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紙の本
想像していた以上の重みを感じた
2010/01/28 21:02
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikimaru - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランスで菓子を学ぼうという人がほとんどいなかった60年代後半に、単身で渡仏した著者の河田氏。言わずとしれた名店オーボンヴュータンの店主であり、これまでも渾身のレシピを惜しげもなく披露してくださっている日本菓子界の重鎮である。
オーボンヴュータンは本店と都内デパートの二店舗しかない。スタッフを増やして無理をさせることで利潤を追求しても、菓子を作る心が寂れてしまっては意味がない…。以前どこかでそんな話を聞きかじっていたが、今回のエッセイで改めてそれを認識した。
クチコミのおかげか、作っても作っても売れる商品。それはありがたいことだが、スタッフらに残業をさせ体力的に無理をさせていた時代には、できた菓子が輝きを失って見えたそうだ。現在は(ファンから見れば残念ではあっても)売り切れをいとわず、短時間で、全力を出し切って菓子を仕上げる方針にもどっている。
本書は、コネもなくパリに渡りどうにか仕事にありついた時代から、数々の転職を経ての10年間、そして現地での仲間との交流を主軸として、思い出の菓子11品目にからめて菓子人生を総括しているすばらしいエッセイだ。
最初から売れっ子のパティシエはいない。最初から軌道に乗った人生もない。帰国後には時代が早すぎて受け容れられなかった「ボンボン・ショコラ」、一般名詞であると信じて本にもレシピを書いたが、某有名菓子店からその名を使うなとクレームをつけられた経験がある「ゴーフル」、店名と同じ主力商品の「オーボンヴュータン」など、菓子のひとつひとつには深い思いがある。
掲載の11品目には、それぞれ簡単なレシピがついているが、あくまでエッセイの補助的な存在であり、レシピは「ベーシックは美味しい」等の既刊を見た方がわかりやすいかと思う。
電子書籍
熱いです。
2017/02/16 15:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レビューさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
熱い職人魂を持つ爺さんの本です。これだけ熱いと感嘆しちゃって、レシピがあっても真似して作る気になりません。
でもお菓子のエピソードが美味しそうで、実際カヌレが食べたくなって他のお店ですけど買いに走りました。
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