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【終われぬ恋をすくう探偵と、恋をなくした見習い助手の織り成す、青春“失恋”物語。】
この道立宇田路中央高校にまことしやかに伝えられる、「不思議な噂」がある。
失恋探偵。それは、正しく終われなかった恋を終わらせてくれる探偵なのだという。
幼馴染への失恋をきっかけに「恋する気持ち」をなくしてしまった少女・零は、失恋探偵を名乗る優しい少年と出会う。彼の見習い助手となった零は、いくつかの恋の終わりに立ち会い、そして……。
「……どんな気持ちも、いつかは消えてしまうの?」
「恋は、終わり際が肝心なんですよ」
青春のいたみを優しく、しかしあざやかに描き出す、青春“失恋”物語。
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女子高生 零はある日、小学校からの幼馴染である秋人に自身の思いを告げるが、振られてしまう。零は振られたショックで落ち込み、食事ものどを通らなくなる…かと思いきや彼女は普段通り、いやむしろまるで秋人への想いが嘘だったかのように感じている自分に困惑する。そんな彼女は学校内で噂になっている失恋探偵 那由他に自分の想いは本当に恋であったのか解明してほしいと依頼する。
そして那由他のおかげで「失恋」を実感した零は恋について考えるため失恋探偵の助手を志願する。しかし舞い込んでくる依頼はそんなに甘いものばかりでなくて…。
大概は小説内の恋は甘いものと感じがちだが、「失恋」をテーマにした本作は恋愛に含まれる苦い部分も多く描かれていて個人的に内容が深いなと感じた。特に最後の話は様々な人の思惑が絡んでおり読んでいてこういうこと現実でもあるんだろうなと感じ、自分はこういう恋愛したこと全くないなと自身の過去を振り返った。
あとがきで作者が初代失恋探偵(本作に出てくる人の過去)を描いた作品をこれより前に出していると書いていたのでそちらもぜひ読んでみたい。
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「恋する街」
消えてしまった彼への恋心。
好きだったからこそ、どんな事も楽しい思い出として残ったのだろうな。
それにしても、あの距離を苦に思わず通い続けた彼女は凄いな。
「菫の選択」
脚本に隠された彼女の真意。
相手を想う気持ちがあるからこそ、怖じ気ついてしまうのだろうな。
ただ、これは遠回しに伝え過ぎではないだろうか…。
「眼差しのラピスラズリ」
突然言い渡された別たの言葉。
普通なら変だと思うことも、慣れてしまえば第三者に助言されるまで何も気付かないのだろうな。
相手を想う気持ちが無いからこそ、自分の思い通りにならなければ激高するのだろうな。
「白い声」
彼が想いを寄せている相手は。
自分を振った相手と以前のように接するというのは、お互い気不味いだろうな。
調査のためとはいえ、そんな事が出来る彼女は強い人なんだろうな。
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既刊1冊。電撃文庫の『失恋探偵ももせ』の続編ですが、前回とは登場人物がただ一人を除いて全部違っていています。『ももせ』よりミステリー色が濃くて、切れる感じ。
百瀬の恋はどうなったんだろう、と思わせる。
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那由他くんの台詞である、「人はみんな『消えてしまった気持ち』でできているんじゃないかって。もう思い出すこともできない、いろんな感情で形作られているんじゃないかって。だとしたら……気持ちの『ゆがみ』は、いつかその持ち主に宿ることになります。そんなの悲しすぎるじゃないですか。だから僕は──誰かが悔いなく失恋するのを手伝いたくて、失恋探偵をやっているんです」が好きです。恋愛って自分の気持ちが大きく関わってくる。始まった時も終わる時も気持ちが左右する。私はこういうお話が結構好きです。