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紙の本
2つの世界を行き来した人が味わう感情
2008/12/17 14:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者本人もビックリの第3巻らしい。あとがきで触れているが、もともと第1巻だけのつもりが続いているそうである。となれば第2巻で主人公が変わったのも、本巻のような物語になったのも頷ける。まず整理しておかなくてはならないが、吉香も真琴も千尋も元に戻っている。本巻は、メイド達もその主も元に戻った後の出来事、つまり後日談である。本シリーズの主人公は完全に佐倉家のメイド、すなわち吉朗から吉香にシフトしている。そして今回誰が入れ替わったかというと、執事兼運転手の東金さんの甥という、一見何の関係も無さそうな人なのである。だが、この甥の想いを通して、この世界へ来た人、この世界へ戻ってきた人、それぞれの心情が語られていく。向こうで出来なかった事が出来る嬉しさ、向こうで出来た事が出来ないもどかしさ、それぞれの立場でそれぞれの葛藤を浮き彫りにしながら何が正しいのかを導いていく秀逸な展開である。中身が替わっていては本当では無い。今の自分、本来の自分の気持ちを大切にするというメッセージである。それに気付いた甥(の中の人)が元の世界に戻った後のエピローグでは、全てが元に戻り新しく変わっていく佐倉家の様子が暖かく描かれており、本シリーズが大団円を迎えたことを感じさせている。少なくとも作者がそのつもりで書いている終わり方である(実際はこの後さらに2巻出ることになるのだが)。なので本巻で少し滲み出てきた真琴の吉香への想いなど、2人の恋模様をもっともっと読ませて欲しかったのだが、それは次巻と最終巻でのお楽しみとする。
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