紙の本
放課後の恋に効く、せつなさを癒す処方せん
2011/01/27 17:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩集「風は君に属するか」は、
感情が理性を支配してしまいそうになったときに
服用するとよいでしょう。
あなたの感情にはげしく共感してくれる、
または感情を分析してくれることによって、
どうにもならない焦燥感をやわらげます。
人によっては涙腺を刺激する場合があります。
以下、効能の一部および成分を
いくつか例に挙げます。
〈放課後の恋のはじまりに〉
・『明るい返事』・『感情とハチミツ』
〈好きな人と廊下ですれ違ったときに〉
・『植物』
〈好きな人をはじめて自転車の後ろに乗せたときに〉
・『局面』
〈友だちとけんかしてしまったときに〉
・『きのうは』
〈お弁当をトイレで食べたくなったときに〉
・『赤い岩』・『荒野』
〈学校に行くのが憂鬱になってしまったときに〉
・『そこにいる自分を想像した』・『中屋上』
〈親子関係のトラウマに〉
・『決着』・『薔薇色の孤独』
〈眠れない夜に〉
・『淡いすみれ色』
〈詩を書きたくなったときに〉
・『苔色のノート』・『おぎなう』
〈小説を書きたくなったときに〉
・『君は理解しようとする』・『なにもわからなくなった』
〈ペットロスに〉
・『流星の帰り道』
〈すべての悩みに〉
・『秘密』・『祈るように願う』
いちどに多用すると感情の増幅により
よけいに落ち着かなくなる場合があります。
できれば、携帯、パソコン、テレビなどのスイッチを切って
しずかな環境で服用して下さい。
すこしずつ繰り返し服用することにより、じわじわと
理性と自制心を取り戻していくことでしょう。
紙の本
銀色夏生ファンにはたまらない
2016/01/20 00:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:fumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう20年以上銀色夏生ファンです。
この詩集も銀色ワールド全開で、静かな場所でじっくり読みたい本です。
読み終えると、リラックスして心が安らぎます。
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久しぶりの銀色夏生さんの新作詩集ということで楽しみに購入。前にどこかで読んだことのあるフレーズ?と思う詩もいくつかあったけどやっぱり心に響くモノはたくさんあった。ピュアに戻れるステキな瞬間。銀色夏生さんの詩って情景をすぐに思い浮かべられるのが好き。感情移入できるのが好き。
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わかりあえない相手に同意を求めるのはやめよう
謝罪も涙も悔恨も 求めて救われるわけじゃない
―「決着」
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言葉がすてき。
わたしのこころにすっと入ってきてさらっていってしまうよう。
こんな言葉をあふれさせることのできる人がとてもうらやましい。
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もともとどこか翳りのある
閉塞感漂う言葉を紡ぐ人だけれど、
今回は特に、重たく暗く閉ざされた世界で
自分の心の深淵を覗き込むような
内省的な詩が多い。
どこまで咀嚼して飲み込むか、
飲み込めるのか、
読み手の状況に左右されるものばかり。
印象に残ったのは表題作。
それからいくつかのフレーズ。
私は、自分に属する風を持ち続けたいと思う。
それは誰かを従えるということではなくて、
周囲を巻き込むということでもなくて、
自分の正義を信じて生きていけるように。
飛ぶように駆ける君
君のまわりの疾風が草原を歪ませる
風は 君に 属するか
それとも 野に属するか
─「風は君に属するか」
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言葉ので表現を大切にしているブログで知った、銀色さん!
何冊か読んだうちの、一冊・・
表現がストーレートだと感じたことと、心の寂しさ、失った愛などの作品が・・今の自分自身には響かなかったかな・・と!
明日へとつながる言葉との出会いが、欲しいです!
最後の「建物の夕焼け」が、今の心情と、重なったかもと思います。
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帯タイトルは、
「誰かと向き合うことは、
こんなにも、切なく、愛しい。」
いやあ、
久々に読み返しました。
私にとって詩は、
どれだけ
想像できて
感じるコトが出来て
共感できるか。
そのときの自分にピッタリのものを探すような。
たった数行に
たーくさんの感情や想いが込められてる。
気持ちのかたまりのようなもの。
今は、
あの人のことを想いながら
苦しいけど大切に読もう。
「思っても、
思っても、
届かない思い。
かなわない思いをかかえて、
今日も生きて行く。
どうして、
あなたという人が存在するのだろう。
神様はなぜ、
こんなにもかなわない思いをさせるのだろう。
なにかの罰のようです。
どれほど考えてもわからない。
忘れることもできない、
かなわぬ恋。」
何処にいるのかも、
何をしているのかもわからないのに、
思わずにはいられない人。
そろそろ、
決着をつけるべきなの。
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自然の流れを見てるようで人の感情がそこにあるそんな詩たち 「虹」と「薔薇色の孤独」は繰り返し読んだ
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好きな作家さんが出した新しい詩集。
開けたその瞬間、緑の匂い~。
銀色さんの詩は、昔も今も緑の匂いがします。
ひとつの恋に見切りをつける瞬間だったり
自分が一歩踏み出す瞬間だったり
そういう一瞬を切り取る天才だと思います。
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大好きです。まわりの様子や心の動きなど、小さなことに気付くこと、大切にしたいと思います。『夏の岬』が特に好き。ふと浮かんだ言葉の、美しさ。
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澄み渡る風のように、すがすがしくなれる詩の数々。
私の、銀色夏生デビュー作品にして、大好きな詩集。
他の作品も読みたいと思わせてくれました。
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2010年刊行。中高生のバイブル、銀色夏生詩集。
恋の詩が多い印象がありますが、この詩集は、冒頭の「建物の朝焼け」とそれに続く連作詩で重々しく始まり、途中軽妙なもの、内面的なものを挟みつつ進む。
「静かに暗い気持ち」で内省はピークに達し、フィナーレの「建物の夕焼け」までは大きく解放された明るいしで終わる、ストーリーブックのような詩でした。
小説ばかり読んで、詩を読んでこなかった中高生時代を少し残念に思う詩集でした。
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最近読む銀色さんの詩が心に響かない。
作品のせいか、自分の気持ちのせいか。
前はこんな風じゃなかったと、いくつか読み漁っている。
本作は詩集だが、文の長い詩が多い。
あまり語りすぎな文章が好きではないので、今回もいまいち。
「細い月の足取り」と「風は君に属するか」はよかった。