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管理社会
2015/05/13 01:53
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投稿者:マック・ディオナー - この投稿者のレビュー一覧を見る
思考や行動がコントロールされていくことの愚かさ、恐ろしさを感じます。
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謎めいた科学者ラブスターの数々の大発明により、世の中はすっかり様変わり。
彼の発明により「運命の相手は別にいる」と計算されたせいで、一組の恋人たちは引き裂かれてしまう。一方、とほうもない力を秘めたひと粒の「種」をついに見つけたラブスターは、あと4時間で死ぬ運命にあった。彼らの旅路は、一億の星が降る夜に交錯する……。
優しくてちょっと奇妙な、世界の終わりと再生の物語。
2012年ディック賞特別賞受賞。
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ディック賞らしい
サッパリハチャメチャで、楽しさが理解できないまま読了。じっくり読めば楽しいのかもしれないけど、ラファティ並に理解困難。残念。
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ラブスター、インラブ、ラブデス、ラブゴット、一粒の種、一億の星祭…
一億の星祭りへと繋がる群像劇。
時間軸、登場人物がころころ変わるので読みにくいのだけれども設定がおもしろいので、意外とスラスラ読めてしまった。
アイデアは面白いけれどドラマは面白くない。
ついでにふろしきの広げかたが一時期のハリウッドSF映画を彷彿とさせる。
宇宙戦争とか、運命のボタンとか…この映画がさっぱり面白くなかったひとにはオススメしません。
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アイデアが奇抜なSF小説。一人の天才科学者ラブスターと、一組の熱烈なカップル、インドリディとシグリッドの物語。ラブスターは鳥類の研究者であり、「鳥信号」を発見したことから続けて様々な発明をしていく。どこでも相手と通信可能な「コードレス」、愛すべき伴侶を科学的計算によって見出す「インラブ」、遺体をロケットで打ち上げ燃やす「ラブデス」などを超巨大企業として、発明を活かした事業を展開していった。そして、ラブスターはさらに新たな発見をし、掌に小さな種を乗せながら死ぬ運命にあった。一方、インドリディとシグリッドはインラブによって計算されていない愛し合うカップルだったが、ある日シグリッドへインラブから計算された相手が通達され、幸せな二人の生活に戸惑いと混乱がもたらされてゆく。
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着想が奇抜。鳥信号、コードレス、インラブ、ラブデス、トラップ、ホスト、リグレットに始まって、ヴァイキング・センチュリー・フォックスやビッグ・バッド・ウルフ、ラブゴッドなど面白い発明や動物たちが多く登場してきて飽きさせない。「キツネの皮を婦人用のコートに仕立てるのに手間がかかるのでキツネを婦人のスタイルに改良して効率をあげることを考えている」「ビッグ・バッド・ウルフは人を丸呑みするが、スタントマンを育てるのがもったいないので溶かさずお腹のジッパーから出すし、出た者をみなオオカミは母性で慈しむ」など、おかしみがある変な話が繰り出されて脱帽した。
基本的には消費資本主義批判とも取れなくはなく、コードレスの発明がありったけ広告業界に利用されており、欲望と金と権力の道具にされているところが興味深い。現代社会も少なからずこうなってゆく要素はあるのかもしれない。
前半はテンポがちょうどよかったが、後半、とくにシグリッドとペル・ムラが会うところから急激に話の展開が進み、B級感が強くなり、どんどん強くなったままで終わる。もっと紙幅を割き、前半と同様のテンポで進めばより良い作品になったのではないかという感じ。