電子書籍
2回読みたいと思った本
2022/04/03 01:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:孝ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「幕末の青嵐」の後に読みました。
「幕末の青嵐」は幹部の話、こちらはその下にいた名も無き隊士の話です。
幹部(近藤や土方や沖田)については新撰組好きなら人は知ってることが多いと思いますが200名くらいいた名も無き隊士の苦悩を知る人は少ないと思います。
私もその1人でした。
大きな組織の中での苦労と挫折、この時代のだからこその運命を描いた非常に分かりやすい本です。
幕末には詳しいと思っていた私ですが読み入ってしまいました。
長編ですが読む価値あります。
幕末好きの方にはお薦めです。
電子書籍
小説としてはいまいち
2018/01/06 04:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
目まぐるしく情勢が変わっていく中で、何を目指して、何を為すか、情報が錯綜する中で考えて決断していくのはさぞかし難しいことだったろうと思います。『新撰組 幕末の青嵐』同様登場人物たちは色々と思い悩んでますが、クローズアップされている人数は少なく、出来事を客観的に(誰の視点でもなく)描写する部分が多くなっています。
小説としてどうか、というと可もなく不可もなくという感じがします。構成は『新撰組 幕末の青嵐』の方が変わってて面白かったと思います。
投稿元:
レビューを見る
走っても走ってもどこにもたどりつけないのか―。土方歳三や近藤勇、沖田総司ら光る才能を持つ新選組隊士がいる一方で、名も無き隊士たちがいる。独創的な思想もなく、弁舌の才も、剣の腕もない。時代の波に乗ることもできず、ただ流されていくだけの自分。陰と割り切って生きるべきなのか…。焦燥、挫折、失意、腹だたしさを抱えながら、光を求めて闇雲に走る男たちの心の葛藤、生きざまを描く。
伊藤派に焦点をあてていて、伊藤派の成立から油小路の変までがメインに描かれている。
監察の二人と斎藤さんにときめく!!!新撰組のラストは辛いのに、最後の1ページで思わず顔が緩みました。やっぱり木内さんの描かれる新撰組は大好きです!
ただ、安部さんが最後までつかめなかったのが唯一の心残り・・・
投稿元:
レビューを見る
近藤が狙撃されるまでの話を、狙撃犯の一人である阿部十郎が語る場面から始まる。その他、尾形俊太郎がメイン。
視点がよく変わり、変わったことが分かりにくい点が読みにくいが、それさえ除けば物語は楽しめる。誰もが土方を意識している点と、山崎のキャラが良い。
投稿元:
レビューを見る
『幕末の青嵐』に続く、木内さんの新選組モノです。
“裏表録”という題名の通り本書は、あまりスポットのあたらない、安部十郎、篠原泰之進、尾形俊太郎の3人の視点で、話が進んでいきます。
彼らの目に映る新選組、とくに伊東派の内部の焦燥が痛いほど伝わってきます。
そして、斎藤は本書でもいい味出しています。
あと、何といっても監察方・山崎蒸の仕事師っぷりが良いですね~。
投稿元:
レビューを見る
湿っぽい話になりそうだと「あ、そや」とさも用事を思いだしたかのようにいつの間にかいなくなってる山崎さんが良いキャラです。あと木内さんの描く斎藤さんは味がありますね。
投稿元:
レビューを見る
このひとは人間を描くのがすごくうまい。それぞれのキャラが個性的で活き活きしてる。いいひとも嫌なヤツもみんな、自分のすぐ側にいる人間のよう。
この話は、一般的にはそれほど有名ではない隊士に光を当てている。阿部十郎、篠原泰之進、尾形俊太郎の3つの視点を軸に、物語は進む。
ストーリーは、幕府が急激に傾いで王政復古の大号令が出るくらいまでの頃(新選組的にいえば伊東甲子太郎が新選組を抜け、殺されるくらいまで期間)の話。
尾形俊太郎、これまでほとんど意識したことなかったんだけど、この本だとすごくいい味出してる(笑)。ブレない男、山崎や無口で一匹狼な斉藤との絡みがとてもいい。
篠原泰之進はまっとうでいい男で、伊東に最後まで付き従っていった理由がとても納得できる形で描かれていた。
この本を読むと、伊東がとても好きになる^^
阿部十郎はなんかもう人ごととは思えない。
阿部の抱いている屈折は、誰もが目を背けたくなりつつも、誰もが多かれ少なかれ感じたことがありそうな感情。
よくわからないまま流されて生きていることに嫌気がさしていても、どうにもならない無力感だとか。それでも人との繋がりに救いを感じたりだとか。
そういう心の動きがとてもリアル。
しかし、最後の終わり方は三者三様ともに救いがあると感じた。途中鬱々としつつも、読後感は悪くないです。
ちなみに、この話でもやはり土方さんは素敵。常に冷静でありながら、情もある。型にはまらないのに、筋が通ってる。
そんな土方が支える近藤さんも素敵。一つ事を成し遂げた風格のある男として描かれています。
(視点である3人が仰ぎ見る対象として、素敵度が増しているのかもしれないけど)
沖田は相変わらず感覚だけで現実をつかみとる不思議ちゃんでかわいいんだけど、「幕末の青嵐」よりも黒さ・不気味さが増してる(笑)。
(これも視点である3人が、ある意味で畏怖の対象として見ているからかな?)
投稿元:
レビューを見る
『幕末純情伝』や『壬生義士伝』など様々な新撰組ものの傑作を読んでしまい、もう新撰組もので面白い小説には出会えないんじゃないかと思っていた。見事にその予想を裏切ってくれました。
“裏表録”というだけあって、阿部十郎、尾形俊太郎、篠原泰之進、伊藤甲子太郎、山崎蒸、三木三郎などメインの人物選びからして絶妙。とくに三木のキャラクターは秀逸。
伊藤たち御陵衛士を中心に書いているので初心者向けでないかもしれない。新撰組について多少知ってから読む方が楽しめる。
描かれているのは時代を切り開いた英雄ではなく、時代に翻弄された男たち。
とくに主人公のひとりである阿部十郎の生き方は「己の行く先に、なんら光を見出していない」と言われるほど。
何が正しいのか、そして自分が何をしているのかもわからない激動の時代。
誰もが自分のしていることが国のためになると信じて行動してきたのに、自分の重ねた罪だけが確実に積み重なっていく。
努力するほど報われるのでも正義が勝つのでもない時代。それに翻弄されてしまった人たちは馬鹿でも何でもなく、ただひたすら悲しい存在だと思う。
美化して気休めの希望を付け足すより、こうやって歴史の持つ暗さも書いてくれた方が読んでいて落ち着く。
投稿元:
レビューを見る
『新選組 幕末の青嵐』を完読後、すぐに手をつけた。これもおもしろい。土方歳三や近藤勇といった幹部隊士の視点や、敵対する長州藩士、薩摩藩士などの視点からではなく、下っ端隊士の阿部十郎や伊東甲子太郎と共に入隊した篠原泰之進などの視点を使い、特殊な方向から見た新選組を表現している。
これまでの作品では感じ取ることができなかった新選組がここにはある。
投稿元:
レビューを見る
歴史と言うのはスターだけでなく沢山の脇役も作ってるんだな。
また、新撰組の男臭い繋がりが好きです。
とても女性が書いたとは思えない!
投稿元:
レビューを見る
地味な立場の人から見た新選組の裏側のあれこれ。
キャラクターは基本的にできあがっていて、読みやすい。
斎藤一はオダジョーで読んでしまうなあ。
沖田は意外に顔が定まらないけど。
新選組を全然知らなかったらちょっと、とっつきにくいでしょうけど。
変わった角度からの眺めで、細部に興があります。
一般人には激動の時代は辛い。
何もない所から作り上げられる人もいる。
土方はものすごく怖い。
傍にいるのは大変そうだけど、一瞬の輝きを見ることも出来る…?
投稿元:
レビューを見る
安部十郎、尾形俊太郎、篠原泰之進らの視線から、激動の時代を流され、或いは駆け抜ける周囲の人々を描く。
脇を固める山崎と斎藤が印象深い。
近藤の為に新選組を組織した土方さんと、土方さんに対抗心を燃やす三木三郎。
三木三郎というと伊藤の実弟というだけで取り柄のない人物像が焼き付いているが、ここではそれを覆す人物像で描かれている。
投稿元:
レビューを見る
尾形俊太郎、阿部十郎、篠原泰之進が主人公。激動の幕末にありながら「人に動かされる側」の彼らの目から見た、新選組と歴史の行方。
主人公がマニアックなだけに色物系かと思いきや、なかなか骨太で正統派の小説でした。派閥の中心に属さない人の目線、っていうのが生きてたと思う。阿部の夢も希望も無いただただ卑屈な行動は読んでいるこっちまで滅入ってしまったけど、それも含めて生々しい人間というものを見せてもらった、という感じ。
伊東甲子太郎の生き様が特に格好良く描かれているので、御陵衛士好きに、また逆に試衛館派にもお薦めしたい。
投稿元:
レビューを見る
新選組主要メンバーから外れた陰の隊士達にスポットをあてた話し。
彼ら自身の生き様、また彼らから見た土方や近藤像や、伊東像などが描かれていて、非常に面白かった。
読んでいておもしろおかしい訳でもないし、どちらかというと屈折してるわ、思い詰めてるわ・・・・こちらまで気鬱になりそうなところも多々なのに、読後感は存外に爽やか。
飄々と大阪弁をまくしたてる山崎さんが素敵だったわ♪
ほんで、初めて伊東甲子太郎の死に切ないものを感じた・・・
投稿元:
レビューを見る
『幕末の青嵐』のあとに読みました。
裏表録と言うだけあって、『幕末の青嵐』は表、『地虫鳴く』は裏の物語。
青嵐と同じように章ごとに視点がかわり、それぞれの人物を見れる。
阿部の人間臭さが愛おしい。
あと山崎烝のしゃべり。
尾形と関西弁でペラペラしゃべってる。
山崎ファン必見です。