紙の本
丁寧に描かれ、情緒ある作品に仕上がっている。
2015/09/17 16:49
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝顔同心興三郎の若かりし時の話。「一朝の夢」では興三郎の最期まで語られてるいるから、これは完全に過去の話になる。雰囲気はだいぶちがうが、これはこれでおもしろい。
後半、人物が入り乱れてややまとまりがなくなったきらいはあるが、割と現実味のあるまとめ方だったのがよかった。
背景の描き方として、前作では井伊寄りだったのが今回のはどちらかというと開国派寄りに感じた。この中立性は興味深い。
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【清張賞受賞作の姉妹編、あさがお同心再び登場!】植木職人の殺害と大地震直後に続く付け火。朝顔栽培が生きがいの興三郎は、無関係に見えるふたつの事件の裏に潜む真実を暴けるのか?
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2015.9.11
朝顔同心 の続巻
だけど、前回の続き、ではなく、以前の話。
朝顔を巡る巡る巡る話。
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202112/朝顔同心・中根興三郎シリーズ、刊行は『一朝の夢』『夢の花、咲く』の順で、物語の時系列は『夢の花、咲く』が『一朝の夢』の前日譚にあたる5年前の物語。なのでこちらを先に読んでも違和感ないけど、自分は『一朝の夢』の結末知った上で読むほうがより心にくると思うので刊行順がおすすめ。謎解き的には前作よりこちらのほうがミステリ色強めな感じ。今作では安政の大地震が書かれているので、やはりあの震災時を、あの時の無力さや罪悪感を、思いながら読んでしまう。物語を通して改めて感じる、歴史に学ばず同じ過ちを繰り返す人間の愚かさと、それでも乗り越えて生きていく逞しさしたたかさ・忘れることができるからこその強さ。ページ数以上に濃度の高い物語だった。
一朝の夢
https://booklog.jp/item/1/4167824019
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朝顔に魅入られた人々が織りなす悲しいさ。主人公も現代ならさしずめ朝顔オタクと、皆に一線を引かれてしまうタイプに見えるし行動が伴わないイライラを感じる時もある。けれど、事件の真相に近付いて行くにつれ、周囲の暖かい見守りの中で変化して行く。それを成長と呼ぶのかはわからないが自分の能力の中で一生懸命できることを行う姿は、現代の殺伐とした自己責任ばかりを問う人に、できることをできる範囲で行っている人を批判する権利があるのかと突きつけているような気もする。