紙の本
もっと本を読みたくなる本。
2020/03/28 21:43
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投稿者:なまねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本にまつわる諸々についての活字多めのコミックエッセイ。
取り上げられた本を一部あげてみる。
「偶然の音楽」ポール・オースター
「神聖喜劇」大西巨人
「最後の物たちの国で」ポール・オースター
「月と六ペンス」S・モーム
「一人の男が飛行機から飛び降りる」バリー・ユアグロ―
「中くらいの妻」日本エッセイスト・クラブ編
「変身」フランツ・カフカ
「よいこのめばえ」鎌田崇太郎
「発作的座談会」椎名誠他
「アインシュタイン博物館」杉本賢治
「赤毛のアン」モンゴメリ
「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル
「秘密」東野圭吾
「新解さんの謎」赤瀬川原平
その他多数
本の話だけでなく、歌人の穂村弘など、作者の交友関係や家族との関係性も描かれているのが面白い。
紙の本
本好き魂をくすぐる一冊
2002/05/14 11:23
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投稿者:ぐりぐら - この投稿者のレビュー一覧を見る
少女漫画家として活躍している著者の,本に対する思いが込められたエッセイです。
繊細…という言葉がぴったりあてはまる漫画の世界を持つ作者ですが、扱う本の題材はバラエティーに富んでいました。
漫画をからめながら、周囲の本好きの知人のエピソードをからめながら、“月と六ペンス”や“アインシュタイン”モノ、“不思議の国のアリス”にまつわる思いを淡々と語ります。
本に対する思い入れが本当に良く伝わってきて、本好きならでは!のエピソードが心をくすぐります。
“私はこれを読みきった!自慢”など、いちどしてみたいと思いませんか?
本離れといわれる世の中、なかなか読書で盛り上がれる機会がなくて、うらやましい限りです。
なかでも心に残る一言は“本を読まない人間は、信用できない。本を読まない人間は面白い?”でした。
そうよね、そうよね…と共感する部分が沢山あって,うなずきっぱなしです。
守備範囲は違っても、読書好きのひとにはたまらない一冊です。
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筆者のお母さんってすごい人だと思う。何でもできて主婦のプロって感じだけど(そんなの昔は普通だったんだろうけど)、情操面で何かが決定的に欠落してるのか、もしくは超克してるかのような……人物的な興味を禁じ得ない。
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本好きにはたまらない。読書の幸せに満ちた一冊。
母が愛する「赤毛のアン」、東野圭吾の「秘密」、オースターの「最後のものたちの国で」まで、あらゆる本を独断と偏見で紹介。本を愛するすべての人々が、読み終えた後、もっと本が読みたくなる一冊です。
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絶対持っているはずなのに、引越しのどさくさにまぎれて紛失した一冊。この時なくした本にはいまや絶版になっている画集も混じっていて、かえすがえすも悔やまれる。いつになったらあきらめられるのやら・・・。
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今まで読んできたこのシリーズの中では,
次に読んでみたい本が少なかったような気がする・・・。
でも,いろんなジャンルの本が紹介されているので,
毎回興味深く読めるので楽しい。
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本好きの本好きのためのコミック。
とはいえ、紹介いただいた本はどれもこれも一流どころ!?
これまでに読んだ本の中で~のインタビューのページではたじたじ。
さすが、本読みさんの友人の方々。
私の好きな、穂村さんも登場していて妙に嬉しくなりました。
でも、知らない本も多くて劣等感刺激されたので、星は4つ・・・
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本に対する愛情が深すぎて(?)
ゴミ収集所に捨てられている本は、見捨ててはおけない派。
とりあえず、キョリキョロと辺りを伺いつつ、
うんしょ、うんしょ(←かなり重い!)と何度も往復する自分はもしかしたら、
(変人)なのかな?
なんて、容疑がかけられていたが(自分に)
そうでもないのか、と、この本にて知ることができ、ホッとした。
案外、(狙ってる)人って多いんですね♪(お宝ですもの。^^♪)
それと、
著者と交流のある穂村弘さんの登場にテンションが上がった。
マンガ化されて出てきても、
穂村氏はあくまで穂村氏然としている様が面白かった。(^^;
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解説を先に読むか後に読むか。紐の栞はどこに挟んで読むか。お風呂での読書方法等々。読書に関する、些細なんだけど、それだけに十人十色でありそうな話が次々と出てきて面白かった。その人のこだわりとか、知らずのうちに身に付いた習慣。いろんな人に話を聞けば面白いだろうなぁ。
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故吉野朔実さんの母上様と、我が母親は非常に似ている。母と暮らした26年間を複雑な感情で振り返るほど、似ている。母も『赤毛のアン』が大好き、だけど数年前に終活だとあっさり処分した。母にとって物を溜め込む、とり置くことは罪悪かの如く物を持たない人である。だから子供の時のおもちゃも服も気が付けば消えていた。ただ父管轄下の書籍だけは魔の手から逃れられた(笑)そしてあの現実主義的性格で定年まで看護師を勤め上げたという・・・。ある意味天職だったのかな・・・・。
母のことは全て過去形で書いているが、まだ健在であることを書き記しておく(笑)
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図書館でなんとなく借りた本の一つ。
私は赤毛のアンが好きなので、
タイトルから赤毛のアンについての
考察だったりエッセイだったりするのかなと思っていたのですが、
著者含む読書家達によるエッセイ漫画でした。
赤毛のアンに触れるページが1コマあるだけで、
思っていた内容と違うので低評価です。
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タイトルから推測して、読む前は、内容全てが、吉野さんのお母さんのエピソードで構成されているのかと思い込んでいたので、最初こそ戸惑ったものの、読んでいく内に、その懸念は気持ち良く払拭されていった。
本書は、冒頭の漫画「オースターたち」のみ「ユリイカ(1999.1)」で、他は「本の雑誌(1996.11~99.6)」が初出である、漫画家吉野朔実さんの本の紹介から派生した、コミックエッセイとなっているのだが、彼女の凄いところは、たとえ本のタイトルを知らなくても楽しめるような、エッセイの内容の面白さにあると思う。
それは、読んでいくにつれて自然と実感させられた、真底、本が好きなんだなという、彼女の本に対する直向きな思いへの共感と、あとがきでも書かれていたように、一人で楽しむよりは皆に投げ掛けることを至上の喜びとする、彼女ならではの人との繋がりを大切にした本の楽しみ方と、あとはやはり、本を通して繋がる家族同士の温かい絆が、とても印象深く、これらで構成された、単なる本の内容紹介に留まらないエンタテインメント性には、これぞ『吉野朔実劇場』なんだと実感させられると共に、そこには、彼女の素の魅力が内包している。
例えば、シンプルな本に纏わるエピソードにしても、『自分で勝手にストーリーを展開させて、ひとりでぜんぜん違うところに行っちゃって、びっくりする(想像通りの展開であって欲しい訳でもない)』や、いっぱいある中でも、特に大事な本をすぐに持ち出せるような、『もしも袋が実家に2つある』の、「そうそう、分かる、分かる」と思わず肯いてしまう中にもあるチャーミングさが、もっとさばさばした姐御風のイメージを抱いていた私には、意外で面白く、もしも袋は、私もたまに考えるんだけど、実際に行動に移さない時点で、本の愛が足りないなと思う一方で、限られたスペースに何を選ぼうかと考えるのが楽しくて、いつも、そこで完結してしまうんですよね。
また、皆に投げ掛けるテーマで面白かったのは、『栞(またはスピン)』は、何を使ってどこにどうやって挟むか議論が、人によって、こんなにも変わるのかといった、その人の読書の嗜好性とも結び付いているのが興味深く、もう一つは『私はこれを読み切った自慢』で、これは男女それぞれにあるのが、また面白く、男性編では、私が彼女を知るきっかけとなった歌人の穂村弘さんが、ものすごいイケメンで描かれているけれども、それに反して、読み切らなかった本ばかり挙げている、煮え切らない答えに思わず笑ってしまい(最後には禁じ手)、女性編では、会社員の高泉昌子さんの、「ふ」と、ため息を漏らしながら呟いた、『人はそれぞれ戦う本ていうのに一冊は出会うのよね』と、吉野さん自身のそれに、若さを省みた時のこそばゆい感じが、愛おしさに変わる瞬間を垣間見られたのが、忘れられない。
さらに、忘れられないといえば、吉野さんの家族との絆も同様で、それは、お父さんの自由な振る舞いに、ああだこうだ言っても感じられた、吉野さんやお母さんの口に出さなくとも分かるような、信頼の伴った愛情であり、そこには皆が読書好きであることが密接に関わっていたことも、更に感動を引き起こしてくれて、改めて本の力を思い知る。
そして、タイトルからも感じられた、吉野さんのお母さんの、いわゆる普通が一番といったポリシーは、彼女自身の才色兼備で現実主義な一面と似通ったものもあったが、その一方で、吉野さんへの揺るぎない愛情を持っていたことも確かなのが、痛いほどに伝わったのが、『親不孝者』のひと言であり、これは、子どもの頃のエピソードだから関係ないんだと思いつつも、吉野さんの亡くなられた事が、ふと頭に過ってしまい、しんみりとしてしまったが、それだけ吉野さんにとっては、いかにお母さんが好きだったのか、よく分かるエピソードであった。
本書は、111108さんのレビューにより、出会うことが出来ました。
ありがとうございます。