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やはり、新聞・のコラムの方が切れ味あり。前作のチャイナナインが、様々な人物を描写しなくてはならなかったため散漫になっていたが、今回は焦点が絞れていてよみやすい。後半はスパイ小説として読むのが良いかも。
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2012年の秋の中国共産党の10年に一度の最高指導部の交代を控え、中国国内で激烈な権力闘争が行われており、2012年の3月に「薄熙来」の失脚がマスコミを賑わしていたが、その複雑な背景事情を本書は実に詳細に調査している。
著者は「チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち」において、わかりにくい国である中国の内情を詳細に解き明かしており、その並々ならぬ調査能力には敬意を持っていたが、本書もそれにふさわしいものと言えると思う。
しかし、どうも本書での解析は「推理」の部分が多すぎるのではないか。
「薄熙来」の「男の生い立ち、不倫婚」「大連時代」「遼寧省時代」「重慶時代」等の経歴の調査と当人の「キャラ」は、どうやって調べたのかと驚く程、詳細かつ鮮明である。
そして、今回失脚することになった理由と、失脚にいたる中国共産党内部の権力闘争の実態の推測も説得力があり、興味深い。
しかし、確認するすべはないにしろ「薄熙来」とその妻の犯罪行為についての状況証拠を駆使しての「推測」は、ちょっと勇み足ではないかと感じた。
また、本書での「権力欲」の権化のような「薄熙来」の行動とキャラが、日本人からみてスムーズに理解しやすい点も違和感を感じる。「中国人」は、もっと日本人とは違ったメンタリティーを持っているのではないだろうか。
本書は、「薄熙来」事件の解明を通し、中国共産党の実情を知ることもできる点も評価でき、「赤いノスタルジー」や「紅机子」「裸退」などの多くのエピソードも興味深いが、本書の主題である「チャイナ・ジャッジ」(中国共産党最高指導部の意思システム)や「薄熙来」事件の真相の最後の結論が「整合性のある推論」とならざるを得ない点でちょっと不満を感じた。
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面白いのと、中国の考え方に接することが出来る稀有な本でした。チャイナナインと合わせて読むのをオススメします。
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遠藤誉氏の新作
イギリスのスパイ舞う中で散って行った、簿熙来と谷開来の哀しいストーリー
簿熙来事件の真相と、谷開来の殺人動機究明
「裸官」子供を海外に留学させ、お金も妻も海外に送って、自分自身は真っ裸の状態で官位にいる」
腐敗に状態に染まっていく、もし自分だけ賄賂を受け取らないと孤立する、裁判官には賄賂や貢ぎ物、共産党幹部の腐敗行為の大半、汚職賄賂犯罪、
幹部の子女がハーバードなどアメリカの有名大学に留学、
「スパイ」と「チャイナマネー」
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面白い!事実は小説よりも奇なり・・・。
09年に重慶、成都に行った時に、じっとりと湿っている重慶と、からっと脳天気な成都との違いに驚かされた理由が少し分かった。
毛沢東になれなかった男を通じて、中国共産党の集団指導体制が如何に強固であるのか、奥深いのかということが分かる。その中で、仕事をしているということは、甘くないなと再認識させられました。
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ちょいちょい著者の自己アピールを挟まないといけないという誘惑に著者は勝てないらしく、著者の我の強さに笑ってしまった。その自らを自らでプッシュすることに躊躇いを覚えないのが中国なのかとも感じた。
恥ずかしながら、中国の指導体制は共産党の支配体制だとは知っていたが、彼らがなにをして、どのように国が成り立ってるのかはまったく知らなくて、ものすごく勉強になった。
おそらく薄氏のような偏った者は少ないだろうが、中国人が海外に居を移す理由が透けて見えたし、政府が信用できないというのも頷けた。
中国恐るべしが非常によくわかった。昼ドラかと思ってしまうほど、俄かには信じ難い事実ばかりで笑えてしまう。だが、そんな人が何百人といる国と日本人とでは勝負にならないし、きっと勝てないだろうと思った。
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中国はすごい国。
著者の高い分析力と自身の体験からくる話は説得力があり、中国という国が少し理解できた。
中国とアメリカは戦争することないな。
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まじやばい・・・
1)文章構成がめちゃくちゃ。構造化がなっていない
2)そして文章が読みにくい
3)事実から導き出される意味合いが論理的に破綻。著者個人の(どうでもいい)感情が混入されまくりで疲れる。。。
40ページ読んでゴミ箱に行きました。
とりあえずお金返して…
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はくきらいについて悪く書かれまくってるバイアスはなくはないけど、中国の権力闘争を見る上で非常に面白い。読んで損はない一冊。
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薄熙来という人物、一連の事件が報道されるまで名前を知らなかったが、上昇志向の強烈さと人望のなさに唖然とさせられる。本当にノンフィクションなのか疑ってしまいたくなるほどだ。前著のチャイナナインを今読んでます。
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中国共産党トップのチャイナナイン(現在はチャイナセブン)が最も重要視することは権力闘争ではなく、中国の国家体制維持。その脅威となる要因に対しては、共青団とか太子党とかの括りは関係なく、徹底的に排斥していくことが、よく分かる。
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面白い!
薄熙来氏といえば、大連市長〜遼寧省長〜商務部部長~重慶市長と歴任され、革命第二世代の御曹司であり容姿も端麗なビジネス感覚をもったやり手の中国共産党次世代のホープくらいに思っていましたが、こちらの本を読んでイメージが180度近く変わりました。
もちろん、この本に書かれていることが100%正しいかは分かりませんし、最後の方は筆者の推理ないしは推測ですので、全てを信じるかどうかは別として、
なぜ突然重慶市長を解任され失脚?
しかも奥さんがイギリス人を暗殺した疑惑??
と、突然の出来事に頭の中が「?」だらけでしたので、この本によって一旦の整理が出来た感じです。それにしても、こんな背景があり、経緯があったとは…
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薄 熙来、中共八大元老の一人薄一波の息子で有りながら文革の際に率先して父親を殴り、倒れたあと蹴りつけて肋骨を折った男。薄一波はその後息子について、この酷薄さと手段を選ばない所について国家指導者としての見込みが有ると評しており、自分が引き上げた江沢民に息子を引き上げるように頼み、2004年に商務部長(大臣にあたる)として中央にデビューさせた。
天安門事件のきっかけは胡耀邦の死だが、失脚させたのは胡耀邦によって名誉を回復させてもらった薄一波だ。この時胡耀邦を守ろうとしたのが同じ八大元老の一人で習近平の父。薄一波は改革解放が進むと息子の出世の目がなくなるため推進派の胡耀邦と趙紫陽を失脚させ、鄧小平に江沢民を推薦し恩を売る。この時改革解放を進めようとしない江沢民を攻撃したのが有名な南巡講話だと言う。
97年の党大会では一票も取れず中共中央委員になれなかった薄 熙来は商務部長が病気のため退任した2004年に江沢民に抜擢される、そして2007年の党大会前に父親の薄一波が亡くなると、これで裏切られる心配がなくなった江沢民は薄 熙来を中共中央委員に入れる代わりに重慶に追いやる。
薄 熙来の最後の勝負は重慶での唱紅打黒運動で、毛沢東路線の再来を狙う。日本の報道ではこの頃薄 熙来のチャイナ・ナイン入りが有力視されていた。しかし、どうやら指導者層はこの頃すでに薄 熙来を切る準備を始めていたらしい。
終幕
2011年11月15日、妻の谷開来がイギリス人ニール・ヘイウッドを毒殺し王立軍が駆けつける。
2012年1月31日かつての部下遼寧省の公安局長、谷鳳潔がかつての汚職や不正で懲役判決を受ける。王は薄に谷守るよう頼んだが聞き入れられず、ヘイウッド殺害事件
をだしに交渉に出るが薄は直ぐに王を罷免し切り捨てにかかる。
2012年2月6日重慶市の副市長、公安局長の王立軍がアメリカ領事館に逃げ込むと言う前代未聞の事件が起こる。中央規律委員会に逃げ込もうにも薄のスパイがいる、まずイギリス領事館に連絡を取るが返答が無く、次にアメリカ領事館に逃げた。
3月15日 王立軍事件の責任を取らせる形で重慶市書記を解任。
4月10日 中央政治局委員と中央委員の職位を剥奪
同日 新華社は谷開来の逮捕報道。
4月15日イギリスのテレグラフが薄の息子、瓜瓜のイギリス留学時代の後見人がパウウェル卿だったと報道した。
殺人の動機はわかっていないが遠藤氏の推理はこうだ、パウウェル卿は元MI6と言うスパイの親玉で引退後は中英貿易協会の理事、イギリスは中国のWTO加盟に大きな役割をはたし、パウウェル卿は将来の指導者入りをアピールする薄に近づいた。国共内戦時代からスパイのレッテルをはられると中国での地位は無くなる、パウウェル卿が元スパイと気づいた谷開来は薄のチャイナ・ナイン入りと瓜瓜の将来が無くなることを恐れスパイの手先と信じたヘイウッドを殺害し関係を闇に葬ろうとした。ばれるわな。
中国の歴史は個人の欲と権力闘争で作られるらしい。薄 熙来はいなくなったが江沢民はまだ健在である。
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薄 熙来を中心に物語は流れるが、中国における政争模様がすごいとしか言いようがない。これは共産党一党独裁体制だからこその現象なんだろう。本書を通して伝わる中国トップの相関関係がなんとも興味深い。
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薄熙来事件の真相に迫る調査と思考を、文化大革命以後の歴史と人間関係と絡めて記述されています。今の大連の土台は、薄氏の大連市長時代にあると言われていますが、その裏にあったものをここまで詳しく知る機会はありませんでした。にわか中国ウォッチャーにはヘビーすぎる本。中国に対して深い洞察を求める人にだけオススメします。