紙の本
富樫綸太郎氏の傑作時代小説です!
2020/07/20 16:24
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「陰陽寮」シリーズや「闇の獄」シリーズ、「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」シリーズなど、話題のシリーズものを次々に発表されている富樫綸太郎氏の作品です。同書は中公文庫からは2巻シリーズで刊行されており、同書下巻の内容は、常勝武田軍を鬼神の如く翻弄した長尾景虎ですが、その強さゆえ、今川、武田、北条を一挙に敵に回して、第二次川中島の戦いでは敗北してしまうというストーリーです。さらに重臣との衝突に倦んだ彼は、突如高野山へ出家してしまいます。再び迫り来る武田軍団を前に冬之助は、景虎こと謙信と共に上杉家をまとめ上げ、己の軍配を振るうことができるのでしょうか。続きは、ぜひ、同書をお読みください。
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201406/最終巻は軍配者達というより、晴信・景虎メインになってしまったのは展開的には仕方ないにしても、やはりいささか物足りず。そんな中、都度都度描写される四郎左一家の物語には何度も泣かされた。結末は、冬之助にそうさせる為に思えて、流れ的には見事な終着点だと思うけど、この世界にのめり込んだ読者としては、そうじゃない結末であって欲しかったー!!でも三部作ともとても楽しんで次々とページめくる手が止まらなかった。
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これにて完結。景虎の下々のものなど関係なし!な振る舞いはどう天才であっても、晴信側贔屓になってしまうなぁ。結果はわかっていても、四郎左には千草や太郎丸のもとへ生きてかえってほしかったし、なんとかならんのか!と思いながら読みました。景虎に到着した暇を乞う冬之助の言葉が胸に染みます。小太郎や四郎左のこどもや孫たちが冬之助のもとで学ぶ日がくればいいのになぁ。
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想像が膨らむ。もっと続きが読みたい。やっぱり、学生時代の友は、いつ会っても当時に戻れる。そんな雰囲気を思い起こさせるような小説だった。
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最後の川中島は誰もが慣れ親しんだあの終わり方だ。けれども、この軍配者シリーズは、風林火山に劣らぬ山本勘助の物語なのかもしれない。
面白かった!
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作中全般で「軍配者=冬之助」の印象はやや薄いかもしれないが…最終盤に友人として知り得る山本勘助の性格や考え方の傾向に鑑みて、「山本勘助の献策」を鋭く読み解き、「山本勘助の最後にして最強の敵」として立ちはだかる場面…頁を繰る手が停まらなくなる…
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とうとう読み終えてしまった、って思うくらい久々に心魅かれるシリーズでした。
最後の第4回川中島合戦は手に汗握る戦いで、結果を知りつつも「どっち?どっちが勝つの⁈」とハラハラドキドキさせられました。
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【上巻と同じ】「信長の野望」や「軍師官兵衛」による歴史熱再燃で、本屋にてジャケ買い。
後で知ったのですが、北条家、武田家、そして上杉家という三家の物語の三部作目だったのですね。最終作から読んでしまって少し残念でした。
題名こそ「謙信の軍配者」とあり、宇佐見定行が主人公のように思いましたが、実際は武田家の軍師・山本勘助が話の中心です。
人物描写もはっきりしていて生き生きとしており、ストーリーも変化に富んで、どんどん引き込まれていきます。
特にクライマックスの第4次川中島の戦いの描写は、臨場感もあって素晴らしかったです。勘助の死も、ある意味淡々と描かれているのですが、むしろその方がリアルなのだろうと思わされました。
惜しむらくは、表題にあるような「軍配者」の軍法が描かれる場面がそう多くはなかった点でしょうか。
とはいえ、読み応えもあって、なかなかよかったです。
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軍配者シリーズ完結。
景虎の天才っぷりや信玄の政治力などがオモテにでてきて軍配者の活躍が少し霞んでしまったような印象。
ただ第四次川中島合戦で完全に勘助の裏をかいた冬之助の采配は軍配者の面目躍如か。
勘助の死が淡白に描かれるのが、やや物足りなく感じたがそれも軍配者の定めと割り切れる。
また著者の北条早雲も機会があれば読んでみようと思う。
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軍配者シリーズ第三弾.風魔小太郎,山本勘助,そして今作の宇佐美定満.幼少時代に共に軍楽を学び,戦場で相見えることを誓う.今までの時代小説とは少し異なる趣の物語に気が付くと魅了されていた.未熟さが残る君主の成長と己が存在理由.そして友との死を賭した戦い.ぜひ読まれたし.
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北条の風魔小太郎、武田の山本勘助、上杉の曽我冬之助。
足利学校で学んだ青年時代の誓い、戦場で軍配者として相まみえることに人生をかけた三人の軍配者たちの物語、ここに完結。
長尾と武田の小競り合いは続いていた。
景虎が京に上洛し、正式に関東管領として任ぜられると、上杉を名乗るべく鶴岡八幡宮を目指す。
関東土豪の数を合わせ、十万の兵を引き連れて関東から相模へを向かう先には北条の小田原があった。
一方、武田は景虎不在の隙を縫い、信濃守護の名のもとに北信濃内に残る越後勢の城、砦を落としていった。
そして長尾が信濃に打ち込んだ最大の楔、飯山城に軍を進めると、景虎は小田原を放棄して越後に戻ってきた。
上杉と武田の戦いのクライマックスにして戦国最大の合戦、四回目の川中島の戦いの幕が上がる。
人は必ず死ぬ。
死が近くにあった時代、確かに人の命は軽かった。
しかし、自らの命を燃やすために日々懸命に生きていた。
そして、死して世に何かを残せるか。
三人の目を通しての戦国時代の生きざまが描かれた。
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晴信と景虎、そしてその軍配者である四郎左と冬之助の戦いが描かれる。川中島の戦いが中心となるが、冬之助の存在感が薄い。四郎左の手を先読みしたというだけで、ほとんどが景虎の作戦で戦っていた印象だ。戦を学んだ軍配者よりも戦の天才・景虎が勝っていたということか。それでも三人の軍配者たちがからんだエピソードが語られ、シリーズ完結作としてふさわしい内容だった。
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「謙信の軍配者 下」
軍配者シリーズの最終章
武士はなぜ戦ばかりしていたのだろう?ふと最終章読んでて不思議になってきちゃって。
自分たちの領土を広げ多くの年貢を取り豊かになって、百姓にも楽させて。。。
いろんな理由があるけど、武将同士が憎み合う。凄まじく。理解できない。和睦を結んでもすぐ反故にして戦う。その度に多くのものが死ぬ。
最後は3人の軍配者達はそれぞれの御屋方様について幸せだった。三者三様の生き様。
最後は涙涙でした。
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戦場で相間見えん。
不遇の時を越えて、それぞれが仕えるに値すると思える主に仕え、やっと戦場で会えるまでに40年。シリーズをずっと読み進めたらなんとも感慨深いなぁと。戦のない今の世の中では、仕事が戦のようなもので、だから兵法の本を会社人向けに書いた本とかがでているんだと思うけど...仕えるとまでは言わないまでも、そもそもともに戦いたいと思える存在を探すことの方が、難しいな。
だとすれば少なくとも、誰かからそう思われる自分であらねばなるまいなと、そんな全然関係ないことを思ったのでした。
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これは壮大な学園モノだ。北条、武田、上杉とそれぞれの元で活躍する3人。その礎にある足利学校。小田原、川中島で戦い傷つき斃れ、最後にたどり着くのも足利学校なのかも。3人の男っぷりにもやられた。