電子書籍
難しかったがおもしろかった
2018/11/05 23:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黄梔香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
うまく言葉で感想が述べられないが、わからないながらもウパニシャッドに記されていたことが少し“感じられる”ような気がする小説だった。すとんと腑に落ちるというのではなく、じんわりと染み込んでくるような感じ。
紙の本
伊坂幸太郎?
2016/05/21 01:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
各エピソードは意外と面白く、筆者の力量を感じた。しかし、なぜフランス革命とムガール帝国?しかもメジャーからはややずれた人選。伊坂幸太郎のテイストを感じた。三つのエピソードに明快なつながりが見えないので評点は下げたが、読後感と満足度はなぜか高い。不思議な小説。
投稿元:
レビューを見る
久々に強烈な内容の本を読んだ気がする。
「知恵の書」という一冊の本を巡り、国も時間も登場人物の身分や職業も何もかもを超えて、魂が巡っていく壮大な展開、一つ一つの章がかけ離れてるようでいて収束していく後半が、精神や感覚的なものを揺さぶってくる、何とも言えない読み心地が面白いやら、気持ち悪いのやら。
派手な展開ではないけど、目の離せない面白みと、最後の文の心地良さが半端ない一冊でした。
☆4をつけたけど、人にお薦めするかと言うと悩ましい問題かも……;
自分の立ち位置とか生きることに迷った時、読むとなんとなく道が開けそうになりそうな?そんな気分になる一冊。
投稿元:
レビューを見る
『ウパニシャッド』にまつわる3つの時代と場所と登場人物で紡がれる重厚なストーリー。サンスクリット語の原典をペルシア語に訳させたインドのダーラー・シコーとムガル帝国の内乱、ペルシア語『ウプニカット』のラテン語訳に取り組んだフランスのデュペロンとフランス革命、そして現代の東京やインドの混乱の中『智慧の書』(ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』)を受け継ぐ隆。
題名のイモータルは不死者の意、原題は『不滅の書』と知った。アートマンたる個々の現れの根本にあるブラフマンの全体性に導かれ、感じ取り、覚悟する主人公たちに学ばされる。
19-20
投稿元:
レビューを見る
わたしには難しかったです。
最後の話はそれなりに興味をもって読み進められましたが、全体的に好みではなかったです。
投稿元:
レビューを見る
帯に惹かれて手に取ってみました。
う~ん。人生を変えた一冊、とか大仰な帯でしたが私の人生はさほど影響を受けなかった感じ。読む時期とかタイミングもありますしね。
前世とか転生を言いだす人って大体歴史に名を残した人や、身分の髙い人の生まれ変わりだ、みたいな事を言うなぁと友人が言っていたのをふと思いだしました。確かに。名も無い庶民の方が相対的に数は多いはずなんですけれどもねぇ。
そう言う意味では智慧の書?に感銘を受けた「俺たち」「私たち」が著書に携わった彼らの意志を継いだ後継者と書かれてたらちょっとは違う感想だったかもしれないけれども。
個人的にはあまり合わなかったかな、という感想です。
投稿元:
レビューを見る
不動産会社で働く鬱っぽい家族持ちの男が、書斎にあった兄の本(『智恵の書』(これがインドの古い思想書「ウパニシャッド」とそこから影響を受けたショーペンハウアーの『意志と表象の世界』)をきっかけに、インドで行方不明になったお兄さんを探しにインドへ行き、「ウパニシャッド」の翻訳に関わった実在の人物(ペルシア語からラテン語に翻訳した18世紀末のフランスの学者デュペロン、その前17世紀にサンスクリットからペルシア語に翻訳させたムガール帝国の皇太子シコー)の記憶の追体験をする、という話。
この本も、前の『キャベツ炒めに捧ぐ』と同じNHKの「プロフェッショナル」という番組で特集された北海道の本屋の岩田さんの話で紹介されていたので、借りてみた。
あらすじだけでボリュームがあるけど、特にデュペロンとシコーの歴史小説みたいな部分は読み応えがあって、まさに手に汗握るという部分もあり、面白い。アートマンとかブラフマンとか、高校の倫理で名前だけ聞いたようなインド哲学の話も出てきて、興味のある人にはその部分も楽しめるかもしれない。
(ここから一部ネタバレになります)
ただそれに比べて肝心の主人公とお兄さんの部分の話は微妙というか、歴史小説的な部分とのバランスが取れていない感じがして、全体としてはすごく素晴らしいという感じではなかった。インド哲学の部分も、そんなに思考する程の難しいことは書かれていなくて、サラッと終わっているので物足りない。もちろん、全部を一気に読んでしまうほどの引きつけるものがあるので、全体としては面白いことに間違いはないんだけど。
この本はその前日ワクチン接種2回目を終えて、だるくて微熱がある中で1日で読んでしまったが、途中変に体を動かして激痛が走った時に読んだ部分が「足元に小さな血だまりができていた。出血が止まらない。立っていられなくなり、しゃがみ込む。音を失ってもこの世を感じる」(p.331)という、その前に残虐な場面があった後の部分で、本当に気持ち悪くなり、本をいったん閉じてしまったことが何とも印象的だった。(21/08/04)
投稿元:
レビューを見る
現代小説としたが、時空を超えた哲学小説とでもいうべきか。主人公が死んだ兄が残した「智慧の書」に導かれて物語はインドへ。そしてウパニシャッド、ショーペンハウアーを経て再び現代へ。ムガル帝国の皇子、革命期のフランスの学者、様々な時代と場所を経て結実した哲学の神髄に迫る壮大な物語。面白い。言葉の持つ意味とそれに命を賭けた人たちが繋げた哲学が現代に蘇るのか。
投稿元:
レビューを見る
プロフェッショナルで紹介されていたので読んでみた。が、正直よくわからなかった。まだ時期じゃないってことか?
投稿元:
レビューを見る
哲学的な部分ははっきりいって私のような初心者にはわからない。哲学とは答えが無く不親切で「自分で考えろ」と突き放すイメージだったけれど、読後もそのイメージはあまり変わらなかった。
ただ「智慧の書」にかかわったデュペロンやシコーの物語は歴史モノとして面白い。
万人受けする内容ではないのである程度読書の下地がある人でないと楽しむのは難しいのではないかと思う。私も理解はできなかったので説明できないのだけれど、グイグイ読ませる何かしらの魅力はあった。
投稿元:
レビューを見る
覚えていないけどこれくらいの評価。覚えていないところのこの本の評価がある。思想をめぐる旅だが、そこまで深い想いがわかなかった本、
投稿元:
レビューを見る
読書録「イモータル」3
著者 萩耿介
出版 中央公論新社
p20より引用
“ わからなかった。真剣に生きた人なら、
もう一度人生を求めるのではないか。前向き
な姿勢は変わらないはずだからだ。しかし、
すぐに気づいた。この世の悪意にさらされな
がらも真剣に生きた人は十分に疲れている。
長い戦いを終え、憔悴しきっている。だから
二度と人生を求めることはないのだと。”
目次より抜粋引用
“扉
言葉
予感
信頼
憧れ”
時代を越えて伝え続けられる伝承と、それ
を後世に残すために尽力した人々を描いた長
編小説。同社刊行作「不滅の書」改題・改稿
文庫版。
十五年以上前にインドで行方不明となった
兄の足跡を追い、インドに入国した隆。兄は
何を考え消息を絶ったのか、自身の悩み苦し
みとも混じり合った感情と共に、答えを探し
て動く…。
上記の引用は、主人公・隆の兄が残した「智
慧の書」の中の、赤線が引いてある場所につ
いての一節。“「思慮深く誠実な人は、その
生涯の終わりに際して自分の人生をもう一度
繰り返したいとは決して望まないだろう」”
という部分に引いてあったとのこと。やり直
したい繰り返したいと、最後の時に思わずに
いられるように、精一杯日々を過ごしたいも
のです。
主人公は一応現代人の隆なのでしょうか、
「智慧の書」を現代まで繋げてきた人たちに
ついての描写が多いので、主人公と言ってい
いかわかりません。
時間も場所もあちこちに飛ぶので、読みにく
く思われます。かといって、時系列順に並ん
でいたら、それはそれで面白くないのでしょ
うね。
この作品を本当に楽しむには、わたしの知
識は足りていないように思います。歴史・哲
学に造詣が深い人が読まれれば、もっと評価
の高い作品ではないでしょうか。
ーーーーー
投稿元:
レビューを見る
目頭が熱くなる。そういう生体現象は何ゆえに生じるのでしょうか?
本書の登場人物らの「知への一途さ」に心を鷲掴みにされました。
この経済社会に身を置いて暮らしている私たち。俗世間の歪みや矛盾や機微、からくり。そういうものに多かれ少なかれ、そして、否応無しにさらされています。それを踏まえてどのように生きるか、というのは多くの人の深層に伏流しているテーマだろうと思いますが、その部分を抉り出してくれる怪作ですね。
哲学関連の本が好きな人(私を含む、普段あまり小説を読まない人)にもオススメです。
何度か(何度も)読み返していますし、また折を見て読むことになるでしょう。
そして同じところでまた目頭を熱くするのです。
投稿元:
レビューを見る
思考を深める人は、世間とは隔絶されてしまうのかもしれない。いい、わるいはない。いかに生きるか。選択するのでもない。ただ、そうあるのだろう。
投稿元:
レビューを見る
「智慧の書」の翻訳の歴史を巡る現代の弟の話。歴史の現場に立合う系の話は大好きなのでどの場面も感動した。数ある歴史的名所を現代における建築美と経済的価値ではなく、本書のような感慨を持って訪ねられたらいいな。幅広い知識に興味のあった若い頃の自分へ感謝しながら読む本。また表紙がいいよね。ウパニシャッド哲学の本書で言いたいところがこの象に集約されてる。インドや中東、アフリカの民族音楽を聞きながら読みました。