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結論から言えば、最後まで読みとおして良かった。
眠くっても面倒でも、毎朝きちんとラジオ体操に通うと
夏休みの終わりには何がしか(ショボいながらも)ご褒美もらえたでしょ?
そんな感じ。
うん。全体的になんとなく夏休み味。
沖縄が舞台だからかな?
前半の、空想小説のような 子どもの冒険小説のような 面白くないコントのような
そんな部分をがんばって読み通せば
その面白くない(と私には思われた)ところこそが、後半でミステリとして機能してくるよ。
なぜ 一見つまらない禁忌を設定したのか
なぜ そうまでして秘密を守らなければならないのか
なぜ 自己犠牲を厭わずに村を守ろうとするのか
なぜ キャノン砲が信仰の対象になったのか
たくさんの「なぜ」が読み進むにつれて明かされてって ね。
その起源がかなり切ない。
ただ、前半はお遊び的な描写も多くって
そこが面白いならともかくあんまり面白く感じれなかったから、冗長に感じてしまったんだな。
『お遊び』部分がもろ私の世代だったりなんで、つい厳しい目で見ちゃうのかな?
いっそのことすぱっと削って、さくさく読めるようにしてほしいなぁ と。
主人公の何人かは小学生だし
いまよりももっと若いときに読んだら、もっと面白く感じたのかなぁ?
う~ん…。
ぃや…。
いまだからこそ響いたのかも。
夏休みがいつかは終わること
切なさを伴って思い出せる年令だから。
世代交代を肌で感じることのできる年令だから。
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沖縄が舞台ということと表紙に惹かれて購入。
序盤はコミカルだったけど、登場人物に愛が持てなかった。
でも島が危機に立たされてからは、どの登場人物も島をほんとに愛してるんだなって思えて泣きそうになった。
大切なことがたくさん詰められた本です。
樹王と博士が切なかった。あと雄太が「泰典ニーニー」って呼ぶのがかわいかったww
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沖縄返還交渉の際の日米政府の密約文書やら普天間に纏わる鳩山首相の腹案やら、沖縄を巡る話題には事欠かず、それもこれもあの戦争からずっと引き摺っている訳で、そしてこの本も、戦争の時に残された帝国陸軍の九六式カノン砲を守り神として崇める沖縄の小さな島が舞台。
村を統べる3人の老人とその孫たち、描かれる島の風景は極彩色で彩られ濃厚な南の島の雰囲気を伝えるが、そこへ村の開発を企む美女や怪しげなアメリカ人が乱入くる前半はちょっとおちゃらけた文章ともどもいささか読みにくい。
繁栄と引き換えに老人たちが人生を投げ打って守ってきた島の秘密が徐々に明らかになっていき、戦争を語ってなかなか興味深い話の作りながら、もうひとつ引き込まれなかったのは敵役や周辺の村人の描写が薄かったからか。
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後半からの徐々にこれまでの歴史と秘密が明らかになっていく展開から熱さが増す 池上氏の沖縄小説はどれも濃い
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帝国陸軍が配備した96式カノン砲を中心に繰り広げられる沖縄某村の危機と救済劇。風車祭とシャングリラの中間に位置する作品と思うが、前者の清々しさ、後者のいい意味での支離滅裂さがない。ストーリーは良く出来ていて、巫女である老女を始め全ての登場人物のキャラが立っている。しかし、さほど好きになれぬ作品だった。中途半端な読後感。また、人が簡単に殺される場面が数カ所あり、その点も後味が少し悪い。もうちょっとで傑作になったであろう惜しい作品。
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豊かで美しい村の守り神は何故か旧帝国陸軍の九六式カノン砲「キャノン様」。
ハチャメチャ度がかなり高い!
後の「レキオス」や「シャングリ・ラ」の原型となった可能性もあるかも?
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帝国陸軍が配備した九六式カノン砲を「キャノン様」と崇める沖縄のある村。
戦後、独自のしきたり、組織、経済力で村を復興させ守り続けてきたマカト、チヨ、樹王。
豊かで眩しい村に入り込む不穏な動きと共に、村の平穏は乱されていく。
前半は、楽しみながらも感情移入しにくいのだが、マカトの孫の雄太と仲間達3人が、過去の真実を知る辺りから一気に入り込めた。
アニメで映画化されそうな作品。