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守った命 間に合わなかった命
2016/08/21 22:54
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投稿者:月緒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争好きな無能な指揮官によってただ消費されるだけの命。ひょんなことから出会った一人の女性一等兵との物言わぬ三度目の邂逅。守った命、守れなかった命、そして間に合わなかった命。
イクタの飄々としたやる気の無さは一貫しているものの、1巻とは違い、戦争に対する怒りややるせなさという感情を表に出しています。
何というか…、2巻目にしてこの濃密な展開に、読み手の私も疲労困憊しました(笑)
次巻は絶望的な状況からの撤退戦になりそうです。
紙の本
内に火種を抱え込む国境線
2015/09/30 15:59
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
アルデラ教を国教とするカトヴァーナ帝国の高等士官候補生であるイクタ・ソローク、ヤトリシノ・イグセム、トルウェイ・レミオン、マシュー・テトジリチ、ハローマ・ベッケルの5人は、敵国キオカ共和国からシャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク第三皇女殿下を生還させた功績を以て、帝国騎士に叙任され、准尉として任官した。
しかし、この初めての第三皇女がくせ者で、堕落した帝国を一度キオカに占領させ、焦土から国家を復興させようという野望を抱いている。その相棒として彼女が白羽の矢を立てたのは、アナライ・カーンの弟子であり、偉大な将軍だったバダ・サンクレイの忘れ形見でもあるイクタ・ソロークだ。先の戦闘で彼の軍事的才幹を確信した彼女は、彼が5年以内に元帥に昇進するように発破をかけるのだが、本人は生来の性格もあり、全くやる気なく、女の子に声をかけることだけに一生懸命だ。
そんな彼らが赴任したのは、帝国の北方、神の階と呼ばれる大アラファトラ山脈の麓にある北域鎮台だ。そこはシナーク族という山岳少数民族の居住地であり、北域鎮台司令官のタムツークツク・サフィーダ中将は、シナーク族を弾圧し、抵抗力を削ぐために、風と火の精霊を彼らから奪っていた。
貴族勢力の圧力によって無能ながら司令官となったサフィーダを補佐するユスクリラム・トァック少佐から訓令を受けつつ、センパ・サザルーフ中尉の指揮下で辺境の退屈な任務に半年間だけつくはずだった騎士団の面々だが、やがてそこには戦乱の火種がくすぶっていることに気づかされる。
前回はヤトリシノの大活躍シーンが豊富にあったが、今回は、日常でも戦場でも、イクタの活躍が描かれる場面が多い。特に、日常での彼の蘊蓄は、何となく聞いていたくなる感じがして心地よい。
ちょっとした小競り合いのつもりが泥沼のゲリラ戦に発展し、そしてその背後には糸を引く勢力の存在も明らかになってきて、次巻ではかなり絶望的な戦いの幕が落ちることになりそうだ。
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続く、で終わった。
今気づいたのだが、個人的な好みとして1冊毎に明確な区切りが
あった方が評価が上がるらしい、ので★0.5減点。
おもしろかったけど、救いのないストーリーでした。
今気づいたのだが、個人的な好みとして救いのある話の方が
評価が上がるらしい、ので★0.5減点。
いやこれが悪党が主人公で悪の限りを尽くすとかなら、むしろ
さんざんな方が評価があがるのですが。
どう転んでも出世につながる戦争でもなさそうだし
初陣がこれでは今後のイクタくんの栄達にも翳りが
みえたかも?まあ出世しないことには話が進まんけど。
こういうのを読んでいると、つくづく銀河英雄伝説って
すげえな、と改めて思う。あれは凄いわ。
今更ながら登録してみようかと思ったのだけれど
トクマノベルズ版ってもう登録できないのね、残念。
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人が死なない戦争なんてない。
読み終えて思ったことです。
まあ実際、そうなんですがw
さてさて今回はどちらかというと内戦的な戦争でした。
2巻もリアルな戦場、戦略が描かれていています。
イタクの名将ぶりがこの頃から発揮してますね。
新キャラ増えた!と思えば・・・・
読んでいてホント飽きない作品です。
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今回初登場のおなごは、私はてっきり……仲間になるもんだと思っていたんですけど……。まさかああいう展開だとは!
167ページのイクタがかっこよすぎてきゅんきゅんした。カラー口絵との落差が激しすぎる。まあ、もう一人のイケメンはいつでもイケメンだけど、こっちはギャップ萌え。
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前半ののどかな盛り上がりから、後半のデスマーチへ。
名将イクタくんの善戦むなしく、巻頭カラー挿絵のお姉さんを初めとして、人がたくさん死にます。
次回は恐らくさらなる危機が…、でも今回残した幾つかの伏線を、イクタくんはどうやって使うんでしょうか。
スーヤ曹長、頭脳明晰な上官イクタ君にデレッデレ。なお、挿絵がない模様…。
イクタくんが周囲の女性を次々と攻略するのも、本作の痛快な部分だと思います。
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なかなかへヴィに戦争してますね。お蔭でイクタのゆるい態度がいい息抜きに感じられた。こっちを読み終えてから前巻のラストをさらっと読み返したけど、そういや帝国側は末期状態だったっけ。メイン以外で残された面子を見るとそれがよく分かるなぁ。
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『自分の臆病さを直視して、それを何とかしたいと思っている。
その時点で君はじゅうぶんに冷静だよマシュー。
___心配はいらない。君の震えは、
戦いの始まりと共に止まる』
しまった…次巻に繋ぐ引きだったか…
3巻出るまで我慢しても良かったな…
あ、今回ややネタバレ含むんで気になる方は回避で。
というわけで、思わず2巻も読んでしまったわけですが、
やっぱ面白いですね…
時々文章が詰まりすぎてたりとか、乱れたりするのは仕様ですねw
個人的に文章の上手さとかってそんなに気にしないタイプ
のはずなんですが、なんかこの作家さんのは気になる…。
頭に書いたイクタのセリフは、今巻のベスト。
裏切りフラグ立ちまくりだったマシューが、
なんか報われた瞬間でかなりグッときた。
あと、男子の猥談がぐっときたww
次巻気になるなぁ…早く出ないかなぁ…
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戦争は、よくない。
それに理由なんていらない。
前巻は模擬戦だったためハラハラ感や報われなさはほとんどなかったけど、今回は内乱とはいえ確実な戦争。
人がバッタバッタと死んでいき、また戦争の惨さも見せつけられます。
現代のラノベ界でこういうシーンをきちっとかける作者って貴重。
火の国風の国物語なんかもそうだけど、物語に深みが出てくるよね。
まぁ自分のようにキャラに感情移入して読むタイプには辛い描写の連続ですがw
イクタの智力で敵を乗り越えたり、ヤトリの武力で道を切り開いたり、騎士団のみならずサブキャラの活躍や男同士の猥談などなど、今回も見所たっぷり。
あぁ、早く次が読みたい!
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1巻と打って変わって本物の戦場ということで緊迫感が大違い。
そんな中でも、冷静沈着なイクタが非常にかっこよかった。
このかっこよさは1巻には無かった。
次巻は撤退戦という一番燃える展開なわけで非常に楽しみである。
死亡フラグ立ってる面々や出番の少なかった姫様がどうなるか期待。
…しかし…アルデラミンが北極星であの地図…そうかそういうこと…気づくのおせえよ俺
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評価:☆4.5
本格派ファンタジー戦記第二弾。
今回も面白かった!安定してますね。
用語や人物も増えてきてカタカナが多くなってきてるのにスラスラ読めるぐらいにはこの世界観にハマってるw
イクタは適当に見せかけて、誰よりも冷静で時に非情で現実見てるとこが好きだ。
無能な上官キャラってよくあるけどやっぱ腹立つなぁ(笑)
イクタ・ヤトリ・トルウェイの将棋勝負は見てみたかった。
デインクーン、清々しくて好きだったのに・・・(´;ω;`)
「ご無礼をばぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「お許しをばぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
には吹いたwww
ナナク・ダルとヤトリとの一騎打ちは燃えた!
回転剣舞は是非とも映像でも見たいね。
そして続く物語。
立ちはだかる絶望にどう立ち向かうのか、次巻も目を離せない!
「だってね、人はいつだって、状況の許す範囲でしか何かを遂げられないんだよ」
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戦乱渦巻く世界で生きるイクタ少年の半生を描いた作品の第2章。
今回は大アラファトラ山脈に守られた「シナーク族」との戦い。
相変わらずのイクタ少年の皮肉っぽさが心地いいですね。
死と隣り合わせの戦争をテーマにしているのにこの言動があるからうまく中和されているんでバランスが取れていますね。
前回より若干シリアスパートが多いが、イクタ少年の必死さが少なかったのがちょっと物足りなさを感じてしまいましたが、これからどんどん広がっていきそうな気がしますので期待したいですね!
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うーん、まあ面白いんだけど、あんまり楽しい話じゃないねぇ。
色々あるけど、暗い戦争の話にするなら可愛い女の子なんか出さないで欲しいし、可愛い女の子を出すのなら、あんまり暗い話にはしないで欲しいかなー。
創作物ってのはすべからく、作家の自慰行為の産物だと俺は思う。
読書は、読者が作家とおなじ価値観で自慰にふける行為だし、そうじゃなければ楽しめない。
作家と感覚がずれてしまうと、それはもう他人の気持ち悪い自慰行為を見せつけられるような不快感がうまれるわけで。
何つーか、悲劇を描くのは気持ちいいんだよね。
その気持ちよさを作者と同じ感覚で愉しめればそれは楽しいオナニーになるわけだけど、一歩引いてしまうと、何処かの誰かの脳内オナニーに付き合わされているような感覚にとらわれてしまう。
はいはい、かわいそうかわいそう。
悲劇の綴り方としては丁寧で上手だと思う。
カンナはこれでもかというほど死亡フラグ立てられるし、突然殺されるよりはマシ。
ただ、そんな話を読んでいて楽しいか?というと、楽しい訳がない。
作者は楽しそうだがなー。
個人的な好みで言うなら、カンナとナナクが男ならほぼ問題なかった。ナナク(男)はきっちり殺すこと。
さらに理想を言うなら、カンナは死亡フラグを立てまくった上で、きっちり納得の行く形で主人公が救うところを見たかった。
俺Tueeeなんだし、それぐらい痛快なほうが楽しい。
ナナクに関しては、シナーク族の族長をナナクの父か兄にすべきだったな。
そのほうが骨太になるし、説得力もある。
だいたい、設定年齢19歳とはいえ、挿絵的にはどうみても小学生みたいなロリが族長やってるってのが苦しい。
そんなラノベ設定であんな重い展開にされると、読んでるほうとしては戸惑うわ。( ゚д゚)
帝国との戦闘で族長(父か兄)が死亡し、その後主人公がナナクを助けるって形の方が、ラノベとしては受け入れやすい。
次巻も帝国に協力するのはすべてのシナーク族ではなく、主人公達に救われたナナクと、ナナクが率いる一部の氏族のみって形にすれば無理がなかったと思う。
それなら、村焼き討ちみたいなゴアストーリーとも整合性は取れたんじゃないかな?
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姫様暗殺未遂事件から暫く.
今度は慣例行事的な北部に赴任.
そこで原住民の反乱に遭遇.
しかしどうやら裏で糸を引いている集団がいるらしく….
折角の新キャラのポニテちゃんが….
あとわかりやすい正義感の男とか(イメージはムキムキモヒカン)
ちょいわる上官殿とか.
次回,更に過酷な戦場へ?
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北域鎮台譚。
東部戦線での敗戦後に起きる、北方の少数民族シナーク族の反乱。
一方、周辺の宗教国家とその前提たる精霊の意味を背景事情に据える。
その上での直接的な描写は、帝国の国家としての質の低下、その原因としての支配・制御層の質の低下(一巻ラストの事情を具体化する)。
結果、無為でしかない形で喪われる命(敵は元より味方も)。
敗北を目標に据えさせられた軍人イクタ。ステロタイプ的な軍人の存在意義を正面から否定する物語を紡ごうとする著者は、戦死戦傷戦病の模様も逃げはしない。
かように、軍隊とは戦いの自己増殖の危険を孕む組織。換言すれば、自らの存在意義を示すために、つまり仕事をする(作る)ために何をするのか、しかねない組織なのかを理解すれば、故に適切な統御と従わせるべきルールが要るということが腑に堕ちよう。
怠惰かつ女誑しの軍人像を構築したのは、ステロタイプな軍人像の忌避というだけでなく、真面目な軍人の危うさと愚昧さを皮肉る意図すら看取できそうというのは、読み過ぎか。