投稿元:
レビューを見る
【日本を代表する俳優の名文を味わう】「演じる人」ならではのシニカルかつユーモラスな視点に満ちた書評の数々。週刊文春の好評連載「私の読書日記」6年分を収録。
投稿元:
レビューを見る
単行本も買ったのだが、文庫には単行本刊行後の書評も入っているということで購入。それにしても単行本で買ったものを文庫でも買うというのは、私の購買行動としては稀有の例であって。
山崎努、『俳優のノート』といい、この人の文章はうまい。評論家などの書評は上から目線のものでげんなりするが、彼が紹介している本をことごとく読んでみたくなってしまう。役者としての厚みがハンパない、ということがこの読書量と書評力だけでもわかる。長生きしてほしい役者である。
投稿元:
レビューを見る
何気なく手にとって数ページ読んだら本棚に返したくなくなった。
文章がすごくうまい。
連載コラムのまとめ本であるから、好きな節から拾い読みできる。
“連載コラムのまとめ本”ではあるが、よくある有名人のエッセイ集とは別格、老優の分厚い含蓄のある文章が冴える。
投稿元:
レビューを見る
好きな俳優さん。
その、深く、つかみどころのないような
渋い演技が好きなのだけれど
その胸の内には
何冊もの読書と思考が
沈んでいて
すくいとられた
人間についての考察が
ああいった素晴らしい演技として
表現されているのだと
改めて思った。
ますます好きになり、
紹介されている本も
心して読みたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
フリーマーケットで100円で売っていて、タイトルと概要は前から知っていたので買った。帰りしなに、その店の店主の知り合いらしきお婆さんが「きっと良い本買われたと思いますよ!」と声を掛けてきた。内心で、そんなこと分かってるよなんて思いながら帰ったのだか、読んでみて自分の生意気さを恥じる結果になった。良い本だ。この本に出てきた本で、読みたくなって買ったものがいくつかある。俳優業の中で培われたのだろう筆者の言葉も有難い。曰く「人生で避けるべきは危険ではなく安全」なのだそうだ。しびれる。こんな老人になりたい。
フリマで声を掛けてきたお婆さんは本の内容を知っていたのか、あるいは何か感じるものがあったのか。。いずれにしても年長者の一言はゆめゆめ侮ってはいけない。
投稿元:
レビューを見る
名優山崎努の読書にまつわる事柄は、紹介する書籍から見える世界への傾倒を愚直に伝えてくれる。読みたくなる、このシンプルな情感を抱かせる彼の筆致は楽しい時間を読者に与えてくれる。文化芸術というと敷居が高く感じるけど、実はそんなことはない、生活の片隅にひっそりと佇んでいる。そこに気付くか否か、世間の目や常識とは無縁の個人としての面白みを大切にしようではないか。