紙の本
地域社会との関わりを考えさせてくれる好材料
2000/08/17 11:58
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投稿者:松山真之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■ <ワン・チョット>
「親になるとは何か、地域に暮らすとはどういうことか、自分の子供以外に目をくばるとはどういうことか・・・・そんな刺激を与えてくれたのはジャンケンおじいちゃんと お花のおばあちゃんだった。」
■ <引き続き>
1980年に東京湾の埋立地に誕生した千葉県習志野市秋津小学校を中心に、著者をはじめとして地域に生きる人々は、見えない心の糸を手繰りながらすばらしい地域社会を運営してきた。そのドキュメンタリーの本がこれ。
千葉県習志野市は私の住む町のすぐ隣り。最近、ネット社会で様々な人との出会いや交流の広がりを感じる一方で、自分が住む町での交流の少なさになんとなく寂しさを感じていた私には、結構衝撃的な内容のドキュメントだった。
PTAにしろ町内会にしろ、職業や人生観、考え方など様々な人の集合体であり、必ずしも気の会う人だけの集まりではない。ちょっとした言葉のすれ違いでぎくしゃくするし、その修復は結構面倒でもある。ネットワーク上の繋がりも同様なところはあるが、ある程度同じような嗜好をもった集まりならそれなりのルールや不文律が働いてくる。
そういうものが薄い(何でもありの)世界が地域コミュニティの特徴だ。そういう世界でありながら、『学校を核にしながら、失われている地域の公共性を再生させ、自己の主体性を発揮しうる住みやすい地域社会』へと変貌させてきた記録でもある。
町の人たちが土日を利用して作った小学校の飼育小屋、学校、幼稚園、PTAなど地域ぐるみで実現した総勢432人出演のオペレッタ、自主・自立・自己管理で運営される小学校のコミュニティールーム、タブーのない活動をするPTA活動など、秋津を『ただ寝るだけの町から、生きる町』へと変貌させてきた様子が、生き生きと綴られている。
学校とは、地域とは、生きるとは・・・と、自分と自分の住む地域社会との関わりを考えさせてくれる好材料に富んだ本である。
企業戦士のお父さんも、教育ママの方も、人生をちょっと違う視点(学校と地域社会)で眺めてみては如何。
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これは学校と家庭と地域社会との連携ということを考えさせられる契機となりました。学校を使って、ゆとりを楽しみましょうよ。
って思っていたけれど、現場に出て思ったことは「保護者の学校の使い方は酷いって場合もあるなぁってこと、タバコポイ捨て・グランド状態を無視して使っていたり」正直親も頑張って教育していくような立場になればこういった楽しい取組みもできるのでしょう。
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本に登場する保護者も校長も、やたらエネルギッシュでハイテンション。筆者が誰にも増してエネルギー溢れる方なのだろう。
こんな人が組織の中心にいたら、そりゃみんなついてくるさ☆
1980年に東京湾の埋立地にできた千葉県習志野市立秋津小学校。ここはおそらく、ベッドダウンとして開発されたころにに人口が激増した地域で、秋津小はあるとき一気に増えた子どもたちを捌くために創立された小学校だと思われる。90年代になると、子どもの数も減り始め、空き教室が目立ち始める。そんな時期に始まったのが”お父さんのまちづくり”だ。
秋津小は、90年から93年まで、生涯学習指定校だった。PTAに参加している筆者が、児童の父親たちを集め、土日を利用してうさぎ小屋を作っていくところから、その活動は本格的にスタートしたようだ。この活動が、地域のひとが気軽に学校に来るようになったきっかけとして描かれている。
本を読む限り、保護者たちのノせ方がとても上手そう。「とにかく強制しない」方針で、人々を動かしていく。普段学校と疎遠になりがちな「お父さんたち」も、別に学校が嫌いで寄り付かないのではない。意義やきっかけがないから来ないだけだ。「気軽に参加できる舞台と、踊りやすい脚本とを用意すればよい」、という著者の言葉が印象的だ。
また、活動を暖かく見守る(?)校長先生もノリノリだ。秋津小はこの本が出版された後で(たぶん)、千葉初のコミュニティスクールとなるのだが、ここまで地域密着型になることができたのには、この校長の存在も欠かせない。
95年には空き教室を、すべて1階に集めて地域に開放された。授業中は、地域の人たちが集まって、陶芸とか大正琴とかを楽しんでいるし、子どもたちは授業で作った苗木を、コミュニティスペースの入り口で売り出すし、児童のクラブ活動には、地元の人たちがコーチしてやってくる。一般的に「あとは定年を待つだけのコトナカレ校長」が多い中で、これだけのことを承認した校長は、なかなか自身をもたれた肩だなと思った。
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ひょんなことから娘の小学校のPTA会長を引き受けてしまいました。何をして良いか途方に暮れていた時その時、この本の著者岸さんと東京でのパネルディスカッションでパネリストとしてご一緒させていただきました。ここに紹介されていることの面白いの何の、思わず習志野まで行ってその現状を確かめてみたぐらいでした。男性が地域活動をはじめる時に必読の書です。私はお陰様でその後、小学校のPTA会長を6年間、現在は高校でPTA副会長をさせていただいております。岸さんとは時々一緒にお酒を飲む仲になりました。
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前半何度も止めようと思った程。
半ば腹立たしく読んだ。
固有名詞の多さと、酒を「アレ」と呼ぶ、内輪盛り上がりの記念誌的。
PTA会長が、夫に貸し出した本なんだけど、
あぁ~会長は、こんな風にしたいのね…と。
後半、興味深い内容も多く、学校と地域の関係など、素敵だなと思えるところは多いけど、
地元の「おやじの会」でも問題になったように、これは家で子どもにご飯食べさせて、お風呂入れて…それやこれやを引き受けてくれる人があってできること。
亭主元気で留守がいい。おまけに留守の間、地域貢献しててくれるなら尚良し。
後々自分も居心地いい。
そういう家庭ならいいけれど、毎週末夜10時まで酒を酌み交わす父親
男の人は基本、群れるのが大好きだから、親父同士は楽しいだろうけど子どもと共有する時間を大切にしたい家庭には、とっても迷惑。
会長~、お宅は御主人が自営で家にいるけれど、核家族の母親で作るPTAで、これは無理です。