紙の本
ちょっと堅い
2017/10/15 22:55
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投稿者:L - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な場所が出てきて新鮮だったけれど、ちょっと堅い感じがした。そして、あんなに物分かりがいい学生は出来すぎな気も。
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夫が妹のようにかわいがっていた従妹が亡くなり、静かに静かに声を殺して泣いているのを見たとき、この人はわたしが死んだときにも、こんなふうに泣くだろうかと、とてもかわいそうに思えた。夫はわたしがカゼなんかひいたりして寝るととてもキゲンが悪い。きっと、心配で不安になるんだろうなと思う。だからわたしは、自分の体のことをいまだに夫に話せないでいる。わたしが死んだら、夫は、こんなふうに泣くだろうか……。「風の耳たぶ」の老夫婦のような静かな気持ちにはなれないんだろうな、最期まで。
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根本にあるのは、「友情」なんだって。
それがどれほど尊いのか、って。
読み終えた時には、何かを得てる。
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〜「むずかしいものですね」「むずかしい。人は試行錯誤してこなければわからぬという厄介さを抱えておる。だから人生派といういい方も出てくる」〜
ほんとうに…ほんとうに…
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老いと死の優しい物語。
妻を「ハルちゃん」なんて呼ぶ老齢の画家。
80年来の友人とその孫。
そうした人々が登場して、
物語をつくる。
終わりがあるから輝くものがあるのだと私は思う。
終わりが人を追い詰めることもあれば、
終わりが大きなエネルギーをくれることもある。
最後数ページがとてもよかった。
そしてそして、
巻末の対談(灰谷健次郎×樹木希林)!
これもとてもよかった!!
『兎の目』や『太陽の子』とはなんだか違うな、
と思っていた違和感がスッキリした!
この小説で使われている言葉は、標準語なんです。
いつもは関西訛りのある言葉なのに。
やっぱり言葉のちがいでずいぶん印象が変わるもの。
私は東京生まれの東京育ちだから、
デフォルトではあまり他人とぐっと近寄らないような
東京の言葉、いわゆる標準語には違和感ない。
でも、確かにそれぞれの味があるんだろうね。
灰谷さんが
「関西の言葉のいいところは、情感をスーッと伝えるところ」
と書いていて、とても納得した。
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私が読んだのは単行本版だ!!!
話のオチの部分に行くまで、旅の理由に全然気づいていなかった当時の自分。そう思うと、浅いなあ。
渋谷のシーンがとても好きです。
でも、読み返せる気力がない。
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最初は現代に対する批判ばかりで投げ出そうかと思いましたが、最期まで読むと何だか切ない気分に。ふしぎです。
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本を読んで味わう優しさというものを学んだ。
僕の将来を決めた一冊。 批評しきれない優しさを持っています。
是非読んで、批評してください。
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灰谷健次郎のことばは、これ以上ないというほどに噛み砕かれていながら、傷ひとつない珠のようにつるんとしていて、体の隙間という隙間に染み込んでくるようだ。そしてこの作品は、あまりに凄まじい。凄まじく鋭くあってなお、ぬくい。こんな小説があったものか、と、読み終えてまだ、思いにやり場がない。惑う。出会えてよかったと思える一冊が、また増えた。