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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.6

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紙の本

私は好きですね、このお話。特に俊介の叔母・水野知美がいい。なんていうかカッコいい。でも、斉藤には申し訳ありませんがなんといっても深川直美の装画がいいです。これなら原画を見たい、いや欲しいって思います。ホント・・・

2012/02/29 20:47

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本の現存児童文学の書き手として、現在もっとも私と波長があうのがこの人、斉藤洋です。無論、前提条件として上橋菜穂子、小野不由美、森絵都、佐々木マキは児童文学者ではない、としてです。彼らを入れてしまうと、ま、全員団子状態となってしまい、作風もなにも全く違うので甲乙つけられなくなってしまいます。しかし、その斉藤も1952年生まれですから、今年で60歳を迎えます。生きている間に、なんとか『ルーディーボール』を完結してほしい・・・

とまあ、同じようなことを毎回書いてきているわけですが、今回の作品はかなり印象が違います。まずタイトル、ゴーストログ、っていうのが新しい。まず、普通の児童文学者は使わないでしょ、こんなに新しい言葉。語源についての説明からはいる文章は野暮、っていわれるのを承知で書いてしまえば、wikipedia によると、ログ(log)とは

・木材のひとつである丸太のこと。ログハウスなど。
・データログ。履歴、情報を記録に残すこと。また、その記録自体。特に無線局での交信記録や電子掲示板でのログをいうことがある。元々は航海日誌の意味であり、語源は丸太を海に流して船の速さを測ったことから。
・コンピュータのログファイル。アプリケーション、OS、サービスが処理内容、警告などの履歴を逐一記録し、障害発生時や開発時(デバッグ)などに参照できるようにするため作成する(サーバログ)。ログファイル名には年月日を用い、拡張子には .log が用いられることが多い。表現形式はほとんどの場合、プレーンテキストである。

とあります。主人公の三須夏菜の紹介に、特殊能力として幽霊との交信ができるとありますから、それから考えれば幽霊との交信日誌、とでもいったらいいかもしれません。データログ、なんていう言葉を知るだけでも今の子供たちにとってはためになります。でも、この本を過去の斉藤本と隔てるのは、なんといっても深川直美の装画です。いやはや、メチャンコうまいやん、このひと・・・何者? とまあ、あまりの才能に出合うととりあえずネット検索。

深川直美
llustrator FUKAGAWA Naomi.
Live in Tokyo,Japan.

兵庫県神戸市出身、東京都在住。
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科中退後、ソフトウェア開発会社やウェブ制作会社でグラフィックデザイナーとして勤務後、2001年にフリーのイラストレーターとして独立。2003年第134回ザ・チョイス準入選。著作に「せーのジャンプ!」(福音館書店)。

とあって、年齢にはブロックがかかっている(わけないか)せいで不明。ま、2001年にフリーになったとして、会社勤めを何十年もするとは思えない。えいやで、社会人五年やってフリーへ転向とすれば、1975年前後の生まれ、ということは現在30代後半、とまあ勝手に考えます。で、ついでに『せーのジャンプ!』のカバーをみると、これがまた可愛い。『ドクター・スランプ あられちゃん』の雰囲気もある、キャ~!!!

で、彼女の起用が実に感じがいいわけです。これについては、その後に出た〈ゴーストログ〉シリーズすべてに言えます。とくに、深川はカラー作品がいいです。ぎゃくに、本の中のイラストは弱い。線で勝負する人ではなくて、本格的に描く人なんですね。私が原画を見たい、欲しい、と強烈に思うイラストレーターの一人です。ちなみに、装丁・DTPは亀井優子(ニシ工芸株式会社)です。

お話ですが、カバー折り返しに主人公のプロフィールがでています。

三須夏菜(ミス・カナ)
中学三年生
東京都在住
趣味:エレキギター、空手
部活:演劇部
特殊能力:幽霊と交信できる

中三で、趣味が空手となると夏帆じゃ演技できないな、なんて余計なことを考えます。もう少し補足すると、彼女は幼稚園から大学院まで行くことのできる私立学校の中学生です。父親は開業医で、三須四郎といい、聖ペトロ医大の教師でもありますから、裕福な家庭に育ったといえます。ただし、好きにお金を使っているかといえば、全然そんなことはなくて、金銭感覚は庶民そのものです。

ちなみに、年のころからいえば、はやみねかおるの〈夢水清志郎〉シリーズの三つ子・亜衣、真衣、美衣と同じなんですが、違っているのは夏菜は、はやみね三つ子のように頭の中は男の子のことだけ、というような色狂いはしていません。ま、私としてはこれが自然だろうな、って思える無理のない設定で、さすが斉藤洋、ポイントUPです。

無論、男の子が出てこないわけじゃありません。出ない方が不自然。それが柏木俊介です。幼稚園から今の学校に入り、中学三年になって夏菜と同じD組になっています。父親は警察官ですが、祖父の事業がうまくいっているため、裕福です。でも、夏菜と同じでそれが目立つというような気配はありません。

母親は専業主婦で、メンバーが三十歳をこえているロックグループ、グライフのファンで、それがきっかけで夏菜と付き合うことになります。ま、付き合うといってもきちんと距離を取っているあたりが好ましい。そして、はやみねの小説に登場する人たちのようにわざとらしい設定になっていないのもいいです。レーチのようにわがままで愚か、ということはないし、食い意地が張っているわけでもありません。ともかく自然です。

でも、この小説で最も魅力的な登場人物といえば、やはり水野知美でしょう。彼女は俊介の叔母で、俊介より十歳年上ですから25歳。BMWのバイクを乗りこなす身長175センチの美人で、誰からも好かれる明るいお姉さんです。しかも医者の卵で、裕福。ギターも弾くし、ヴィンテージのモデルも持っていて、あっさりと夏菜に弾かせたりもします。私の中では、宝塚退団直後の天海祐希ですね。NHKのドラマ『凍える牙』の時のバイクを駆る姿が近いかも・・・

シリーズ第一話ですから、夏菜と俊介が出会うお話です。出会うといっても、俊介の方は最初から夏菜に目を付けていて接近したのですから、少し感じは違います。で俊介がナンパしてきた理由は、といえば勿論、夏菜の可愛さにあるのですが、きっかけは叔母である水野知美の一言です。知美は、俊介がガールフレンドを彼女の家に連れてきたら、一万円あげる、というのです。

彼女のふりをして知美のところに一緒に行って欲しい、という俊介の願いを叶えるためにすずかけ屋敷の隣の叔母の家に近づくと・・・

おやおや、唐突ですが綾辻行人『奇面館の殺人』で、鹿谷門実が日向京介にたのまれて東京のはずれにある不思議な別荘に赴くのも、招待に応じたら200万円あげる、ということがありました。でも、鹿谷が応じた本当の理由は、その建物の設計者が、あの中村青司だったことによります。ふーむ、無理やりこじつければ似ているような・・・だって、斉藤のこのお話だって叔母の家の隣にあるすずかけ屋敷の不思議が、夏菜たちの推理によって見事解決するのですから・・・うーん、でも違うよなあ・・・と、最後は、もくじを写しておきます。それにしても、夏菜と夏帆、似ているような、似ていないような・・・

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