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投稿者:乾 辰巳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代の人達の思いに触れようと、でも情報量が半端ではないので、少しずつ読みました。
この巻では十一から十六が収められていますが、自分は十五の中臣朝臣宅守が妻と贈りあった歌が一番印象に残りました。
恋の歌、人を思いやる歌といっても形だけにしか感じられないこともありますが、
この夫婦は違うな、とまぁ実際のところは分かりませんけど、そう感じました。
他には巻十四の東歌の型にはまらない武骨な歌や、
現代でも面白いと思える巻十六のユーモア溢れる歌もよかったです。
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(「BOOK」データベースより)
『万葉集』全20巻は、志をもった古代人たちが、自分たちが日本人であることを意識しながら、あるいは無意識ながらも真摯に向き合い、総がかりで生み出した公的で壮大な歌集であった―。4分冊第3巻の本書では、古今相聞往来歌集を収める巻11と巻12、大和圏の長歌の巻13、東国の短歌を集めた著名な巻 14、他の巻には類のない2つの長編歌物語集によってなる巻15、異常な因縁に支えられたおもしろおかしい短編歌物語の巻16を収載。
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巻11・12まで来ると,古歌に比して,類想が多く,飽きた感じがある。巻13以降はそれぞれ特色があって,飽きずに読める。
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万葉集 3
新版
現代語訳付き
訳:伊藤 博
角川ソフィア文庫
日本最古の和歌集
天皇、貴族、官吏、防人、芸人、農民、東歌など、さまざまな階層の人々の歌の集大成である
万葉仮名という漢字で記載されてており、のちの仮名につながっていく
原本があり、時代の歌集が追加されて成立した傾向があり
由来 さまざまな説がある
①万の言葉、②万年続いていく、③万人の歌、③万頁の歌集 等々
構造
20巻、漢文1,漢詩4,重出歌3,和歌4541(含む長歌)
収録 仁徳朝~奈良淳仁帝天平宝字3年(759年) 350年 編者 大伴家持が有力
各書では、歌がイベントごとに群としてまとめられている。その前後に解説が付記されている
大きく2部に分かれる
1部は、744年までの歌の集合であるが、2部は746年以降の歌
1部は、部立(雑歌、相聞、挽歌等)があるのに、2部にはない
1部には、様々な資料による校合(突き合わせ)があるのに、2部にはない
1部(巻1~巻16)
<作者記名の部:巻1~6>
巻1・2 白鳳の歌 巻1:雑歌、巻2:相聞 古歌巻という
巻3・4 白鳳からもれた歌、奈良朝の歌 古今歌巻という
巻5・6 奈良朝 雑歌 今歌巻
<作者無記名の部:巻7~12>
巻7・9 三部立(雑歌、相聞、挽歌)
巻8・10 四季区分
巻11・12 古今相聞往来歌集
<無記名部:第13~16>
巻13 大和圏の長歌
巻14 東国の短歌
第15 特殊な歌、長編歌物語
第16 特殊な歌、由縁有る雑歌
2部(巻17~巻20)
巻17~20 時系列的、部立なし、古今意識無し、歌日記的歌巻
部立(ぶだて)等
雑歌 相聞歌・挽歌以外の歌
相聞歌 男女の恋、親子の情
挽歌 死者を悼む歌
反歌 冒頭の長歌に、応じる短歌
譬喩歌 人間の姿態、行為、感情を事物に例えて述べる歌
旋頭歌 初句をめぐらす歌
東歌 東国の歌
防人歌 巻13,14,20に収録
<万葉集3>
巻11,12は相聞、巻13は長歌、巻14は東歌、巻15,16は不思議な船物語と、歌合戦
旅にまつわる、相聞と挽歌、日本人のこころは千年を経ても少しも変わっていない
上の句を詠い続いていく、旋頭歌
巻十一(2351-2840)
2358 何せむに命をもとな長く欲りせむ生けりとも我が思ふ妹にやすく逢はなくに(よみびと知らず)
2368 たらちねの母が手離れかくばかりすべなきことはいまだせなくに(よみびと知らず)
2372 かくばかり恋ひむものぞと知らませば遠くも見べくあらましものを(よみびと知らず)
2383 世の中は常かくのみと思へどもはたた忘れずなほ恋ひにけり(よみびと知らず)
2526 待つらむに至らば妹が嬉しみと笑まむ姿を行きて早見む(よみびと知らず)
2548 かくだにも我れは恋ひなむ玉梓の君が使を待ちやかねてむ(よみびと知らず)
2597 いかにして忘れむ��のぞ我妹子に恋はまされど忘らえなくに(よみびと知らず)
2629 逢はずとも我れは恨みじこの枕我れと思ひてまきてさ寝ませ(よみびと知らず)
2736 風をいたみいたぶる波の間なく我が思ふ妹は相思ふらむか(よみびと知らず)
2820 かくだにも妹を待ちなむさ夜更けて出で来し月のかたぶくまでに(よみびと知らず)
巻十二(2841-3220)
2850 うつつには直には逢はず夢にだに逢ふと見えこそ我が恋ふらくに(よみびと知らず)
2864 我が背子を今か今かと待ち居るに夜の更けゆけば嘆きつるかも(よみびと知らず)
2921 たわや女は同じ心にしましくもやむ時もなく見てむとぞ思ふ(よみびと知らず)
2932 心には燃えて思へどうつせみの人目を繁み妹に逢はぬかも(よみびと知らず)
巻十三(3221-3347)
3259 かくのみし相思はずあらば天雲の外にぞ君はあるべくありける(よみびと知らず)
3277 寐も寝ずに我が思ふ君はいづくへに今夜誰れとか待てど来まさぬ(よみびと知らず)
巻十四(3348-3577)
3510 み空行く雲にもがもな今日行きて妹に言どひ明日帰り来む(よみびと知らず)
巻十五(3578-3785)
3601 しましくもひとりありうるものにあれや島のむろの木離れてあるらむ(よみびと知らず)
3602 あをによし奈良の都にたなびける天の白雲見れど飽かぬかも(よみびと知らず)
3647 我妹子がいかに思へかぬばたまの一夜もおちず夢にし見ゆる(よみびと知らず)
3687 あしひきの山飛び越ゆる鴈がねは都に行かば妹に逢ひて来ね(よみびと知らず)
3693 黄葉の散りなむ山に宿りぬる君を待つらむ人し悲しも(葛井子老)
3714 秋されば恋しみ妹を夢にだに久しく見むを明けにけるかも(よみびと知らず)
3719 草枕旅に久しくあらめやと妹に言ひしを年の経ぬらく(よみびと知らず)
3739 かくばかり恋ひむとかねて知らませば妹をば見ずぞあるべくありける(よみびと知らず)
巻十六(3786-3889)
3813 我が命は惜しくもあらずさ丹つらふ君によりてぞ長く欲りせし(車持娘子)
目次
万葉集1 巻1~巻5
万葉集2 巻6~巻10
◎万葉集3 巻11~巻16
万葉集4 巻17~巻20
ISBN:9784044087036
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:512ページ
定価:971円(本体)
発行年月日:2009年12月
発売日:2009年12月25日初版発行