紙の本
大敵トランチブルとマチルダの戦い
2006/04/01 21:55
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『マチルダは小さな大天才』の主人公マチルダは、3歳になる前に自然に字を覚えてしまい、4歳にしてディケンズやヘミングウェイなど大人向けの小説をすらすら読めてしまうような少女です。数学の才能にも恵まれ、さらにはある特殊な能力も発揮します。
けれどもマチルダの両親ワームウッド夫妻は娘のマチルダを「かさぶたかなにかぐらいにしか思ってい」ませんでした。それどころか「どうしようもないワル」「正真正銘の悪ガキ」と見なしていたのです。
ワームウッド夫妻はマチルダに対して心ない仕打ちを続けます。でも、マチルダも普通の子供のように黙って耐えているわけではありません。5歳になるかならずで敢然と反撃を開始するのです。飛びぬけて優秀な頭脳だけを頼りにして。
《かつてナポレオンが言ったように、攻撃されたときには、反撃することだ。それがただひとつの思慮深いやり方だ。》
クランチェム・ホール小学校に入学したマチルダは担任教師のミス・ジェニファー・ハニーと運命的な出会いを果たします。ミス・ハニーはマチルダのことを完全に理解してくれる初めての大人、心優しい女性でした。
ところが小学校にはマチルダとミス・ハニーにとって共通の敵がいました。女校長ミス・トランチブル。「エキセントリックで血に飢えたスタッグハウンド(大型猟犬)の仲間のように見える」「図体のでかいいばり屋、すさまじい暴君的モンスター」です。
両親よりはるかに手ごわい大敵トランチブルとマチルダの戦いの火蓋が切って落とされます・・・。
本書『マチルダは小さな大天才』はロアルド・ダール(1916-1990)作 ”Matilda”(1988)の全訳です。『ハリー・ポッター』が出現するまでは、イギリスでもっとも「売れた」児童文学作品でした。
2005年に公開されて話題となった映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作者もロアルド・ダールです(原作本のタイトルは『チョコレート工場の秘密』)。ただし、ダールは児童文学専門作家というわけではなくて、大人向けの『あなたに似た人』『キス・キス』など「奇妙な味」の短編作者として名を知られてもいます。
ところで本書の中で作者ダールは、登場人物の口を借りて、ささやかな児童文学論を展開しています。やはり近年映画化され話題になった『ナルニア国物語』原作者C・S・ルイスや、『ロード・オブ・ザ・リング』のJ・R・R・トールキンが批評の対象となっています。
以下に当該部分を引用します。問いかけているのがミス・ハニー、答えているのがマチルダです。
《「おもしろかったのは、どんな本?」
「『ライオンと魔女』がおもしろかったです。わたし、ミスター・C・S・ルイスはとてもよい作家だと思います。でも欠点もあります。物語にこっけいみがないんです」
「ほんとにそうよね」
「ミスター・トールキンにも、あまりこっけいなところがありません」
「あなたは、子どもの本はみんな、こっけいなところがなければいけないと思うの?」
「そう思います。子どもって、大人(おとな)ほどまじめじゃないんです。笑うのが好きなんです」》
「ルイス、トールキン、なにするものぞ!」というロアルド・ダールの気概が強く表れているようで、興味深いと感じました。
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以前「マチルダ」という映画を紹介していただいたことがある。以来ずっと気になって探していたら大阪
日本橋の中古ビデオ店で発見し100円で購入。「チョコレート工場の秘密」を読んでから
ダールの児童小説をもっと読みたくなり本屋で「マチルダは小さな天才」を同じ日に
買った。家に帰ってからこの本と映画「マチルダ」が原作と映画化作品という関係に気付き
驚いた。タイトルが被ってるとは思ってたんだけどね。素敵な巡りあわせのおかげで本と
映画をいっぺんに楽しめることになった。まずはダールの小説から読んでみる。マチルダは
5歳にして有名な文学作品を読みこなす天才少女。ところが両親はそんな彼女を理解せず
馬鹿にするばかり。学校にあがれば横暴な女校長が生徒を牛耳っている。マチルダは天才的
頭脳と突如目覚めた不思議な力を駆使して無理解な大人たちに反撃を開始する。出てくる
人物は極端にコミカルなデフォルメをされていて女校長ミス・トランチブルの怪物っぷりは
大人が読んでも強烈な恐ろしさ。ハンマー投げの要領で生徒を窓からぶん投げるっていう
のが凄い。どきついめの人物の中でもマチルダは頭が良くても鼻にかけることなく素直で
愛らしく、本好きっていうのも嬉しくなる。彼女が両親や女校長に仕掛ける仕返しは
アイデアが一杯でとても面白い。驚く大人たちのリアクションがオーバーで動きが目に
見えるようだ。それをクェンティン・ブレイクがひょうひょうとしたとぼけたタッチで
イラストにしているので可笑しさ倍増、笑った笑った。ナンセンスなユーモアの後ろには
マチルダの冷えた家族関係、マチルダの理解者となる先生ミス・ハニーの悲惨な身上等
児童書にしてはシニカルなテーマがあるがそういったものもひっくるめて待っているのは
大逆転の気持ちの良いラスト。いやー面白かった。映画になったら面白そうな場面が
沢山あるので今度は「マチルダ」のビデオを観るのがとても楽しみになってきた。
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すっごい面白かった。マチルダは賢くて性格もいい女の子だけどちっとも嫌味でない。それと比べてマチルダの通う学校の校長はすごすぎる;それと親がアホすぎる;そのバランスが絶妙でおもしろい。ちょっとラストが簡単すぎるかなぁ。
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児童文学だけど、こんなん日本の子供に読ませちゃだめ。
ここは腐っても、一応儒教の国だから。面白かったんだけども!!
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生徒をハンマー投げのように飛ばす校長先生は変わった登場人物をたくさん書いてきたダールの中でも際立って強烈である。
親もしょうもないし、素直にマチルダを応援してしまう。マチルダのイタズラがワクワクした!
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またコレは…虐待モノ?ていうか虐待みたいになってたマチルダ(チビッコ)が親にしかえしをするという…まぁおもしろいのでいいです。
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うーん、はじめ読んだときは、悪い方のダールだと思ったのだけど、いい方のダールも混ざっている感じです。
それは、マチルダとミス・ハニーの魅力のせいです。
本を読む人に対しては、それだけで、好意度がアップするわたし……。
あと、テレビに関する考え方は、わりとダールと一緒なんですよねぇ。特に、子どもとテレビについては。
大切なことは、マチルダみたいな環境におかれている子どもは、実はけっこういるということ。
そして、もっと大切なことは、そのなかでマチルダみたいに育つことは、メチャクチャ困難だということ。
以下、ちょっと物語のラストにふれているので、隠します。
http://asobo.littlestar.jp/rin/?p=246
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マチルダは天才少女。三歳になる前に字が読めるようになり、四歳で、
有名な文学作品も読みこなす。ところが両親ときたら、そんな娘を
「かさぶた」あつかい。「物知らず」だの「ばか」だのと、どなりちらして
ばかり。学校にあがると、そこには巨大な女校長がいて、生徒を
ぎゅうぎゅう痛めつけている。横暴で高圧的な大人たちに頭脳で立ち
向かうマチルダの、痛快仕返し物語。
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ロアルド・ダールにはまったきっかけの1冊。ひそかに映画化を期待してます。絶対、おもしろいはず!ちなみに英本も持ってます。
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「チャーリーとチョコレート工場」でおなじみの、ロアルド・ダールの本。
大人が読んでもおもしろい。
ちなみに読んだ本は、これとは違う装丁で出てる分です。
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この話は、マチルダとマチルダの通う学校の校長や彼女の両親との奮闘(?)を描いたものです。
マチルダがあの手この手で親や校長をあっと言わせていくのがとても面白いです。
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実はチャーリーとチョコレート工場も10歳のときに見てた×)
名前が一緒なだけだと思ってた☆)わらい
でもやっぱりこっちがすき!
表現の仕方もすき!
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ダールさん…幼少期私を本の世界に引き入れてくれた人です。特にこの本が凄い好きだった…知らぬ間に親が人にあげるか売るかしてなくなってしまったんですが、本屋で見かけることがあれば絶対買おうと思う。映画も見たいなあ
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マチルダは天才少女。三歳になる前に字が読めるようになり、四歳で、有名な文学作品も読みこなす。ところが両親ときたら、そんな娘を「かさぶた」あつかい。「物知らず」だの「ばか」だのと、どなりちらしてばかり。学校にあがると、そこには巨大な女校長がいて、生徒をぎゅうぎゅう痛めつけている。横暴で高圧的な大人たちに頭脳で立ち向かうマチルダの、痛快仕返し物語。
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これ多分、小6で読んだ本。
最近出てきて読み返してみた。
ら、すごい楽しかったん!!
マチルダと一緒にいたずらしてる気分になって、
ハラハラドキドキ、小学生に戻ったみたいやったw
また何年後か読むと思う★
てか、
ハリーとかダレンとか入れたら50冊弱いくねんけどなーどーしよー