電子書籍
重苦しいお話
2018/11/06 20:54
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ作者の「三日間の幸福」が良かったので、この本も読んでみたが重苦しいお話でしっくりこなかった。作中で使われ題名にもなっている音楽を知らないせいもあるのだろうが。
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過去の自分に戻る話は多々ありますが、経験値をプラスに活かそうとせず、現状維持を目論んだあげくに落ちぶれるという話は珍しいと思う。
全編一人称で、主人公が読み手に向かって語りかける文体ですし、語り口のテンポもいいので読みやすいです。主人公がネガティブ路線まっしぐらなので、少々ダウナー気味にはなりますが、不思議と後読感はさわやかでした。
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20歳までの記憶を持ったまま10歳のころにタイムスリップした主人公。
いわば“強くてニューゲーム”の状態にもかかわらず、彼は幸せだった1週目の再現をする道を選んだ。
しかしどこかで歯車が噛みあわなくなり、1週目の幸せの象徴だった恋人には振られ、その元恋人は1週目の自分にそっくりな男と付き合いだし―。
これは面白かった。こういう作品があるからメディアワークス文庫は好きだな。
ラストの展開がちょっと引っかかったりもしたけど、それを含めても非常に満足のいく作品でした。
ブログでもう少し詳しく感想を書いています。
http://blog.livedoor.jp/akinator/archives/33579972.html
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『そう、この頃になると、僕はかなりエコな人間になっていた。あまりに喜びの少ない人生なものだから、ほんの些細な幸せでも、頭の中で反芻して、アイスの蓋の裏まで舐めとるような感じで味わい尽くすようになっていた。』
この本を読んでいて、最初に胸に染みた文章がこれでした。懐かしいような。でも最近のような気もするこの感覚。
足りない。こんなにも切望しているのに、声に出すことさえ出来ないほど欲しているのに得られない。こんなのにも喉の渇きはひどいものになっているのに満たされない。多くは望まない。水滴を何滴か、それだけでいいのに。そんな毎日が続くと、こんな風になる。ほんの些細な幸せでも、頭の中で反芻して、喜びに浸り餓えをしのぐようになる。時には痛みや傷に寄りかかり、茨だらけの藁にすがるようになる。
『今ではないいつかへ行けるならどこへだって大歓迎だった。』
それでももちろん渇きは癒えず、ただそこに存在していることが辛くなる。前に進むことも後ろにもどることもできない。今ではないいつかへ、ここではないどこかへ行けるならどこへだって行きたい。逃げたくなる。
『起こり得たかもしれない幸せな出来事について考えているうちに分かったんだけど、どうやら、幸せのかけらっていうのは、そこら中に落ちていたみたいなんだ。けれども僕はそれを全て見逃すか、そうでなきゃ自ら踏み潰して粉々にしていた。』
『息を吸って そして吐いて それだけじゃ喜べなくなって
欲しくなって あれもこれも あの人のも だけど
僕にあって 君になくて 君にあって 僕にないものがあるから
僕は君を 君は僕を好きになれたんでしょ?
叶えた夢の数を数えよう 叶わない夢は誰かがきっとどこかで…』
一度完全に逃げることが出来てから、初めて気づく。
自分と世界には沢山の可能性があって、いつでも逃げることは出来たことに。縋るものを間違えていたことに。その直後は辛く、無意味な時間を過ごしきたと思う。でも時が経てばその経験が自分を支えるようになる。
懐かしい思いに満たされました。若い人の文章を読んだからかな。23歳。デビュー。年下の作家の文章を読む日がこようとは。
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逆光ものはよくあるが、一回目より良くしようとか変えようとするのではなく、あえて一回目と同じになぞろうとする主人公が新鮮だった。
物語の展開も最後の結末もとても良かった。綺麗な終わり方だと思う。
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少し甘めだが、星四つだと思う。
人間が自分の物差しでしか物事を測れないというのは、勿体無いし、悲しいことだけれども、それが希望になることもある。
どうしようもない状況になる前に読む本かもしれない。
あるいは何も考えずに楽しむか。充実感を抱いてない状態で読むとなお。
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スターティング・オーヴァー (けーた)
http://blog.livedoor.jp/akinator/archives/33609516.html
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2年ぶりに再読です。
何だか3日間の幸福に似てるなあ。と思ったら、同じ作者でした。
クリスマスの日、デートをしていたら停電に遭い、視界不良で事故死。
その記憶は吹っ飛んで、幸せな記憶だけを持って10年前に戻っていた。
充実した10年だったから同じように過ごす筈だったのに、好きな子を間違えたせいで人生は暴落。
一週目の自分と彼女の場所には代役が出来ていた。
僕は自分が好きになったのは、代役が付き合ってる彼女だと信じて疑わなかった。
高校の頃から同じようにひとりぼっちで居て、しょっちゅう目が合っているヒイラギに話しかけもしなかった。
代役にストーカーしていることがバレ、同じようにヒイラギもストーカーをしていたために僕は気づいた。
ヒイラギも、2周目を送っている。
自暴自棄にアルバイトをし、2周目の10年目のクリスマスの日、ヒイラギも同じアルバイトに来た。
そこで代役の車を見つけて思い出した。
僕たちが何故2周目をしているのか。
ヒイラギを引っ張って車で事故現場に行き、2人で交通整理をして、事故をなかったことにした。
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20歳の時、10歳まで巻き戻り、二度目の人生が始まる話。
ほんのボタンのかけ違いで、人生が変わってしまう。
現状維持が、現状維持ではなくなり…。
不思議なお話。
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まったく同じ人生なんて歩めない。だって気持ちが同じじゃないから。そのことに早く気づいていればね。誰でも何にでもなれる。今からでも遅くはない。
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んー・・・
すごく評判の作品と言った見出しだけどなんというか・・・大したことないかなー
設定はありがちでありつつ、オリジナリティーもあっていいと思うけど内容が薄いし。文章も読みづらいし。
素人の方だそうで今後良くなるかもという点では期待できるかも?
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文体があまり好きじゃなかったんですが最後まで読み切ると、ストーリー全般とその展開の仕方に心打たれました。文体に目を瞑って読む価値があるな、と。あとがきまで共感するところがあったのは印象的。
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三秋先生の本一冊目。捻くれた神様と運命のお話。
ずっと一人称視点で進む話、捻くれた解釈、半分独白の話が好きではない人にはおすすめできないものの、私的には面白かったかなと。
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二十歳の誕生日を迎えた日に十歳まで時を巻き戻された男の子のお話。
なぜ時間が戻ったのか、とか、どのようにして戻ったのか、ということに関する言及は一切なく、「戻ってしまったものはしょうがないから二回目の人生を一回目と全く同じにしよう」とするのは新しい!話の設定自体は面白く、内容も割と面白く読んだけど、ずっと主人公の一人称語りは途中から読みにくかった。ヒイラギの正体も割と早くからよめてしまった。
結局は、「今」を一生懸命に、過去にとらわれずに、精一杯に、生きろってことなんだと思った。
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原題はたしか、「10年巻き戻って・・・みたいな感じだったと記憶しているがこちらはスターティングオーヴァー。
作中でBGMとしては大き過ぎる程の意味合いで登場する。自分も実際に聴きながら読んでチープな臨場感を味わったり。
題名を登場曲にしたのはループ物というジャンルからは少し離れたところから読んでくれという風に勝手に思い込んで読んだ。
なぜループが起こったのか、どうしたらループ前の世界に戻れるか、などの設定に言及する様なことはなく、ただそこに流れる人たちのストーリーを読み聞かされた様な。
唐突に、また読みたくなりそう。