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紙の本

アメリカ憲法のダイナミズム(その1)

2018/03/16 14:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

米国誕生から現在までの政治を憲法の観点から俯瞰する阿川尚之氏の新刊「憲法で読むアメリカ現代史」が上梓された。これで前著「憲法で読むアメリカ史」と併せてシリーズが完結する。新刊がでたことで、あらためて読み返すこととした。当時2004年はPHP新書上下二巻であったが、2013年ちくま学芸文庫になって再版された。いずれも大統領・議会・最高裁判所の三権の間の関係、なかでも連邦最高裁の司法審査のインパクトを中心に据えて憲法政治を記述した二つの書は、新しい視点からの米国史を知ることができる良書である。
本書では建国からレーガン大統領の誕生までを扱っている。歴史的には、司法審査の確立、国土拡大、南北戦争と奴隷解放、二つの世界大戦、大恐慌とニューディール、第二次世界大戦後の超大国誕生、冷戦とベトナム戦争という出来事があった時期が対象になる。
日本の報道でも連邦最高裁の違憲・合憲判決はニュースになることは多いが、違憲・合憲の結論だけであって、何故そのような訴訟が司法の場に持ち込まれるのか、についてはふれられるところは少ない。かつてフランスの政治思想家トクヴィルは、名著『アメリカのデモクラシー』で米国では政治的な争いはいずれ司法の場に持ち込まれる、と米国社会の特徴を喝破したが、単に訴訟が好きということではない。本シリーズでは、時代の変化に対応した新しい権利保障や厳格な三権分立、議会の上院と下院、連邦と州という権力の分散と牽制の仕組が、権力闘争の解決に司法という手法を選択し、憲法を通して問題解決を図ってきた、ということが記述される。つまり暴力によって問題を解決するのではなく、法の支配による問題解決が米国政治の発展とダイナミズムを形成してきたのである。
「現代史」と較べると、本書では後半に「ウォーレン・コート」の司法積極主義時代の権利保障についても記述されているが、どちらかというと、大国化し、国際政治でのプレゼンスが増してくるようになって、大統領と議会、州と連邦の間での権限分配という問題を最高裁がどのように扱ったか、を中心に記述されているといっていいだろう。大きな流れは、連邦の権限の強化と増加である。最高裁も三権の一つとして、アメリカという国を単に州の連合体ではなく一つの国家とするために、時代の要請に応じて連邦の権限強化を認めてきている。アメリカの憲法学者マクロスキーRobert McCloskeyは、名著“The American Supreme Court”において、最高裁は連邦と州の間の権限の「ダム」のような機能を果たしてきたと述べている。ある時は州から連邦へと権限が流れていき、ある時はその流れを絞るというように。南北戦争後の再建期、そしてニューディール期の最高裁の動きもそのようなものであったといえる。
これは「アメリカ合衆国市民」という「国民統合機能」に最高裁も積極的に関与してきたということでもある。この「国民統合機能」という視点から見ると、権利保障も別の意味がある。例えば、戦前スパイ防止法を扱う裁判では、最高裁は表現の自由を侵すものとして州法を違憲としたものはない。これは州法にも修正第1条を適用し、スパイ防止が連邦権限であることを認め、合憲とすることで戦時状態での国民統合を優先したものとする考えもある(『国家と治安』木下ちがや著、みすず書房2015)。また、20世紀最大の判決の一つとされるブラウン判決もソ連との冷戦の中で、人種差別のない平等な国家を実現し、新たな国民統合を狙ったものとも評価できる。
本書を再読し、次なる時代の憲法でよむ米国政治を読み、あらたあめてこの機能がどのようになっているのか、を考えてみたい。

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2013/11/29 01:05

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2014/04/13 13:04

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2014/05/16 00:17

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2014/05/23 23:40

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2014/09/24 01:56

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2016/01/17 22:11

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2016/04/25 19:45

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2018/03/06 23:25

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2021/11/18 08:10

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2022/08/09 15:07

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