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古事記、日本書紀の記述を紐解きながら、日本の男性観、女性観の特徴を諸外国と比較する。1976年に「正論」に掲載された文書に基づいており現代と時代背景が異なる部分もあるが、古来からの日本人の根底に流れる考え方について興味深い考察をしている。
イザナギノミコトとイザナミノミコトの話から男女相補的な考え方。そこには、一神教の前提としている男尊女卑の考え方は全くない。ただし、性行為において、女は男に従うべきということが神の指示として受け止められている。
男は闘い、女は楽しさを供する、分業ができている。
伊勢神宮に祭られている、アマテラスオオミカミは、イザナギノミコトの左目から生まれた女神で、代々、皇女によってまつられている。
古事記や、日本書紀は、戦後、顧みられなくなっているが、史実として読むことにより、日本人のルーツに流れているものが見える。
命を懸けての戦いに夫を送り出す、妻の愛情。
今の初回では、夫が命を懸けて外に出ている状況ではなくなってしまい、女性の役割も変化してしてきている。
アメリカのウーマンリブは、日本よりもずっと権力のないアメリカ家庭での主婦の復権の動き。そもそも家庭で実験を持っている日本にはそぐわない考え方。
家庭の役割が変化している、これからの日本の意識のへの危機感から、古事記、日本書紀が教える禁忌、推奨を大事にすべきと主張している。