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第二次世界大戦のヨーロッパ戦線。ドイツ陥落の4週間前、必死に抵抗を続けるナチスドイツ軍を前に<フューリー(怒り)>と名づけられたアメリカ陸軍M4戦車に搭乗する5人の戦車兵が過ごした「一日」を描いた戦争映画で、監督、脚本、製作のデビット・エアーの書いた脚本を元に伊藤正治によるノベライズ作品。
戦車兵と戦車が主人公という非常にマニアックなプロットの戦争映画脚本を小説化する事は単に戦記物を書くよりも難しく、装備などの専門の細かな知識が必要であり、車載機銃(戦車に取り付けられているブローニングM1919A5 7.62mm機関銃)と<グリースガン>と呼ばれた戦車兵用接近戦闘携行火器のM3サブマシンガンの名称を混同するなど、戦記作家でなければかなりの苦労が有ったであろう事を窺い知ることが出来る。映画公開前に刊行しなければならないノベライズ作品でもあり、校正の時間がなかったのも一因か。
ストーリーのクライマックス、フューリー対ドイツ軍300人の戦車籠城戦のシークエンスは、1941年6月23日、リトアニアのドゥビーサ川方面でのドイツ第6装甲師団を相手に1輌で街道上の分岐点に居座ってドイツ軍を食い止め続けたソビエト軍のKV-2重戦車の戦記、戦車好きなら知っている有名なエピソード『ドゥビーサ街道上の怪物』を元にいしているのは思わずニヤリ。ノベライズ本来の楽しみ方の一つでもある映画の設定、大まかなストーリー展開を知る<予習>としても楽しめた。映画を観るのが楽しみ。
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アカデミー賞の最有力になっている、ブラッド・ピット主演の感動巨編のノベらイズ版。大人数の部隊に対し、わずか5人と1両の戦車で挑むという、無謀ながら、果敢に挑んでいく、男たちの生き様が胸を打つ。
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2015.1.16 〜 20 読了
ほぼ映画と同じストーリー展開だが、脚本をベースにしたノベライズなので当然といえば当然。ハイライトはシャーマン対タイガーの迫力ある戦車戦。戦争は全てを巻き込み犠牲を強いる、という視点でドイツ側の描写にも目配りしている点は現代的。なぜ最後に無謀とも思える迎激戦を選択したのかという疑問はFury(激怒)というタイトルが答えだろう、敗北が決定的なのになぜまだ血を流すのか・・・
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良い意味でも悪い意味でも内容は原作映画そのまま。
やっぱり個人的には小説版独自の裏話的な描写が欲しかった。