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みんなのレビュー23件

みんなの評価4.5

評価内訳

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23 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

本当に悪い皇帝たちであったのか?

2007/08/03 13:50

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書に収められているのは、初代ローマ皇帝アウグストゥス死後に現れた4人の皇帝、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロとそれぞれの時代についての物語である。アウグストゥスの養子だったティベリウスはクラウディウス家、それ以外はアウグストゥスのユリウス家の血を引くそれゆえ、彼らの統治をユリウス・クラウディウス朝という。そして、4人の皇帝はこれまでのローマ史においては一様に評判が悪く、それが本書のタイトルにつながっている。
 作者の塩野は、これら悪名高き皇帝たちに新たな光を当ててやることにより、ある者は英君として浮かび上がらせ、またある者には何らかの名誉回復を試みている。殊にティベリウスの再評価は、力強く説得力に富んだものとなっていて、彼がいまだ発展途上にあった帝政ローマの安定に大きな貢献をした皇帝であることが、よく理解できる記述になっている。晩年は一人孤島に住み、市民との接触を絶ったばかりでなく、遠くから元老院をあやつる一種の恐怖政治を行い、加えて国民の評価などいっさい気にしない性格ゆえに、生前から評判の悪かったこの皇帝の業績を正当に評価した点は、作者の大きな功績としてよいだろう。
 またクラウディウス帝の、地味だがこつこつ仕事をする姿も、非常に好感がもてる。甥カリグラ帝の暗殺によって、それまで歴史家として陽の当たらない生活を送ってきた彼は、望みもしなかった皇帝の地位に半ば強制的に就かされるが、承諾した以上、まじめに職務をはたそうという義務感だけでそれを果たした。まったく威厳をもたず、ただただ仕事の虫のような性格が、部下や妻の放縦を許し、側近政治をはびこらせる原因となったのは否めないが、前帝の失策を補う立派な仕事をしたといえるだろう。
 カリグラとネロはどうひいき目に見ても、悪帝と評価せざるを得ないが、彼らにも評価ないし同情すべき点はある。ネロは東の隣国パルティアとのあいだに平和協定を結び、その後の帝国東方の安定に貢献した。
 幼年時代、前線の兵士たちから「ちっちゃなカリガ(兵士の靴)」と可愛がられてその愛称で呼ばれるようになったカリグラは、兵士からも市民からも熱狂的に迎えられて皇帝となった。彼は、そんな国民からの信頼と愛情を得ようと、市民の見せ物などのため国庫を浪費し、国家を混乱に陥れる。悪政をくりかえす彼を暗殺したのは、幼少時に彼を可愛がっていた軍人の一人で、護衛隊長のケレアだった。暗殺実行後の彼は、まるで世間に迷惑をかけた不肖の息子を成敗した父親のように、従容として死刑台に向かったとある。運命によって暴君となってしまった男と、彼を手にかけねばならなかった側近のともに哀しい最期であった。
 共和政から帝政へ。一人の人間に権力が集中する政体への移行は、以前には見られなかった権力争いと人間の欲に起因する数多くの悲劇を生んだ。ローマ人のからりとした気質に晴れ晴れすることしばしばであった『ローマ人の物語』も、この巻以降は、陰鬱な気分の方が強くなる。それでもアウグストゥスの始めたパクス・ロマーナは着実に続いていった。本巻終わりに描かれるネロ帝の自滅までは...

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紙の本

第2代皇帝

2023/03/18 15:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

文字通り1000年帝国となった古代ローマ帝国の長命な理由を考えたとき、カエサル アウグストゥスだけでは不足で、第2代皇帝ティベリウスを加えて初めて盤石の体制になった と作者塩野七生は主張している。一般的には「暴君」と言われていた第2代皇帝ティベリウスであるが、盤石にするためにはもうひとり必要だった と言われるとそれももっともだろうと思わされる説得力がある。

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帝政初期の皇帝たち

2024/01/15 21:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る

悪名高き皇帝たち。
神君アウグストゥスの後に続いた四代に渡る皇帝たちの物語である。
あれほどまでに自分の血を継ぐものを継承者にすることにこだわったアウグストゥスだったが、その後を引き継いだのは妻リヴィアの連れ子だったティベリウスである。
ディベリウスへの皇帝指名は、アウグストゥスにとっては姉オクタヴィアの孫に当たるゲルマニクスが成長するまでの中継ぎだった。
カエサルが構想し、アウグストゥスが実現した広大なローマ帝国を、ティベリウスは適正に管理し強固にした。
このティベリウスの管理の範囲は経済、軍事の多岐にわたって人と物とを育てる結果になっています。
そのおかげで次代のカリグラ、そして一代おいてネロが無能にも蕩尽できるほどの蓄えがあったくらい。
平和と繁栄を享受したはずのティベリウスの統治を、ローマ帝国の人々はなぜ悪名としたのだろうか。
それはティベリウスが徹底した合理主義者であり厭世家だったからだろう。
首都であるローマさえも捨ててカプリ島に隠棲することで、ローマの首都としてのメンツを潰し元老院の無価値さを喧伝したからだ。
アウグストゥスのように民衆の機嫌を取る必要が、名門出身のティベリウスにはなかったのかもしれない。
他人に、まして後世の人間にどう言われようともティベリウスは気にしなかっただろう。
彼にとって完璧なローマ帝国を作り上げたのだから。

老帝の後を継いだカリグラは、血統は父母ともに由緒正しくアウグストゥスにつながり、そして若く人気が高かった。
それがなぜ三年ちょっとの統治で暗殺されて終わる羽目になったのか。
実子であるドゥルーススについて徹底的に分析した文章を元老院に提出できるほどのティベリウスが、カリグラがどのような人間かを予測できなかったはずはない。
カエサルがアグリッパをオクタヴィアヌスにつけたように、誰かをカリグラに付けてやることもティベリウスならできたはずだ。
血統にこだわったアウグストゥスへの、ティベリウスの意思表示だったように思えた。

次の皇帝はクラウディウス、アウグストゥスが期待を寄せていたゲルマニクスの弟であり、カリグラの叔父に当たる。
ティベリウスの路線を踏襲し、ローマ帝国の維持管理にあたっていたクラウディウスが悪名高いのはなぜか。
それはメッサリーナ、そして皇帝ネロの母親アグリッピーナという二人の妻に依るところが大きい。
公人としてはうまくやっていけても、私人としては苦労人すぎて気の毒になるくらいだ。
しかし皇帝である以上、夫婦喧嘩に負けて妻の我が儘を通した結果として国が傾くこともあるわけで。
最たる例がネロを後継者に据えたことだから、結果論とは言え悪名高くなってしまっても仕方ないかと。

負のイメージで語られるローマ皇帝といえばやはりネロが一番有名ではないでしょうか。
母親の支配が強すぎて人間として失敗してしまったいい例で、これの規模が小さい版は現代にもあちこちで見ることができる。
皇帝であるよりも芸術家でありたいというその嗜好は、スッラにように仕事が出来てなおかつ公私を完全にわけることができれば許されたのかもしれないけれどね。
その芸術への傾倒ぶりに比例することない才能の発露は、ペトロニウスじゃなくても目を覆いたくなるもので。
この辺は名著『クオ・ワディス』をあわせて読みたいところです。
四人の皇帝たちについて、それぞれに詳しく面白く書かれていて非常に興味深かった。

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2005/08/11 23:05

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2012/09/10 19:25

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2010/03/13 17:08

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