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良くも悪くも素直な、まさしくキャラクター文芸です。
表紙や帯に書かれている「三人のフリーター」のキャラが際立っているし、それぞれ特徴が異なり、台詞も特に説明を要することなく誰がどのことばを発しているかわかるあたり、キャラクターの造形は魅力的。個人的には浪漫研究家の有坂さんがすごく好きです。若い子から大人まで楽しめそうな、わりと王道のお話。
ただ、ミステリとして読むのなら、内容・展開はわりとありきたりだと感じます。のっけの登場からこいつクソ怪しいな~~と思っていたらその通りの黒幕で、それが冒頭の良くも「悪くも」素直な話だと感じた理由です。もっとも、ミステリという枠組みで無かったら申し訳ないのですが……。予想や「こうなるだろう」という期待を裏切ったりはしないので、最後まで楽しく読める作品かと。
ただ、これは作者さんというより出版社サイドへの疑問なのですが……一度ルビを振った単語にまた何度もルビが振られていたり、わりと一般の小説にはルビなしで登場するような単語にもルビが振られていたりして、見難かったりしたページが幾つかありました。時代が題のとおり明治期なので、ある程度地名や国名などルビを振らなければならないところがあることは分かるのですが、すごく謎基準だなと気になりました。
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おもしろかったです。寅ちゃんのあの性格は兄姉たちが猫かわいがりした結果だろうなあwww バックが心強いから堕落者できるんだなあ( ̄▽ ̄;)
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役者、絵師、学者と非常にその時代における華やかな(?)職業のようで、けれどただの無職とは惹きつける要素がてんこ盛りで面白かったです。
疾走感があって読んでいて飽きさせなかったですね。大正の頃の横浜は知らないけれど非常に詳しく魅力的に書いているのがよいと思いました。
ミステリとしてはやはり、ですよねーという展開でしたが主人公の家族構成があれなので他の二人も予想だにしない何かを秘めているのかなという楽しみがあって次巻が気になります。
個人的なポイントとしては、上がり症な主人公が、舞台以外ではガラスの仮面ばりに役に入り込むところがギャップがあって最高でした。
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明治時代の雰囲気とかファッションとかが好きで買いました。
横浜を舞台にしてそれぞれ役者、発明家、画家を目指すも定職につかない3人の若者が活躍する話。
ミステリー要素はそんなに深くはないのですがテンポがよくサクサク読めました。
それに出て来るキャラクターに嫌味がないという意味で癖があってそこが楽しめる点かな。
しかもいいとこのボンボンで跡継ぎ争いなどとは無関係な様子。
最初はどうして寅太郎は演技力はあるみたいなのにそこまで上がり症なんだろう?って思ったら最後まで読んでようやくわかりました。
あんな兄妹いたらそりゃそーなるわ(苦笑)
それにしても洋菓子屋の愛さんは飄々としすぎているくらいだけれど一体何者・・・?
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気弱なおぼっちゃんをとりまく変人たち、できのいい兄弟に甘やかされてうんざり、などよくある設定だけど芝居がうまいところが独特か。気楽に読める。
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書店の横浜特集コーナーで見かけて気になっていた一冊。明治の横浜を舞台に、堕落者(=フリーター)3人が事件に巻き込まれていくお話。タイトルとあらすじからミステリーなのかなあと想像していたため、実際そうではなかったので少し消化不良でしたが、3人がやいのやいの言いながらも問題を解決していく様子はいいチームだなと思いました。冒頭、自転車のチューブのくだりは久しぶりに聞きました。思わずクスリとしてしまいました。(図書館)
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面白かったー。
役者志望で演技力抜群なのにあがり症、精密画ならお手の物なのにシューリズムに拘って売れない画家、頭脳明晰なのに浪漫発明家、すごい才能の持ち主なのに何処か駄目な3人組が事件を解決する。
面白かった、けど天空が黒幕って言うのは残念だった…。
4人組でちぐはぐ頑張って行くのかと思ってたので。
西さん親子は阿片中毒から抜け出したのかな。
佐治さんも一緒にやり直して欲しいな。
2巻も出てるらしいのでそれも読みたい
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ハリー彗星がやってきて、世界は滅亡、という騒動が。
その片隅で、やりたい事だけをやり続ける3人+1人。
自分のしたい事だけをする、という発想が出てくる時点で
いい所のお坊ちゃんだろう、とは思ってました。
周囲に集まってきてしまった人達も、変人とはいえ
同じ事を言っているという事は…でしたし。
こういう場合、一人真面目なのが迷惑を被るという現実。
一応手に職(?)を付けている人も出てきますが
まさかの展開、でした。
そこに繋がるのか! というのもありましたが
温和そうに笑っているのが一番…という
分かりやすい図式。
確かに、救いはあるやもしれません。
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明治末期の横浜を舞台に、上がり症の役者の寅太郎、腕はあるのに描きたいのは売れない絵の画家の谷、浪漫研究家として発明を繰り返す有坂が、定職に就かずにフリーター的な堕落者として邁進する。ハリー彗星の噂に慄いた自殺者が増えた影の破壊僧と阿片騒動。わいわいがやがやした三人や周囲の人たちの有り様が楽しい。
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あっという間に読了。ほぼ漫画ですねー。
明治時代の横浜を舞台にわちゃわちゃした主人公3人。お決まりのように、変人チックな堕落者達だけどなぜか気が合い、なんだかんだと仲良し。
怪しい人物と渡り合って事件を解決し、実は3人の正体は金持ちの息子たち…みんなのヒロインも登場し、西洋菓子もちょいちょい挟まれる。
ほか作品でも読んだような…とにかくテンションの高さにちょっと閉口。
中学生とか高校生くらいの時ならハマったかも。とはいえ嫌いではないかなー。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2015/05/post-d2ec.html
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「横浜にて、堕落者一堂に会す」
夢を追いかけるが故に。
仕事を掛け持ちする訳でも無く、才能を認められぬまま思い描いた理想ばかりに縋るのは少し違うのではないだろうか。
世間が目を向けても興味を抱いて貰えぬという事は、所詮その程度だったということなのでは。
「ハリー彗星の夜に」
隠れた才は姿を見せず。
本来の自分を力を見せれば誰しもが足を止めそうだが、それを披露出来ていないからこそ二人は今の状態なのだろうな。
学がいくらあったとしても、独り孤立していたら仮説を解いたとしても誰も耳を傾けないのでは。
「彗星中心の秘密」
考えるより先に行動を。
何処に何をしにいったのか分かっていたのなら、誰かに巡査へ報告するよう頼んで行けば良かったのではないだろうか。
直感で動くのは悪くないと思うが、ここまでお人好しが過ぎると生きている事すら奇跡に思うな。
「水谷巡査、亡霊に対す」
化けてまでしたかった。
どれだけ重い罪を侵したとしても財力と権力があれば、軽罰程度で済んでしまうというのは納得出来ないが事実だよな。
取り締まる者が本来の力を発揮出来ないと、どれだけ重い罪を重ねても野放しのままなんだよな。