。それを悪いことだとは言わないが、自己弁護や居直りの書はやめてほしい。この本は同世代に対して少し気を使い過ぎているとは思う(著者は同世代が大学紛争終息後はずっと『目の前の「現実」に対処することで精一杯だったのかもしれない。』(p.196)と免罪符を与えている。)が、彼自身の自己弁護に徹してはいないので読みやすく、当時の模様がよく分かる。

 この本を読んで、学生運動が安田講堂攻防戦から、なぜ赤軍派のような闘いへと向かっていってしまったのかなんとなく分かったような気がした。著者が言うように学生運動、特に全共闘の闘いは安田講堂が頂点だったのだろう。内ゲバやテロに走って行く団塊の世代や三島なき後の右翼を見ながら、高校時代に私は右とか左とかイデオロギー闘争で社会がよくなるのだろうかと疑問を持ちはじめていた。

 「同世代の一番優秀な奴は滅んだか、半ば廃人になった」(p.143)と著者が言っているが、ポスト団塊の世代の私も上の世代から優秀な人たちが消えてしまっていることを感じていた。それを見てきた我々の世代は、体制内に入り込み、内側から改革するしかないのではないかという雰囲気だったと思う。庄子薫の『さよなら快傑黒頭巾』の主人公の気分と言えば分かってもらえるだろうか。だから、「さまざまなエコロジー運動や市民運動は全共闘運動の思想性をいわば継承していった」(p.140)のが本当であるならば、現実に追われることのなくなる退職後の団塊の世代が、日本のためになにかを始めてくれることに期待したい。

 著者のポスト団塊の世代に対する認識は少しずれていると思う。たとえば、浅田彰をポスト団塊の世代の代表的な人物として扱っているが、彼は京都大学という日本で最後まで全共闘的気分が残った大学に所属している人で、同時代の同年代の代表とは言えないと思う。全共闘的名簿のない闘いでさえ、山本義隆・秋田明大が捕まったのちは、この指止まれ的、個人意見尊重の世界を構築するのは難しさを増した。浅田のように「遊び」と「拡散」に未来を託すものもいたし、「笑い」と「無化」にブレイクスルーを求めるものもいたと思う。

 また、団塊の世代ジュニアに関していうと、団塊の世代はその論理ゆえに教育を失敗したのだと思う。「造反有理」の原理に立てば、たとえ闘争が成功して政権を握ったとしても、自らが権威・権力の座に就いたとたんに追われる身となる。闘争は失敗したが、家族を持ち、年をとるに従い、家庭内において権威・権力となっても自らそれを否定せざるをえないので、友達親子とならざるをえず、なんら規範を与えなかったからではないか。

 運動のきっかけとなった東大の医局内の事件は権威・権力の不条理な行使であり、正すべきものだったが、権威・権力であるというだけの理由で否定する運動の結末は収拾のつかないものである。不易と流行の腑分けはどの時代でも難しいものだ。今の私は「不平を言うことのできない学生のごときは取るに足りない。ただし、破壊主義の学生に至っては更に取るに足りない。」(新島襄)と考えるが、全共闘世代には、(同国人を狙った三菱重工ビル爆破よりも理がある?)9.11にシンパシーを持つ人がいるはずだ。それが聞こえてこないのはなぜなのだろう?もう退職なのだから組織に縛られている必要はないだろう。

※「六月十五日に医学部生・青医運が安田行動を占拠し、…」(p.70)の『安田行動』は『安田講堂』の誤り。

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紙の本

結局、人間というものは反省できない動物なのか

2006/10/11 22:49

15人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書を読んでの感想は「逃げているな、こいつは」というものである。全共闘運動という日本社会に巨大なる害悪と災難をもたらした運動を本書は何等総括もしていないし、まして「反省」「悔悟」「懺悔」の言葉は一言も書いてない。著者は小学校低学年から朝日新聞を読みまくっていた九州の早熟秀才少年で、とんとん拍子に進学校経由東京大学に入り全共闘に巻き込まれていく。著者曰く「時代と人間との関係は、巻き込まれるという形が基本」なんだそうだが、それなら戦前の日本人もそうだったろう。2.26事件を起こした青年将校たちもそうだったろうし、中国を侵略し南京で多くの中国人を殺した日本兵もそうだったろう。明らかに間違ったことをしたのだから、まず懺悔するのが出発点であるべきなのに(少なくともサヨクドモは昭和戦争については口角泡を飛ばして政府等に反省を強いる。それなら全学連・全共闘運動についても同様の態度をとるべきだろう)それが何も無い。ただただ、たんたんとだらだらとクロニクルよろしく著者の経験した時代描写が延々と続く。しかし、例えば、三菱重工事件について、「兵器産業をかかえ、当時日本帝国主義のベトナム戦争加担を代表する企業ともくされ、そこに勤務する人間が敵と看做されても不思議はなかった」という著者の記述が端的に示すように、本書には「造反有理」「理由があればテロをやってもいい、人も殺してもいい」という暴力容認の姿勢がそこかしこに登場するのである。9.11事件についても「無辜の人々を巻き込むテロは除去しなければならないと先ず思うか」と、まず思うのが当たり前なのに、それに続けて「それがテロとして現れるには理由がある、その理由は何かを先ず考えるか」などと、あの、例の永山則夫流の「私が殺人を犯したのは貧乏だったから。私が貧乏だったのは社会が悪いからだ」という「無知の涙」流の「理由があれば人を殺してもいい」という完全に間違った思想が顔をのぞかせてしまうのである。やっぱり全共闘の連中はかわってねーなと吐き気を催す。全共闘騒動では警察関係者が何人も殺されている。小包爆弾で殺された土屋警視総監夫人もそうだし、交番の駐在や機動隊の人たちもそうである。彼らには家庭もあれば子供もあった。しかし著者にはこうした警察関係の犠牲者に対する同情と悔悟の言葉は何も無い。そもそも社会に不満があっても、その是正を暴力的な手段で表現することは現代の民主主義社会では認められていない。大学の運営が気に食わないからといって大学を占拠したり放火したり校舎を破壊したりしていいわけがない。全共闘世代は得意げに運動とやらを実行していたのかも知れないが、それに続く世代は全共闘世代の横暴を憎悪の目で見ていたという厳然たる事実に著者は全く気付いていない。当時高校生だった私は、成田闘争と称して警察に暴力を振るう学生らを、出来ることなら明日にでも機動隊に志願し、一人残らずガス銃で倒してやりたいとさえ思っていた。また著者はベトナム戦争に日本は加担しているという「加担の論理」を無条件で支持し、共産主義者によるベトナム解放闘争を無条件で善なるものといまだに考えているようだが、ベトナムの共産化がいかにベトナムの人々を不幸にし300万人近いボートピープを生み、多くの人々に犠牲を強いたかということにはまったく関心を払っていない。その鈍感さにも吐き気を催した。著者曰く、著者は幼少期「丸」を読みふけった軍国少年だったという。私はサヨクは実は日本を負かしたアメリカ人が嫌いな攘夷論者だと疑っているが、その仮説に、著者の記述は符合した。

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2006/09/29 22:48

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2006/09/25 00:19

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2020/09/05 04:37

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