電子書籍
殺人の告白を記したノートと母が入れ替わった記憶
2022/03/15 22:06
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投稿者:しん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日主人公が父の書斎で見つけたノート。そのノートには、人を殺すことが心のよりどころになっている人物の告白がつづられていた。その人物がどうなったのか、続きが気になってしかたなく、一気に最後まで読んでしまった。主人公の、入院から退院してみたら母が変わっていたという記憶、失踪した主人公の婚約者・・・こうした様々な事件が最後に解決に向かうたたみかけるような展開が飽きさせない。
紙の本
ユリゴコロ
2020/04/30 21:24
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレ。
読んでいて止まらなくなった。
細谷さんが母親だということは後半になるにつれ気づいていくけど、それでも続きが気になって読み進めてしまう。
ユリゴコロ(拠り所)があるのって本当に大切なことなんだ。
人を殺すことがユリゴコロだったみさこが、愛を知って(って陳腐な言い方だけど…)本物の確固たるユリゴコロを見つけたのだな、と思った。
まぁ巻き込まれたまわりは大変だけど。
電子書籍
重なるふたつの世界
2019/12/13 13:04
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
今現在の婚約者の失踪の顛末と謎めいた告白ノートが、交互に映し出されていくのが面白いです。無関係に見えていたふたつの事件が、ひとつに収斂するラストも圧巻でした。
紙の本
家族とは
2017/09/26 16:14
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投稿者:ゆんゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
先はなんだなんだ!って感じで続きが気になってしょうがない。
でもちょっとグロテスク。
衝撃の結末。
紙の本
これも愛のかたち
2016/02/26 18:48
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
パリの友人から勧められて。初めての作家さん。どうだろうなーと思いながら読みはじめたけれど、あっという間にのめり込んでしまった。ちょっぴりサイコでホラー。そこまではこわくないんだけど。発想もトリックもなかなか面白いけれど、道尾さんの「カラス〜」を読んだ後だったので、それ以上の驚きがなかったのが残念。カラス前に読めばよかったな。ある奇妙な家族の物語。これも愛情の形になるんだろうなあ。だいぶひねくれてはいるけれど。亮介と洋平のおばあさんがくったくなく笑うシーンにほっこり、最後アナタと彼女が旅にでるシーンは秀逸。
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主人公が実家の書斎で発見した4冊のノートに記された、謎めいた手記からストーリーは始まる。
『イヤミス』にカテゴライズされることが多い著者ではあるが、真梨幸子や湊かなえに比べるとすっきりした終わりを迎える傾向があるように思う。この『ユリゴコロ』も、一種のハッピーエンドと言えるラスト。
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「ユリゴコロ」と題されたノート。
まずその内容に引き込まれました。
続きが読みたくて読みたくてまさに一気読み!!
最初殺人の告白手記から始まりますので、ダークなんですが最後まで読むと「あれ?なんだこの清々しさは。。。」ってなりました。
今まで読んだ沼田作品にはなかった読後感(笑)
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ユリゴコロと題された殺人の告白文が書かれた4冊のノートを見つけ、その真相を主人公が探ろうとする話。
告白文の内容がグロテスク。
でも、最後に真相が分かり、ある意味ホッとする。でも、何だかせつないなぁ〜。
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瀕死の犬をどこかへ運び、戻って手を洗いながらいつもと同じ微笑を浮かべる…たった数行のこの文章で、細谷さんの印象がガラッと得体の知れない怖いモノに変わった。その怖さを引きずりながら辿り着いた結末に呆然。けれど涙ぐむ感動がある不思議。まさに「家族の愛の歴史。憎しみはどこにもない」という弟の言葉に集約される。
二人にしかわからない狂おしい愛、母の愛、家族の愛、異常さの中に様々な愛が溢れている希有な作品。
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主人公が実家で見つけたノートに克明に記されていたのは、どうしようもなく歪んでいる女性が、ユリゴコロに翻弄されて殺人を繰り返した後に、狂おしいほどに一人の男を愛した様を描いた生の記録であった。読み進めるにつれて肌が粟立つのがわかった。冒頭から中盤までの暗鬱な印象を受け、どんな陰惨な結末が待ち受けているのかと気が気ではなかった。けれどラストは目を背けたくなるようなものではなく、ほうと一つ息を零してしまうようなやさしいものだったように思う。歪んだ女と歪んだ男。そのひずみが丁度パズルのピースのように合致して、作り上げたのはしあわせのかたちだった。この作品がどういうものかを語るにはとてもではないけれど言葉が足らない。読まなければわからない何かが確実にある。
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最後に、ええええー、そこー!!
ってなった。
冒頭のぬめぬめした感じとか、
暗い感じが少しだけ救われたラスト。
でもちょっと現実味がないかなぁ。
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ネタバレ注意です。
あのノートに書かれている告白、狂人界の中では割とあり触れた内容だなあ、なんて思っていました 笑
けれど、ただの殺人快楽者として終わらず、きちんとキャラが乗ってて良かったです。
それから、その告白の終わりにもう一つのどんでん返し。おおスゲえと思いました。なんの疑いも持たなかった。
終わりも綺麗だし、読んで損はないです。
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気色悪い本。
ラストは鳥肌がたって、すごい!と思ったけど、やっぱ気色悪い。
何を思ってこの本を書いたんやろうか。
ただ、出産前に読んでたらすごーいで終わってたとは思う。
母親は何のうのうと生きてんの?って腹立った。まあのうのうではないんやけどさ。
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大ファンの沼田まほかるさんの超話題作が待望の文庫化。
一気読みでした。
物語は、主人公の亮介が立ち寄った実家で「ユリゴコロ」と題された4冊のノートを偶然発見するところから始まります。
そこには、殺人の生々しい告白がつづられていました。
それだけでもうページを繰る手が止まらなくなります。
書き手は誰なのか、自分の母は、家族は…。
おっと、あまり書くとネタバレになるので止めておきます。
そこに亮介自身が抱え込んでしまったトラブルも重なって、読み手を終始興奮させます。
解説の瀧井朝世さんは
「勘のいい読者なら、途中で隠された事実に気づくはずだ」
と述べていますが、鈍感な私は気づきませんでした。
そして、驚愕のラスト―。
してやられました。
私は、まほかるさんの本はすべて読んでいますが、人間が持つマイナスの感情に働きかけて、これでもかこれでもかと抉り出すような描写が著者の真骨頂だと感じています。
本書はそうした執拗なまでの描写がやや影を潜めた感が個人的にはしていて、これまでの作品と比べると淡泊ですが、その分、リーダブルです。
それよりも、不気味な殺人を愛にまで昇華させる手腕は見事というほかありません。
いや、ほんとにすごい、まほかるさん。
次回作も楽しみですっ。
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個人的には恋愛要素が一番強く印象に残る本でした。殺人は決して許されない事だとはわかっていても、完全に否定もできない。特に中盤からの心の揺れが温かくて切なくて、それはもう読んでいて苦しくなるほど。ラストは二人の言い知れない歴史を感じました。なるようになったというか、なるべくしてなったというか。運命だったのでしょうね。