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台湾で大ヒットした映画のコミカライズ。
舞台は戦前、題材は甲子園、主人公は台湾代表。
弱小と蔑まれていた台湾のとある学校が、
一人のコーチをきっかけに台湾の代表となり、甲子園に出場するまで。
史実をベースとして、八田與一さんも織り込みながら、
台湾に“野球”という文化が定着するきっかけとしても。
なお、軸となる学校“嘉農(嘉義農林学校)”は、
漢人(台湾人)、蕃人(高砂族)、日本人(内地人)という、
3つの民族が混在していたとの点が、興味深く。
そして、その中で日本人による差別の風景も描かれています。
ですが、そんな風潮に乗ることなく、ただ、その能力と、
強い想いだけでチームを組み立てたのもまた、日本人でした。
“球(たま)は霊(たま)なり”
決して“あきらめない”、その気持ちを叩き込んだのは、
近藤兵太郎という、一人の日本人。
1920年に、世界で初めて人種差別撤廃を訴えたのは日本ですが、
それが決してあまねくオーサライズされていたわけではないと。
同時期にカナダで差別を受けていた日本人の野球チーム、
それを題材にした『バンクーバ朝日』と併せるのも面白く。
ちなみにこちらの映画も日本で公開されるようで、
永瀬さんや坂井さんが出演されているようです。