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みんなのレビュー266件

みんなの評価4.1

評価内訳

259 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ちんぷんかん魔術だぞ。チャン。

2004/01/16 00:24

15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この短編集は、1990年からの12年間でテッド・チャンが発表した全作品8作を集めたもの。ほとんどの作品が各種の賞を受賞したり、候補になったりした傑作揃い。各作品のアイデアは、突飛なものから、ほんの明日にでも実現するかもしれないようなものまで多様。個人的には、この本が2003年のベスト。
 だいたい文学っていうのは、一人の人間の経験を通して新しい世界認識の切り口を提示するもの、という見方もできると思う。これがチャンの場合、新しい認識をほんとうに確定させてしまった人の経験とその内面が中心になる。
 特に気に入った作品は「72文字」。設定のアイデアを書いても普通はネタバレということにはならないと思うけど、チャンの場合は日常的な風景の中から少しずつ奇妙な設定が立ち現われてくる過程に一番の楽しみがあると言ってもいいぐらいだと思うので、書かないでおきます。えーっと、当世風に言えばナノテクってことになるのだろうけど…(うずうず)。ただ登場する職人の親方が、短い出番ながら非常にいい味を出しており、特に技術系の人間なら激しく共感できるんじゃないだろうか。
 らしさが典型的に現われているのは「ゼロで割る」だろう。数学(数論)に基づく世界認識の話で、読んでいる最中は、なにかすごくヤバイものを読んでしまったような感覚にとらわれた。ディティールや主人公の内面の描写が緻密で的確なため、これは架空の話なんだって後で自分に言い聞かせなくてはならなかった。
 評判の高い表題作や「72文字」のように、言語の性質を特異な形で利用するところが特徴的かもしれない。中国系アメリカ人であることや、本業としてフリーのテクニカルライターをしているということなどで、言語に対して独特の視点と造詣があるのだろうか。
 どの作品でも、科学にしろ宗教にしろ難解な説明に走らず、登場人物の受け取った印象と、変わっていく人生を描いている。新しい世界認識を人類というレベルで語ることもなく、個人の問題にとどめていても、それ以上は言わないでもワカルって気にさせる構成や表現も魔術的なのだけど、結局は科学による新しい未来なんてものを信じていないのかもしれない。たった8作の短編で作家を語るのも無理があるけど、その意味で実はすこぶる現代的な作家と言えそうだ。
 パチパチピチンコ。

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紙の本

映画とは別ものだと思う

2018/06/07 01:37

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

2017年に公開された映画「メッセージ」の原作を含む短編集。
映画を観て以来読みたいと思っていたのですが、ほぼ1年後にやっと読みました。
この小説は映画よりももっと情緒豊かで、感性や感情に対して作用してくる作品でした。

収録作は

バビロンの塔 Tower of Babylon

理解 Understand

ゼロで割る Division by Zero

あなたの人生の物語 Story of Your Life

七十二文字 Seventy-Two Letters

人類科学の進化 The Evolution of Human Science

地獄とは神の不在なり Hell Is the Absence of God

顔の美醜について ドキュメンタリー Liking What You See : A Documentary

の8編と作者による作品覚え書きです。

この8編がデビューから12年間で作者が書いた全てだということですので、寡作も寡作ですね。

あえて1番好きな作品を選ぶなら「理解」かなぁ。
なんとも言えない緊張感が心地良かったです。
題材としては映画ですがリュック・ベッソンの「ルーシー」2014年や
ニール・バーガーの「リミットレス」2011年などで扱われたもの思い出しましたが、
こちらの小説の発表が1991年ですので、先行しているのですね。

とにかく8編全て甲乙付け難く、時を置かずに何度でも読んでみたくなるものばかりでした。

作者自身は全作品ともSFとして書いたと仰られているようですが、読んだ者としてはあえてジャンル分けする必要さえない、素晴らしい一冊だと思いました。

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紙の本

イーガンを初めて読んだときと同じ興奮!!!少々難解じゃないと、やっぱSFは楽しめないのだ。

2004/01/05 15:01

7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 とはいえ、この本はSFなのだろうか!? 読者は皆そう思うはず。そもそもSFの定義付けが「SFとして発表された」とか「初出がSF誌だから」とか「SF界の賞を受賞している」だとかくらいの形式的な場合も多いため、グレッグイーガンやこの本の著者テッドチャンなんかにはカテゴライズなんて無意味なのかもしれない(当然だけど、これは純文学とエンタテインメントなんかの違いとも同じで、科学と哲学の領域の異種混合なんかにも通じるし、ビジネスのインテグレーションなどとも相違しないはず)。
 しかしやはりSFなのである。というのは「SFを書く」という初期衝動がなければ絶対に書かれなかったであろう自由度や世界展望そして難解さがあり、読者の側も「これはSFなのだ」という前提のもとで読んでいるからこそ理解でき、かつ楽しめる小説世界なのだ。むろん僕だってイーガンと並ぶSF界の新精鋭という評判がなけば読まなかった本であることは確か。

 短編小説というのはアイデア一発勝負であったり、プロットそのものの独創性、簡潔性が勝負となるわけだけど、くどくどタラタラと冗漫な長編SFが多い中、本書の短編としての割り切りというか潔さというのは、難解さに隠れてしまっているけど、ほんと気持ちいいものがある。
 この混沌とした現代というか世界を、どう解き明かすか!? この命題はSFだけでなく小説という文芸に架せられた大命題であり、テッドチャンは例えば冒頭『バビロンの塔』(あの地上から天空まで突き抜ける「バベルの塔」のことですね)では“宗教”というツールを用いてバッサリ切り取っている。すなわち「世界とは『上』に行こうとする人間達の幻想で成立している」と。
 「上」というのは「下」のことでもあり、中庸にとどまって分相応に「中」ほどで生きているのがフツ〜の人間。夢とか希望とか、さらに日常的な諍いや戦争なんて揉め事から逃れられない僕たちは、ある一定の役割が与えられており、それは「上」に行っても「中」ほどにいても「下」で嘆いていても同様であり、特権的な役割を与えられて(あるいは夢が叶って)「上」に行って戦ったり活躍したりできたとしても、それは「下」に行くための戦いなのだ、そこではまた「上」を目指す人々の欲望とか闘争心が渦巻いている。

 科学や数学、哲学などの引用というか構成要素がストーリーを難解に見せかけているけど、テーマやプロットは単純明快というか、いや単純ではないんだけど着地点は明快そのもの。読むのに手こずる部分もあるけど、そもそも「難解さ」を楽しむのがこの手のSFというか小説の醍醐味なわけで、頭の中に異物を突っ込まれて掻き回されているような快感が充分に味わえる(もちろん判りやすい話が好きな人には勧められない本だけど)。
 イーガンのような叙情性こそないが、収録作8本はどれもこれもフツ〜の小説では絶対に楽しめない要素がふんだんに詰まっている。それだけでも凄いと思う。つまり、こんな短編集は世界にひとつしかないということ。似たような本は僕の知る限りどこにもない。

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電子書籍

とても楽しめる短編集

2018/05/14 04:03

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あられ - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本でも大変話題になったドゥニ・ヴィルヌーヴの映画『メッセージ』(原題はArrival)の原作「あなたの人生の物語」をはじめ、全8編から成る短編集。

個人的に一番好きなのは表題作ですが(映画化されたストーリーもよかったですが、映画ではかなり脚色されています)、「七十二文字」のどんどん展開していく感じも好きです。「地獄とは神の不在なり」での、いわば西洋のオーソドックスな精神世界にひとひねり加えた物語も楽しめましたし、「バビロンの塔」の折り畳まれてぐるっと戻ってくる感じも小説を読む体験の楽しさを改めて示してくれています。「顔の美醜について : ドキュメンタリー」は、設定は(今のところ)現実離れしているにせよ、妙にリアルです。

この「妙にリアル」という印象は、全体的に共通しています。「妙に」というより「奇妙に」というべきかもしれませんが。

翻訳は、公手成幸さん(表題作と「理解」)、嶋田洋一さん(「七十二文字」)、古沢嘉通さん(「人間科学の進化」、「地獄とは~」)と、浅倉久志さん(上記のほかの3篇)。

著者のテッド・チャンはたぶんきっとものすごく凝り性の人なのだろうなと思います。1篇1篇エッジが立っていて、どれを読んでもそれぞれ違うふうに楽しめますが、共通しているのは「知的」であるということ。決して小難しく書かれているわけではないのですが、自然と集中して読むことになるので、本を置いたとき、ふと「ああ、頭使ったなあ」という感覚になります。

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紙の本

SF性も強く、ファンタジー性も強い

2017/04/29 08:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る

純粋なSF作品だけでなく、神や天使が登場する作品もあるので、人によって(特にゴリゴリのSFマニア)には作品の好き嫌いが分かれるかもしれません。
ただ一つ一つの作品は、長すぎることも短すぎることもないと思うので、内容に関わらず比較的読みやすくなっていると思います。

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電子書籍

魅力あふれる世界観の数々

2022/07/15 11:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kkzz - この投稿者のレビュー一覧を見る

どれもこれも魅力的な世界観を宿した名作ばかりで最高でした。ファーストコンタクトやテクノロジーが暮らしに与える影響を描いたSFから、バベルの塔やゴーレム、災害的に天使が顕現するファンタジーなど、魅力的な世界観だけでなくそこを入り口に人間性などの深いテーマを描いていて面白かったです。個人的な好みでいえば、お気に入りは『ゼロで割る』。他者と苦しみを本当の意味において分かりあうことはできないという私自身の考えにとてもよくマッチして、面白かったです。

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紙の本

想像力あふれる世界観の数々

2022/02/25 10:42

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kkzz - この投稿者のレビュー一覧を見る

どれもこれも魅力的な世界観を宿した名作ばかりで最高でした。ファーストコンタクトやテクノロジーが暮らしに与える影響を描いたSFから、バベルの塔やゴーレム、災害的に天使が顕現するファンタジーなど、魅力的な世界観だけでなくそこを入り口に人間性などの深いテーマを描いていて面白かったです。個人的な好みでいえば、お気に入りは『ゼロで割る』。他者と苦しみを本当の意味において分かりあうことはできないという私自身の考えにとてもよくマッチして、面白かったです。

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電子書籍

テッド・チャンすごいです

2020/07/12 22:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hoyoyo - この投稿者のレビュー一覧を見る

1998年発行、テッド・チャンの短編集。内容が濃すぎ、全ての作品が素晴らしい。文明と科学及び信仰が人の心に何をもたらすか、時空を超えた壮大かつ緻密な世界観で描いている。空の天井を掘削し塔を築く「バビロンの塔」。ホルモン療法で知能が飛躍的に成長し、皮膚から出るストレス物質のコントロールまで出来るようになる「理解」。地球外生命体がもたらした未知の文字文化を探究する過程で見えた、未来を記した表題作。ロボットを動かす核となる"名辞"なるものを使った禁断の研究を描いた「七十二文字」等。これが20年以上前の作品とは!

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メッセージという

2019/07/15 11:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画は、この本が原案だったのですね!映画を見てからでないと、ちんぷんかんぷんになりそうなので、先に映画を見てからチャレンジしたいです。

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2005/01/06 09:33

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2006/07/22 16:40

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2006/11/08 22:08

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2007/02/18 14:21

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2007/04/23 03:17

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2011/06/29 23:48

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