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錨のない船 上 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー2件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

暗号は解読されていた

2016/07/03 04:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:garuhi - この投稿者のレビュー一覧を見る

第二次世界大戦(大東亜戦争)の勃発の直前にルーズベルト大統領・ハル国務長官を向こうに回し、平和交渉を行う外交官来島平三郎の苦悩を、ノンフィクション的フィクションという手法を通じて書き上げた大作として、本書は重厚であり、重い主題が畳みかけるように読者に迫ってくる名作である。それとは別に評者は、以前より、真珠湾攻撃・パールハーバーアタックがアメリイカ=ルーズベルトによって仕掛けられた謀略であるとする説をとっている。その根拠として、日本軍の暗号がかなり以前よりアメリカ軍によって解読されていたとする説を真実と考えている。なぜなら、ヒットラー・ドイツの宣戦布告は常に電撃作戦の後になされていた。にもかかわらず、日本軍の奇襲だけが卑怯なジャップの行為として非難されるのは、歴史的事実として不自然である。参戦に消極的であったアメリカの世論を一気に開戦に持って行くために、ルーズベルトは真珠湾攻撃=奇襲に日本軍が出てこざるを得ない経済制裁等の環境を作り、その奇襲を暗号解読を通じて重々承知していたにもかかわらず、わざと日本軍に攻撃させて、アメリカ世論を一気に開戦に持って行くための策謀であったと、評者は信じるものである。勝手な言いぐさだが、本書によってそれが多少裏付けられたと思うものである。いわゆるリアリズムの勝利である。大東亜戦争を再考する上での良書である。

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紙の本

錨の無い船は太平洋を漂う

2024/03/27 15:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:森の爺さん - この投稿者のレビュー一覧を見る

先に亡くなられた加賀乙彦氏は戦争がらみで本書と「帰らざる夏」という太平洋戦争に関係した小説を残しているが、本書には戦前の外交官である来栖三郎とその一家という実在のモデルが存在している。
来栖三郎は日米開戦直前の和平交渉において、野村吉三郎駐米大使を補助する使命を帯びて米国に赴任し、駐米日本大使館では異例ともいえる2人大使態勢で交渉に臨んでいる。駐米大使館勤務経験があり、かつ米国人女性アリス夫人と結婚している来栖に外務省としても期待していたものらしいが、来栖自身は親英米派でありながら日独伊三国同盟締結に駐独大使であったことから、皮肉なことに米国からは親独派と見られていたことから逆効果になった。
本書の主人公はその来栖三郎の息子である来栖良であり、モデルと同様に小説の中でも陸軍のパイロットという設定となっており、日本が太平洋戦争への道を進む中で、日米両国にルーツを持つ主人公の周辺も暗い影がさしていき、国民感情が反英米に流れていく中で、外交官である父親は滞米戦争回避に奔走するが実らずに開戦後交換船により帰国し、主人公である息子も帝国軍人でありながらその風貌から白い目で見られるようになり、開戦後戦争が不利になっていく中で、その風貌故に命を落とす。
ただし、その死は実際の来栖良は飛行機のプロペラに巻き込まれての死なので、完全に加賀氏によるフィクションであり、終戦後の主人公の姉の再婚も実際には日本人では無く米国軍人である。確かに後書きで加賀氏は本書をフィクションとしているのだが、家族構成も同じで日米ハーフでありながら陸軍のパイロットとなったのも同じなので実際との区別が付きにくくなっており、読者に誤解を与えかねないものである。
本書の題名については、主人公による「何故自分を日本人として育てたのか?」という問いかけにたいする母からの「お前をいかだの無い船にしたく無かった。」という会話によると思うが、それでも主人公は日米両方の間で漂う自分の孤独を感じてしまうのである。
なお、主人公のモデルである来栖良には妻との間に忘れ形見となる一人娘がおり、長じて結婚した相手が元プロ野球選手・監督となった故星野仙一氏である。来栖良の姉と妹は米国に居住している(存命かどうかは分からない)現在、日本在住の来栖三郎の子孫は星野仙一氏の子孫となっている。

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